2020.08.19
2022.12.27
2022.11.10
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「科学への第一歩は、まず子供たちに興味を持たせること。特に幼児~小学生にはこれがいちばん重要です」と久木田さん。自身が所属するプログラミング教室では、プログラミングロボット「mBot」や「VEX」を活用することで、子供たちが理科学習の必然性を感じられるカリキュラムを提供している。
例えば、ロボットプログラミングを実践しながらブザーを組み立てれば、「音=空気の振動」と机上で学習するより、音そのものを体感することでサイエンスをよりリアルに感じることができる。
ロボットを動かすためには、摩擦や慣性の法則、てこの原理といった知識も必要。子供たちは遊びの中から必要とされるサイエンスの知識を吸収し、楽しみながら実践することができる。
「楽しい!」「面白い!」という体験の中から、サイエンスの視点を体感できる。
「学校の理科の授業と教室との違いは、ロボットがあることですね」と久木田さん。ロボットを取り入れたサイエンスの授業は、昭和女子大学現代教育研究所理科教育研究所グループに属しながら独自に開発したとか。
子供たちのあこがれであるロボットの存在は大きく、机上で教科書から学ぶよりも、スムーズに興味を持たせることができる。遊びからサイエンスのリアルな視点を学ぶ経験は、成長してからも大きな糧となるだろう。
もちろん「電磁波とは何?」「空気の振動とは?」という問いに対して興味を持って答えを追求し、しっかりと理解できる子ばかりではない。「自分で理論に興味を持ち、論理的に理解できるのは1~2割ぐらいです」。
大人もしっかり勉強しておかないと、残りの8~9割に理解してもらうのは難しい。子供と大人が一緒に考え、共に取り組む姿勢が必要となるだろう。
ただ、リアルにサイエンスを体感し、目で見ながらトライアル&エラーを繰り返す作業は、子供たちにとって理屈抜きでサイエンスを楽しめる時間だ。特に幼少期では存分に楽しむ時間を見守りつつ、興味を示すタイミングを見極めてあげたい。客観的に観察しながら、アプローチ方法についても考えてみよう。
桶谷早苗さん
一般社団法人STEM教育協会代表理事。2017年に同協会を設立後、幼児教育からプログラミング教室の講師育成までSTEAM教育全般に関わる。国際ロボコン「MakeX」の国内大会や、「mBot」を使ったワークショップなども開催。
久木田寛直さん
一般社団法人STEM教育協会理事。小中学生向けプログラミング教室「DOHSCHOOL」教頭。昭和女子大学現代教育研究所研究員。2015年より小学校から大学までのプログラミング・情報教育の研究を行なっている。
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・エンジニアリング(工学):【STEAM教育2022】ロボット工学に役立つ幼児期の遊びって? 関わり方にコツも
文:藤城明子
取材協力:一般社団法人STEM教育協会
FQKids VOL.11(2022年夏号)より転載
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