2023.09.21
2020.10.18
2020.04.26
株式会社増進堂・受験研究社と株式会社LTE-X、株式会社FUTURE VALUES INTELLIGENCEは共同でタブレット持ち帰り学習の実証実験を行った。
協力したのは墨田区立第二寺島小学校在籍の小学校5年生の有志55名。冬休みを含む2週間を「第1期」、始業式後の3学期の2週間を「第2期」とし、オンライン学習教材が入ったタブレットを家庭へ持ち帰ってもらった。
教科は英語、国語、算数で、いずれも1、2学期の復習内容である。宿題としてノルマを強制するのではなく、タブレット端末やアプリの使用法のみ指導し、進捗管理や声かけは実施しなかった。
実験では児童を、学力調査結果での区分に準じ、Aグループ(達成評定児童)とBグループ(未達成評定児童)に分けて学習行動を分析した。
検証の結果、Aグループは第1期と第2期で正答率に差がなかったのに対し、Bグループは第2期の正答率が大幅に下がった。
ログイン日数については、Aグループは第2期の方が上昇したが、Bグループは第1期と第2期で大きな差はみられなかった。
回答数については、Aグループは全体的に第2期の方が回答数が向上したが、Bグループは第2期の回答数が大幅に下がっていた。
教材にログインをする回数自体はA、Bグループの間にはあまり違いがなかったため、「教材にログインするよう自らを促す力」については大きな差はなかったようだ。
Bグループの第2期の回答数、正答率の低下は、複数の作業を行う際のマネジメント能力が備わっていないことが原因と考えられる。第2期の実験では、3学期に新しく始まった授業と、タブレット教材での1・2学期の復習を同時進行で行わなければならなかった。
教材のレベルはBグループでも解ける内容なので、Bグループの方が学習能力が低いというよりは、管理能力が低いことがうかがえる。
調査の結果から、マネジメント能力がまだ備わっていない子供を支援し、適切な環境を用意する必要があることが分かった。
今後は教材レベルを選択できるようにするなど、到達度に合わせた学習がマネジメントに変化を及ぼすのか、検証が必要になりそうだ。
タブレットは軽くて持ち運びがしやすく、手軽に取り組みやすいという点でメリットがある。マネジメント能力を向上させるためのサポートをあわせて行うことで、子供の家庭学習の質を向上させることができそうだ。
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