「スポーツが得意な子」になるには? 子どものやる気に火をつける親の関わり方と環境

「スポーツが得意な子」になるには? 子どものやる気に火をつける親の関わり方と環境
学生時代は陸上競技の選手として活躍し、全国大会での優勝経験もある、タレントの照英さん。今回は、FQ Kids読者のスポーツについてのお悩みに答えていただきました。
スポーツについての読者の悩み
スポーツは何を習わせたらいいか悩んでいます。
スポーツが得意になるにはどうしたらいいでしょうか?
運動嫌いな小学4年生の息子に、どうやって少年野球をさせたらいいでしょうか?

まずは親が見本を見せる!
「好き」の気持ちを育てる工夫も

もし、子どもにスポーツに興味を持ってもらいたかったら、自分だったら一緒に走ります。「1人で走ってきなよ」では絶対だめ。親がいつも本を読んでいたら、子どもも自然に本好きになるといいますよね。スポーツも同じです。

「一緒に走ろうか。パパも最近運動不足だしさ」と誘ってみてください。長い距離でなくていいんです。100mでも200mでもいいからゆっくり走る。「今日はこれだけで充分。明日はもう少し長く走ろうか」って。それぐらいの距離なら、気軽に始められますよね。

始める前に、まずその競技の試合を一緒に見に行くのもいいですね。野球だったらプロ野球の試合。サッカーならプロサッカーの試合。みんなが応援する空間に連れていって、「野球(サッカー)ってこんなに面白いスポーツなんだよ」というのを見せてあげてください。

一緒にTVで試合を見ながら、見本になるような選手を教えてあげるのもおすすめ。「この選手うまいね」「このプレイはすごいんだよ!」とその競技の楽しさを子どもに知ってもらうことが大事。そして親がこのスポーツが好きだという気持ちを、子どもに伝えたらいいと思います。

仲間やライバルがいると
面白さがさらに伸びる!

僕の場合、小学生の時に、親から「泳げた方がいいから」と言われてスイミングクラブに連れていってもらいました。小学2年生の時に野球チームに入りましたが、コーチに怒られるからイヤでイヤで(笑)。

それでも6年生の時にキャプテンに指名され、やめるにやめられなくなった時、みんなを引っ張ってプレーすることの面白さがわかるようになりました。

陸上競技を始めたのは、中学に入学した時に先生に誘われたのがきっかけ。やっているうちに、「あの先輩速いな」とか、「高く跳べてかっこいいな」とか、先輩たちに追いつきたいという気持ちが芽生え、さらに先生にいい方向に指導された結果、全国大会にも出場できました。

部活動では、先輩の姿を見て後輩が育つ。一番いいのは、ライバルがいることです。指導者ががむしゃらに教えるだけでは、伸びないんですよね。

面白さを見つけて、褒めてもらって、仲間から刺激をもらう。これがスポーツが楽しくなるのに大切な要素だと思います。

親はいつも前向きな気持ちで
言葉をかけて

スポーツは苦手意識が強い子も多いですよね。50m走ってみた時、誰かに「遅いな」と言われたのがきっかけでスポーツ全部が嫌いになったり。でも、すべての競技で速く走る必要はありません。

例えばアーチェリーやボート競技のように、速く走る必要がないスポーツもある。もちろん、走るのが速いのが有利になる競技もある。スポーツを好きになってもらいたいなら、わが子にどんな競技が合うのか見極めてあげるのも大切です。

とはいえ、わが子に何が合うのか見極めるのは本当に難しい! わが家の長男は、野球、かけっこ教室やテニス、スイミングなどをやってみても「なんか違う」って。でも、結局今は自分でまた野球部を選んで入っているんですよ。「だったらあの時やめさせずに、野球を続けさせればよかったのかも」。親はそう思っちゃいます。

でも、親が後悔するところを子どもに見せたら、子どもはがっかりする。だから「野球もかけっこも水泳もやって、テニスもやったことがある。剣道や武道にも挑戦したことがある。こんなに何でもやってきた子はいないよ!」と前だけを見るようにしています。「君は何をやってもできる。最高だね!」って。

結局は、自分が「やるぞ!」と感じられる、導火線に火がつく材料があるのが一番大事なのかも。親がその材料をあげられるとしたら、うまくプレーできた時に言葉でほめてあげること。親がしっかり見てくれて、「嬉しかったなー!」と伝えてくれることは、子どもの中に絶対残ると思います。

PROFILE

照英(しょうえい)

1974年生まれ。俳優・タレント。学生時代、やり投げで全国区の選手として活躍。その後ファッションモデルとして活動し、『星獣戦隊ギンガマン』で俳優デビュー。芸能界にフィールドを広げ、現在は司会やリポーターを務めるなど、幅広く活躍している。私生活では、3人の子どものパパとして子育てに奮闘中。等身大の子育て論が、子育て世代に強い共感を呼んでいる。

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文:藤城明子

FQ Kids VOL.16(2023年秋号)より転載

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