2020.11.05
2020.11.02
2024.05.10
三谷 純さん
筑波大学大学院システム情報系教授。計算幾何学とグラフィックスを主に研究する他、コンピュータ技術を用いた立体的な折り紙の研究者としても知られる。
AI時代に必要とされる創造力や問題解決力といった能力を育むために、家庭では何ができるのだろうか?
「大切なのは、子どもが好奇心を持った時にその芽を摘んでしまわないこと。周囲の大人は『危ない』『今忙しい』『面倒』などの理由で子どもの行動を束縛せず、のびのびと過ごさせることが大事なのでは」と三谷先生。
とはいえ、「好奇心を育てる」のは難しい作業。子どもの好奇心と「好き」の気持ちを育てるためには、まずは親自身が楽しむことが大切だ。
「例えば新しいAIツールが登場した時、親がどんな反応を示すか子どもは見ています。これは新しい! こんなに面白いよ! と一緒に試し、大人が知的好奇心を発揮する姿を見せることが大切になります」。
親が新しい情報に敏感になり、これまでにない技術を前向きに楽しもうとすることは、家庭でも今すぐできるだろう。
「子どもとプラレールで遊ぶうち、『曲がる』『まっすぐ』の2種類のレールで何ができるか挑戦したくなりました」と三谷先生。プラレールのコースを設計するソフトウェアを自作し、幾何学的な図形に挑戦。レールは電車が走るものという前提を覆した遊び心あふれるアイデアが、ネット上でも話題に。
▼専用ソフトを開発!
線路でつくった図形は、三谷先生が開発した専用ソフトで作成。
コンピュータ・グラフィックス等を専門とする三谷先生は、折り紙で製作可能な立体をコンピュータで設計。平面素材を曲げることで生まれる立体の可能性に挑戦している。そこに「美しさ」「面白さ」を感じる感性も人間ならではだ。
<親子で挑戦! 8枚羽根の球体>
最もシンプルな立体ともいえる球体を中に包むようにした立体折り紙。筒状にするために紙の端を貼り合わせる必要があるが、上下のしぼりの構造で形が安定する。曲線での折りは紙を宙に浮かせ、全体を丸めるようにして折ろう。
展開図
●展開図を厚手の紙に(少し拡大して)コピーする。
●展開図の準備ができたら先の硬いもので折り線をなぞり、折り筋をつける。テンプレートを切り取ってその縁をなぞると、曲線の折り筋をきれいにつけられる。
●印刷面が立体の内側になるように折る。
●筒状に閉じるために、端に「ノリシロ」がついている。
折り方
1 展開図内の①の線(8本)をすべて内側に折る。「ノリシロ」の隣の線も忘れずに。
2 展開図内の②の線(8本)をすべて①と反対側に折る。紙を丸めて立体的になるように折る。
3 2をひっくり返し、外側からも押さえて折り筋をしっかりつけ、ダンゴムシの背中のようにする。
4 「ノリシロ」を貼り合わせ、筒状にする(印刷面が内側になる)。
5 8枚の羽根が互いに重なり合うようにまとめる。うまくまとまらないときは、もう1度折り筋をつけ直して再チャレンジ!
6 5をひっくり返し、反対側も同じように閉じる。羽根の形を整えて完成!
おもちゃ、アプリ、習い事など
編集部のおすすめPICK UP!
楽しくSTEAM教育に取り組めて、AI時代に必要な力を育てるのにおすすめのおもちゃ、アプリ、習い事などを厳選して紹介!
¥2,420~¥19,800(税込)※商品によって異なる※画像は「ピタゴラスBASIC 知育いっぱい!ボールコースターDX」
数学の教材から誕生した、磁石でピタッとくっつくロングセラー玩具。平面から立体を作り上げて遊ぶことで、創造力はもちろん空間認識や算数を理解する力も育つ。1歳からのBASIC、3歳からのWORLD、小学生のSCHOOLと多彩なシリーズがあるのも魅力。
問/ピープル
¥19,800(税込)
幼児から楽しくプログラミングを体験できる知育玩具。タブレットやパソコンは不要! ロボットがおしゃべりをしながら遊び方をガイドしてくれて、頭の上のボタンを押すだけでプログラミングができるので簡単。言葉、数字、音楽、図形、色などを遊びながら学べる。
問/くもん出版
¥プログラムによって異なる
「かんじる・かんがえる・つくる・つたえる」をテーマに、アーティストや専門家と連携した多彩なワークショップを実施。造形、音楽、身体表現、自然体験、サイエンス、プログラミングなど、子どもの好奇心を刺激するものがたくさん! 幼児から参加OKのワークショップも多数。
問/CANVAS
¥9,900(税込)/月 ※入会時費用・材料費別途
全国に広がる、理科や科学が好きになる科学実験教室。毎月テーマに沿って、物理学・生物学・地学・工学などの科学体験ができる。5歳~小3の初級コース→中級→上級と進むことができ、4年間の実験は約200種類! 知識だけではなく体験から子どもたちの「生きる力」を育む。
¥コース・教室によって異なる
2003年の設立から20年にわたり、ロボット製作とプログラミングで子どもたちを夢中にさせてきたSTEM教育のパイオニア。年長~高3までコースがあり、オンラインコースも。世界最大級のロボット競技会に日本代表として参加したり、「ロボット検定」の認定校にもなっている本格派。
問/ロボット科学教育
¥無料
自分で描いた絵をプログラミングで動かせる、楽しい教育アプリ。1・2年生から使える簡単設計で、プログラミング経験のないパパ・ママでも教えられる。自分で絵を描き、自分で考えたストーリーに沿って動かすことで創造力も育つ。
問/DeNA
¥1,100(税込)
未来を生きるために大事な考え方を身につける、小学生向け学習読み物シリーズの新刊「となりのAI」。AIをどのように活用したらいいのか、そもそもAIに任せるべきなのか……など、物語を通して主人公たちと一緒に考えながら、AIと生きる世界を体感することができる。
¥498,800(税込)※事務手数料、送料込みの価格です。※暮らしの費用が別途かかります。
世界最高水準の技術が搭載された、日本発の「人間とともに暮らすロボット」。柔らかく温かい、目が合う、かわいがった人に懐くなど、「生きている」と感じる技術が満載。実証実験では触れ合いで子どもの知的好奇心がアップするという結果が。未来の暮らしを体験できるかも。
問/GROOVE X
文:藤城明子
FQ Kids VOL.15(2023年夏号)より転載
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