子供のスポーツ体験はなぜ大切? 照英さんが実体験から語る、メリットと親の役割

子供のスポーツ体験はなぜ大切? 照英さんが実体験から語る、メリットと親の役割
学生時代に、陸上競技の選手として華々しい成績を納めたタレントの照英さんにとって、「スポーツの良さ」「スポーツを通じて子供に学んでほしいこと」とは?

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努力をコツコツ重ねて
自分で自分を構築していく

僕は学生時代に野球と陸上競技をやっていて、結局陸上競技にどっぷりはまりました。自分が頑張ったら頑張っただけのことが返ってくるのが、個人競技のいいところ。そういう経験から、あきらめないでコツコツ積み重ねていくことが、自分を構築していくうえで一番大切だと学びました。

ステップの幅は小さくてもいいから、続けることが大切。継続することが、自分づくりにつながっていくと思います。才能はいつどこで開花するかわかりませんよ。だから、身体づくりは大切です。体力・筋力のバランスを整えておけば、いざという時に自分を助けてくれます。

勝ち続けている人間は負けた時にどん底まで落ちやすいし、這い上がるまでに時間がかかりますよね。でも、コツコツと努力してきた人間は、何度も挫折をくり返しているから、1回滑り落ちてもまた努力を積み重ねるだけ。それが負けることを知っている人間の強みで、それを学べるのがスポーツの良さです。

ライバルと競い合うこともとても大切。ライバルに競り勝つ努力をするには、相手をよく見ることが必要になります。「なんであの子はあれができて、自分はできないんだろう」と自分を見つめ直すことができるのも、スポーツのいい面ですね。子供たちにはスポーツを通じてそこを学んでほしいです。

やりたいことを見つけるには?
子供に選ばせる難しさ

僕自身はずっと陸上競技でやり投げをしていたんですが、どこかで「やらされている」感があったんですよね。そのまま高校生、大学生にまでなって、本当に好きだと気がついたのは陸上競技をやめる直前。そこで「やっぱりやりたい」と思ったということは、実は自分は陸上競技が好きだったんだなと気づきました。

もっと「好き」に気づくのが早かったら、もっと夢中になれたんじゃないかと思ってしまう。だから、子供にも「好きじゃないなら、やめていいんじゃないの? 好きなことが見つけられた方がいいと思うよ」といつも言っていました。

それで、長男には小さな頃から体操やサッカー、水泳といろんなスポーツを体験させました。少年野球チームにも入っていたのですが、「あんまり面白くない」って。「面白くないなら、やめてもいいんじゃない?」とあっさりやめさせてしまったんです。

ところが、高校生になった今、自分で軟式野球部に入ってすごく頑張っている。もう夢中みたいですね。今まで体験したどんなスポーツよりも情熱をかけて、朝練も頑張っています。

それを見ていると、「だったら、あの時野球の面白さに気づくまでやらせてあげて、ずっと続けさせてあげればよかったのかな」なんて考えてしまいます。そこが子育ての難しいところだと思うし、少し後悔している部分でもあります。

とはいえ、最終的に自分で夢中になれることを見つけてくれたことは、すごく嬉しいことですね。夢中になれることが1つもないのが、いちばん寂しい。それを見つける旅をするのが、人生だと思っています。

彼は今道標を見つけて、高みを目指そうと思っている。スポーツから得られるものを間違いなく吸収している。スポーツをやらせてきてよかったなと思う瞬間です。

子供はいつだって頑張ってる!
見守ることが親の仕事

子供の試合も見に行きますよ。そこですごい子がいたら、「あの子はすごかったな! 君(息子)があれをできたら僕はすごくうれしい。次の試合までに頑張って、その結果を見せてよ。楽しみにしてるから!」と言っています。

練習の過程を見ている訳じゃないので、努力しているかどうかはわからない。でも結果は試合に出るから、それを僕に見せてほしい。そう伝えると、嬉しそうに練習に行っています。

一方で、試合で子供が失敗しても「いいんだよ」と言ってあげられる心の余裕がないといけないな、とも思っています。子供の試合を見て、ヒートアップしちゃう親っていますよね。その理由は「自分の子供ならできるだろう」という思いと、「他の親が集まっている中で、恥をかかせるな」といういやらしい気持ちが出てしまっているのだと思います。

でも、それは子供にとってプレッシャーにしかなりませんよね。ふだんの練習はろくに見ていないのに、試合だけ見て「なんでできないんだ!」なんて言うと、子供は「何も知らないくせに」と思うはず。

子供は親に喜んでもらいたいと思うから、みんな頑張っています。親にできるのは、ふだんは見つめてあげるだけ。そして、相談された時や、挫けそうになった時に助言ができるよう、親もしっかり勉強をしておくこと。

いい言葉がけができるように、親も努力をしておきたいですね。

PROFILE

照英(しょうえい)

1974年生まれ。俳優・タレント。学生時代、やり投げで全国区の選手として活躍。その後ファッションモデルとして活動し、『星獣戦隊ギンガマン』で俳優デビュー。芸能界にフィールドを広げ、現在は司会やリポーターを務めるなど、幅広く活動している。私生活では、3人の子供のパパとして子育てに奮闘中。等身大の子育て論が、子育て世代に強い共感を呼んでいる。

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文:藤城明子

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