2022.10.31
2024.12.20
2025.02.05
地球の平和を守るブンレッド/範道大也(はんどうたいや)を演じるのは、京都府出身、井内悠陽、20歳。中学2年のときにドラマ『デスノート』を観て人生が180度変わった。夜神月を演じる窪田正孝の演技に衝撃を受け、プロテニスプレーヤーの夢から一転して俳優の道へ――。そして現在に至る。
「小さい頃から人前が苦手で、自分のことが好きじゃなくて。ずっと違う人間になりたいと思っていました。役者として違う人間を演じると一番自分になれるんです」と井内悠陽は照れながら話す。
実際、本人の印象は、非常にニュートラルで無色透明、身体のどこにも力みがない自然体で、どんなボールにも反応できるレディポジション(構え)が染みついているように感じる。
大きな進路変更が伴う俳優への夢を、親はどのようにサポートしてくれたのだろうか。それまでも、やりたいと言ったことは、大人から見たら向いていないかもしれないことでも『一回やってみる?』とやらせてくれたという。
「俳優になりたい、と伝えた時も、よしわかったと言って母親がすぐにいろいろなところを調べてくれて、WES(ワタナベエンターテイメントスクール)に入りました。ここでは演技だけでなく、歌やダンスも学びます」。
WESでは、挨拶から社会のルール、マナー、コミュニケーション力、セルフプロデュース力までをしっかりたたき込まれる。
「僕は、ものすごく頑固なんですよ。演技をやりたいのに、なぜダンス? って最初はイヤイヤやっていましたし(笑)。映像系を目指していたのに舞台?(初の舞台は『ピノキオ』)とか。でも、実際やってみて、考え方がどんどん柔軟になっていきました」。
親対子どもの関係だけでなく、第三者のナナメの関係を入れることで、頑固さがほぐれていったのかもしれない。
「僕が頑固なのを親はよく知っているので、いろいろ僕に気付かれないように遠回しに陰でサポートしてくれていました。今になって、それがよくわかります」。
ブンレッドの範道大也は、何事もスマートに解決し、常に勝負を有利にハンドリングして戦いながら、ピンチに陥ったら気分を爆上げるクールで熱い男だ。井内悠陽との共通点はあるのだろうか。
「共通点ですか……そうですね、大也の熱い部分ですね。僕もハマりやすくて、プロテニスプレーヤーを目指していた頃は、週に8回スクールに通っていましたから。でも、それがだんだん義務になって、テニスを楽しめなくなってきて……」。
楽しむとはどういうことなのだろう。
「ブンブンジャーのオーディションで、初めはものすごく緊張をしていたのですが、『よし、楽しもう!』と気持ちを切り替えたんです。そしたら合格しました」。
楽しんで本来の自分らしさを出せたことがブンレッドにつながったのだ。楽しむことは、自己肯定・自己実現そのものかもしれない。
「歌も踊りも、それからやめたテニスも、子どもの時に習っていた水泳も、家族みんなで行ったスノーボードも、すべてがブンレッドにつながっています。いろんなことに挑戦させてくれた親に本当に感謝です」。
井内悠陽(Haruhi Iuchi)
2004年7月12日生まれ。京都出身。身長180cm。
特技:アクション、ギター、水泳、テニス、ダンス。
趣味:ギター・ピアノで弾き語り。
2023年3月渡辺高等学院卒業。TikTokにて弾き語り投稿中。主な出演作品に、音楽劇「ピノキオ〜絵本の中の僕〜」(脚本・演出:川畑泰史/2023年)、テレビ大阪日経スペシャル「もしものマネー道もしマネ」内ドラマ(2023年)、ABC「おはよう朝日です」内コーナー『チェック・ザ・ヒッツ』(2023年)、ABC「ビーバップ!ハイヒール」内ドラマ(2023年)
「爆上戦隊ブンブンジャー」
毎週日曜午前9時30分~テレビ朝日系にて放映中!
▼こちらの記事では、また異なる切り口のインタビューや写真を掲載しています。
文:脇谷美佳子
写真:松尾夏樹
FQ Kids VOL.19(2024年夏号)より転載
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