2022.02.18
2020.12.30
2023.04.14
南海トラフ地震の可能性について研究や報道が増えている。政府の地震調査委員会によれば、マグニチュード8から9クラスの地震が今後30年以内に発生する確率は70~80%(2023年4月時点)。駿河湾から日向灘沖にかけてのエリアをはじめ、日本ではどこにいても地震への備えは必要だ。
防災グッズの準備はもちろん、いざという時に子供が自分で身を守る行動ができるように、日頃から親子でよくコミュニケーションをとっておきたい。子供との訓練に役立つ絵本をチェックしてみよう。
大地震が発生した際に子供が自発的に行動して身を守れるようになるために、岩崎書店から4月に刊行された絵本が『おおじしん さがして、はしって、まもるんだ』(文・監修/清永奈穂、絵/石塚ワカメ)だ。
絵本の中では、子供がお留守番をしているときに大地震が発生。ドアは開かなくなり棚が倒れ、家の中はめちゃくちゃに。そんな中、子供はある知恵を教わっていたことを思い出し、無事に地震から身を守る。
その知恵とは、「うさぎ、ねずみ、かめ」になること。うさぎのポーズで逃げる場所を探し、ねずみのポーズで安全な場所に隠れて、かめのポーズで身を守ることが有効だというのだ。
地震の際は揺れ始めの8秒の初動対応が重要で、その間に安全を確保するのが良いとされている。とはいえ揺れている中では動くこともままならない。そこでまず、手をついて転倒しにくい「うさぎのポーズ」で逃げる場所を探す。
そして「ねずみのポーズ」で身を低くして、テーブルの下や転倒する物のない部屋の隅など、安全な場所に逃げ込む。逃げ込んだら「かめのポーズ」だ。体を小さく丸めて手足を引っ込めよう。うつ伏せで胸やおなかを守るのがポイント。首のうしろも大切なので、手の甲やランドセルなど丈夫なものでガードしよう。
さらに、絵本によると、普段から家の中のどこが安全かを確認して、逃げ込める場所を確認しておくことが大切なようだ。どんな場所が安全かを考える訓練ができるページもある。
また、屋外で地震に襲われることもあるが、そんなときに避けるべき危険な場所やものも、子供が覚えやすいようにポイントを示してくれている。巻末の4ページでは、日頃の備えや命を守る8秒間の対応法を保護者向けに詳しく解説。こちらも親子で一緒に読んでみるといいだろう。
防災意識の高まりにともなって、災害の映像などに触れることも多くなった。恐怖心を煽るばかりが備えではない。災害の危険性とともに、適切に対応すれば身を守ることはできると教え、訓練や備蓄などの対策をとってわが子に安心感を持たせてあげよう。
そして絵本の中でそうであったように、家族は何があっても大丈夫なのだと子供が信じられることも安心材料にしてあげたい。
文:平井達也
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