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2022.06.21
2021.11.23
「工場見学や施設見学といった体験学習は、机上で勉強するより学習定着率が高いと言われています」と語るのは、教育専門家の石田勝紀さん。その理由は、何といっても現場ならではの臨場感。日々の単調な生活のなかでは得られない刺激を受け取ることで、子供たちの「心」が動き、深く記憶されていくのだ。
以下の図で示された「ラーニング・ピラミッド」では、学習行動によって異なる定着率を解説。講義を聞くよりも本を読む方がより記憶に残り、視覚情報などが加わることで、学習定着率はさらに向上すると考えられている。
学習方法と平均学習定着率を示す図。「講義」「読書」「デモンストレーション」など、学習方法の違いによって学習定着率が異なることを示す。
●オンラインでの経験は「視聴覚」や「デモンストレーション」に該当。授業を聞くだけより学習効果が高い。
●オンライン体験学習後、家庭でその内容を話し合ったり、参加しなかった家族に説明すると定着率がアップ。
コロナ禍でリアルな体験学習が難しくなっている昨今、各企業が企画しているオンライン体験学習についてはどうだろうか?
「“視聴覚”や“デモンストレーション”に該当するオンライン体験学習は、学校の授業(講義)などに比べると学習効果が高いですね」と石田さん。視覚情報が入ることによって得られる学習定着率は、約20%。これを低いと感じる方もいるかもしれないが、教室の授業などを含む「講義」による定着率の約4倍と考えると、十分な効果だと言えるだろう。
未就学児や低学年がオンライン体験学習にトライする場合、親子で参加するケースがほとんど。
「予習が必要なのは、子供ではなく親です。親自身がリサーチをして、“こんなところに行くんだ! おもしろそうだね!”とわくわくしている姿を子供に見せることが大切」。大人が存分に楽しみ、「これおもしろいね!」と楽しむ姿は、どんな演出よりも効果があるのだとか。
企画を選ぶ時も、まずは親が興味を持てそうな企画を3つぐらい探し、子供に選ばせるのがポイント。体験中はプログラムに従って親子で視聴すればいいが、子供が進行から外れたところで発見する「あれかっこいい!」「おもしろい!」はぜひ共有してあげたい。
「ラーニング・ピラミッド」の図を参照すると、学習した事を最も定着させるのは「他の人に教える」経験だ。オンライン体験学習で得た知識をさらに定着させるためには、子供に感想をアウトプットさせることが重要。その際、「今日印象に残ったベスト3を教えて! 第3位は?……」と問いかけてあげると、子供もスムーズに自分の思いを口にすることができるはずだ。
「探求心を育てたいなら、まずは親が探求心を持つ。親子で一緒に楽しみ、話し合うことが大切ですね」。
●見学先は子供に選ばせる
●事前の準備は親がしっかり!
●「わくわくするね!」と親も一緒に楽しむ
●終了後のアウトプットで記憶を定着
石田勝紀さん
20歳で学習塾を起業。35歳で、都内私立中高一貫校の常務理事に就任し、経営、教育改革を実践。現在は全国各地で講演会、カフェスタイル勉強会「Mama Café」、研修会を主催。
写真:松尾夏樹
文:藤城明子
FQ Kids VOL.07(2021年夏号)より転載
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