子どもの寝相の悪さはパジャマが原因かも!? 睡眠の質を高めるために見直したいこと

子どもの寝相の悪さはパジャマが原因かも!? 睡眠の質を高めるために見直したいこと
成長に最も大切な要素の1つが睡眠だ。親は子どもの睡眠環境にどのような配慮をすべきだろうか。わが子がしっかり、ぐっすり眠れているか見直すために、調査結果を参考にしてみよう。

成長に必要不可欠!
こだわりたい睡眠の質

日本は世界的にも睡眠時間が短いといわれており、その傾向は子どもにも見られるようだ。親の生活リズムも、子どもの睡眠時間に影響を与えているかもしれない。

成長ホルモンが分泌され、身体の成長や神経系の発達が促進される睡眠は、子どもにとって大切なもの。時間はもちろん、睡眠の“質”も大事にしたいところだ。調査結果をもとに、わが子の理想の睡眠環境について考えてみよう。

子どもの睡眠に高い関心
「良い睡眠環境」って?

株式会社松村寝具は、小学生以下の子ども(親と一緒の布団ではなく1人で寝ている)を持つ30代女性を対象に、「子どもの睡眠環境に対する親の意見」に関する調査を実施した。

まず尋ねているのは「子どもの睡眠環境についてどのくらい気にかけているか」。「とても気にかけている(28.0%)」「やや気にかけている(53.7%)」と、約8割が子どもの睡眠環境を気にかけていることがわかった。

また「子どもはよく眠れていると思うか」を尋ねると、「とてもそう思う(33.6%)」「まあそう思う(57.6%)」と、約9割の親は子どもがよく眠れていると感じているという結果となった。

睡眠環境といえば布団や枕などの寝具だ。「子どもに合わせた寝具は揃えているか」を質問すると、「すべて揃えている(28.7%)」「ある程度揃えている(53.5%)」と、約8割が子どもに配慮して寝具を選んでいるようだ。

さらに「寝るときに着る服は、どのような素材でできているか」を質問すると、最も多かったのは「綿(80.2%)」で、次いで「ポリエステル(29.1%)」「レーヨン(7.1%)」「アクリル(5.4%)」「ウール(4.4%)」となった。

この結果について、松村寝具代表で睡眠環境・寝具診断士の松村英祐さんは、「寝具に対してもある程度の理解があるようで、素材も吸水性の良いものをと綿を活用されている様子が窺えます。」と評価する。

一方で「近年暖かさを保つためにポリエステル素材も良く活用されておりますが、ポリエステル素材の場合は就寝時の汗や湿気を上げてしまいます。子どもにとってどちらを優先すべきかを考えたいところです」と述べている。


さて、子どもの睡眠といえば寝相も気になるところだ。これについても尋ねたところ、「とても悪い(27.9%)」「やや悪い(51.5%)」と、約8割は寝相が悪いと感じていることがわかった。具体的なエピソードも寄せられている。

●起きたときにどこにいるかわからない(30代/女性/富山県)
●ベッドから落ちている(30代/女性/愛知県)
●隣に寝ていると蹴飛ばされたり殴られたりします。布団はほとんど脱いでいることが多いです(40代/女性/大分県)
●頭と足が逆向きになっていることがある(40代/女性/佐賀県)

親にしてみればかわいらしい反面悩ましいと感じてしまうときもあるかもしれない。これについて松村さんはこうコメントしている。

「子どもは大人と違い身体が軽いため動き回ることができます。しかし、その動く理由を理解する必要があります。子どもは発汗が強く、蒸れる傾向にあります。湿気を逃がすため放湿しようとして寝返りを打つので、吸湿をしっかりと考える必要があります」。

寝相の悪さについても睡眠環境に原因がないか、一度見直してみてもよさそうだ。


調査の最後では、改めて総括的に睡眠環境に対する意識を質問している。「子どもに適した睡眠環境とはどのようなものか知っているか」を聞くと、「まったく知らない(10.0%)」「あまり知らない(44.1%)」と、過半数が子どもに適した睡眠環境の認識に自信がないことがわかった。

「どのような環境が子どもにとって良い睡眠環境だと思うか」を複数回答可で聞くと、1位は「静かな空間にする(58.0%)」、次いで「カーテンで光を調節する(56.6%)」「子どもに適した寝具にする(52.9%)」「室温や湿度を一定にする(48.3%)」と続いた。

「子どもの睡眠環境を整えることは重要だと思うか」を質問したところ、「とてもそう思う(48.4%)」「ややそう思う(46.3%)」を合わせて、約95%が子どもの睡眠環境が大事だと思っていた。

親たちは子どもの睡眠環境の重要性は十分に認識しているものの、どのような環境を整えてあげるべきかについては情報を得る機会がなかなかない、というのが実態なのかもしれない。

睡眠環境や家族の生活リズムを見直そう

米国睡眠医学会によると、3~5歳児に必要な睡眠時間は10~13時間。もちろん個人差はあるが、わが子の寝つきが悪いようなら、睡眠環境や生活リズムの見直しが必要だ。昼間に十分身体を動かして活動しているか、昼寝を取り過ぎていないか、もチェックポイントだろう。

親の就寝が遅いのも子どもに影響する。家族としての規則正しい生活が、個々の健康につながることを意識しよう。

〈調査概要〉
「子どもの睡眠環境に対する親の意見」に関する調査
・調査期間:2023年6月15日(木)~16日(金)
・調査方法:リンクアンドパートナーズが提供する調査PR「RRP」によるインターネット調査
・調査人数:1,014人
・調査対象:調査回答時に4歳の子どもを持つ30代女性であると回答したモニター
・モニター提供元:ゼネラルリサーチ

あわせて読みたい
子どもに大切な「良い睡眠」って? 免疫力を高めて成長ホルモンを増やし、学習にも影響

小学生以下の子供に早寝早起きさせてる? 先輩パパママに聞いた、子供の睡眠時間事情

わが子の睡眠習慣は大丈夫? 世界一短い日本の子供の睡眠時間が成長へ及ぼす影響とは

 


文:平井達也

連載記事 連載記事

〈連載〉照英さんの「子育て・夫婦のお悩み」一緒に考えます!
〈連載〉寺島知春さんの「非認知能力を育てる絵本」
〈特集〉「おうちで・楽しく・短時間で」実践に使える英語力をみにつける
〈連載〉てぃ先生の子育てお悩み相談室
〈連載〉小島慶子さんが語る「子育て 世育て 親育て」
〈連載〉平田オリザ “わからない”を超えるチカラ -演劇×コミュニケーション能力-
〈連載〉鶴岡そらやす先生の「子供の力を信じて伸ばす関わり方」
〈連載〉アフロ先生・阪田隼也さんの「大人と子供が響き合って、育ち合う」
〈連載〉佐藤卓/親子の「デザイン的思考」入門
〈連載〉和田明日香さんの「むずかしくない食育」
〈連載〉照英さんが実践する「子供の才能を伸ばす接し方・話し方」
〈連載〉谷崎テトラの「未来の地球人育て」
メニューフォームを閉じる

FQ Kids | 親子のウェルビーイング教育メディア

メニューフォームを閉じる