脳に良質な刺激を与える遊びって? モンテッソーリ教育に学ぶ「非認知能力」の育て方

脳に良質な刺激を与える遊びって? モンテッソーリ教育に学ぶ「非認知能力」の育て方
ヨーロッパを中心とした海外の人気教育法では、以前から「非認知能力」に重きを置いたメソッドを取り入れてきた。日本でも注目が集まる「モンテッソーリ教育」について、おうちでできる実践例とともに紹介する。

>>関連記事【今こそ知りたい「非認知能力」がこれから求められる理由。乳幼児期に大切なことは?】

「モンテッソーリ教育」の特徴
19〜20世紀にイタリアで活動した医師であり、教育者であるマリア・モンテッソーリが提唱した教育法。0〜24歳まで子供の発達を6年ごとの4段階に分け、0〜6歳までの幼児期こそ最も大事な時期と考えている。

子供は自らを
成長・発達させる力を持っている

「人生を生き抜いていくために必要な能力の80%が、0~6歳の幼児期(=敏感期)に備わる」というのは、モンテッソーリの主張の1つだ。事実、脳は、生まれた直後から3〜5歳頃まで急速に成長し、成人の脳の85%程度まで発達する。

「意思や意欲を持つ、計画を立てる、感情をコントロールするといった非認知能力は、脳の前頭前野に凝縮されています。モンテッソーリでいう敏感期は、この部分が急速に発達する時期。モンテッソーリ教育が提唱する『お仕事』にトライすることで、良質な刺激を脳に与えることができるのです」。

そう話すのは、『非認知能力を伸ばす おうちモンテッソーリ77のメニュー』の監修者の1人、中山芳一先生。「子供は自らを成長・発達させる力を持っている」というのが創始者のマリア・モンテッソーリの考え。敏感期にいる子供は、本人が自由に選んだ活動に思う存分集中できると、あらゆる非認知能力が伸びていくという。

この敏感期における活動をモンテッソーリ教育では、「お仕事」と呼ぶ。例えば、ビーズをピンセットでつまんで集めたり、お花に水やりをしたり、紙を好きな図形に切ったりすることも、立派な「お仕事」だ。

「『お仕事』を粘り強く最後までやり遂げるには、集中力や探求心、安定した情緒などの非認知能力が必要になる。できる限り、気が済むまでやらせてあげてください」。

モンテッソーリ教育の真の目的とは、「自立していて、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てること」。これはまさに非認知能力そのもの。大人の価値観を押し付けず、子供が活動に没頭できるような環境を作り、見守ることが大切だ。

モンテッソーリ教育
実践例

のりで貼る
カットした紙を用意し、ハケでのりをつけて自由に貼る。貼る動作は手指を細かく使う必要があるため、手指の巧緻(こうち)性や集中力を養える。
対象年齢:3歳頃~

リリアン編み
ガムテープの芯に割り箸5本を上部2.5cmほど出して等間隔にテープで固定し、編み機を作成。極太の毛糸でマフラーを編んでいく。
対象年齢:4歳頃~

布合わせ
家にあるビロード、木綿、絹、ウール、麻などの不要になった布を15cm角にカットしたものを2枚ずつ用意。目隠しをして同じ布を探す。
対象年齢:3歳頃~

ビーズつまみ
お箸でビーズをつまみ、隣の皿へ。繰り返し行うことでお箸使いのコツがつかめる。「つまむ」お仕事は、トング→ピンセット→お箸とステップアップするとスムーズ。
対象年齢:3歳半頃~

事例写真出典:『「集中」すれば子どもは伸びる! モンテッソーリ園』(協力:新浦安(現:しののめ)モンテッソーリ子どもの家 撮影:末松正義 発行:東京書籍)

おうちで実践Point!

大人が「ああしなさい、こうしなさい」と口を出さず、子供が「自分で選ぶこと」を大切にする。初めて体験する活動では、余計な説明をせず、大人がただ黙ってゆっくりやり方のお手本を見せると◎。

PICK UP!

『非認知能力を伸ばす おうちモンテッソーリ77のメニュー』

しののめモンテッソーリ子どもの家+中山芳一/監修(東京書籍) ¥1,760(税込)

今回ご登場いただいた中山芳一先生も監修に携わる。幼児教育の中でも人気のあるモンテッソーリ教育を用いて、非認知能力を育むメニュー本。場面と状況別に、おうちで実践できる具体的なノウハウが満載。コピーして使える図案付き。

教えてくれた人

中山芳一先生
岡山大学全学教育・学生支援機構准教授。専門は教育方法学。大学生のためのキャリア教育に取り組むと共に、幼児から小中学生、高校生たちまで、各世代の子供たちが非認知能力やメタ認知能力を伸ばすことができるように尽力。著書多数。

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文:曽田夕紀子

FQ Kids VOL.06(2021年春号)より転載

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