幼児期は「脳の土台づくり」に最適。音楽が「考える力」を司る前頭葉の栄養になる!

音楽演奏の“体験”が
脳の神経細胞を刺激する

「僕が5歳くらいの時に感動した音楽は、親と一緒に行ったコンサートで聴いたベートーヴェンの月光、第2楽章です。ワクワクと楽しい気持ちになったことを今でも鮮明に覚えています。あと、忘れられないのがレオポルド・ストコフスキー指揮のディズニー映画『ファンタジア』です。銀座のみゆき座で観たんですが、今でもほら、パンフレットを大切に持っていますよ」。

『ファンタジア』は、クラシック・コンサートをアニメーションで表現した見える音楽、聞こえる映像の前代未聞の映画。クラシック音楽の華麗な旋律と、めくるめく色彩、ダイナミックで、時に繊細、優美なモーションの融合は、アニメーション史のみならず映画史上、類を見ない作品。これに茂木少年は夢中になった。

「あれが僕にとっての音楽の原体験です。つまり胎教や脳育に良いからといってただCDを聴かせられるのではなく、身体感覚を含んだ直接的な体験というのがよかったのでしょう。脳科学的にいえば、これぞミラーニューロン! 他者の行動をみて、自分が同じ行動をとっているように反応する神経細胞ミラーニューロンのなせる技です。ヤマハ音楽教室では、優秀な講師の方々が子供たちの目の前でピアノやエレクトーンを弾いたり、クラスメイトの演奏を聴いたりするわけですから、子供たちの脳の発達には最適なのではないでしょうか」。

高校生の頃にバイオリンを習っていた茂木青年は、今でも機会があれば是非とも楽器を習いたいと目を輝かせる。

「月光の第2楽章にしても、ファンタジアにしても、子供は優れた感性を持っています。『金沢21世紀美術館』にしても、一番ワクワク楽しんではしゃいでいるのは子供たちです。優れたものに触れて育つ子は、感情をコントロールする扁桃体が育まれて情緒が安定し、高いコミュニケーションスキル、考える力を司どる前頭葉が発達します。アンガーマネジメントにも有効なのではないでしょうか」。

幼児期に大切なのは英才教育や受験勉強の準備ではなく、身体活動を交えた体験や、好きな音楽に触れてドーパミン・サイクルを作る経験。これこそが、「可能性」という宝探しになるという。しかも、ドーパミンを出す脳の回路は、不確実なことをワクワクドキドキしながら体験すると、もっとも強化される。音楽にはそのワクワクドキドキが詰まっているのだ。

また、子供は情報を受動的に受け取る(インプット)だけより、能動的に出力(アウトプット)することで学ぶ力が強化される。インプットとアウトプットのバランスが取れている時こそ脳は発達し、ドーパミンが出やすくなるのだ。

ヤマハ音楽教室では、常に音楽という優れた情報がインプットされる。そして、子供たちは聴いた音を真似てアウトプットし、さらには個性をアウトプットする発表会という舞台も用意されている、見事にバランスの取れた場所といえよう。

「ヤマハ音楽教室」について
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プロフィール

茂木 健一郎(もぎ けんいちろう)
1962年、東京都生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て、現在に至る。専門は脳科学、認知科学。「クオリア」(感覚を持つ質感)をキーワードとして「意識」を研究するとともに、文芸評論、美術評論にも取り組んでいる。2005年、『脳と仮想』で第4回小林秀雄賞を、2009年、『今、ここからすべての場所へ』で第12回桑原武夫学芸賞を受賞。


ヤマハ音楽教室
1954年4月に、従来の音楽の専門家を輩出するための音楽教育ではなく、純粋に音楽を楽しむことのできる人を育てるための教育システムの確立を目指してスタートした。現在、国内2800会場、生徒数25万2千人、卒業生はこれまでに550万人以上にのぼる、国内最大級の音楽教室にまで発展。現在では40以上の国と地域に普及している。


取材・文:脇谷美佳子

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