2022.01.03
2022.03.13
2020.10.16
コラム前編:「今こそ、日本の教育が変わるチャンス!? ICT教育で子供に身につくスキルとは」
長期休校をきっかけに多くの企業がコンテンツ提供をスタートするなど、オンライン学習サービスは多様化が進んでいます。PDFをダウンロードして使ったり、回答を入力すると採点までしてくれる電子ドリルから、動画配信などの映像授業、ZoomやSkypeなどを使用したインタラクティブレッスン、プログラミングなど専用のソフトを活用するオンラインサービスなど、形態もさまざま。
ジャンルも、語学、プログラミング、自由研究、アート、運動など、バラエティに富んでいます。無料で公開しているサービスも多いので、子供が興味を持つコンテンツを色々と探してみましょう。
子供は、なんでも使いこなしてしまうもの。デバイスの種類は問わないので、スマートフォンでもOKですが、最大のネックは画面が小さいこと。Zoomなどでは問題なく使えても、ドリル系などオンライン学習の内容によっては、スマートフォンが適さないケースも出てくるでしょう。
それぞれの家庭の事情に合わせて、できる限りでいいですが、継続して使うようならある程度、画面の大きなデバイスを用意してあげるといいでしょう。実際にスマートフォンを使うときは、手持ちだと不安定なので、スタンドなどを使い、本体を固定するのも有効です。
個人的にオススメなのは、iPad。感覚的な操作ができること、バッテリーの持ちがいいこと、カメラが優秀であること、音楽ソフトなどデフォルトのアプリが充実していることなどがオススメの理由です。外付けのキーボードを使えば、パソコンに近い感覚で文字入力もできます。課題製作などのツールとしても役立ち、クリエイティブな学びに向いています。
加えて言えば、プログラミングの学習などでは、多くの情報表示が求められるため、大きなディスプレイが適しています。大きな画面だと目にも優しいですね。タブレットやノートパソコンに、外付けのディスプレイを追加すると良いと思います。
長時間、小さな画面を見続けていたり、暗い場所で取り組んでいたりすれば、当然、目にはいいはずがありません。オンライン学習で、外付けのディスプレイをオススメしている理由は、目に優しいという点も大きいです。できるだけ大きな画面で目への負担を減らしつつ、目が疲れない適切な輝度に画面の明るさを調整するのも効果的でしょう。
あとは、家庭内でルールを作ることも重要です。例えば、何時間やったら休もう、ベッドに入ったら禁止だよ、SNSはやらない、など。休憩時間には、遠くを見たり、アイマスクで目元を癒やしたりするのもいいかもしれません。
家庭によっても事情が異なるとは思いますが、子供にもできるかぎり、1人1台のデバイスを用意してあげるのがベストです。自治体によって進捗は異なりますが、文部科学省では年内に、1人1台の普及を目指しています。学校で使うデバイスを、家に持ち帰り、家庭学習に使えるようになるケースも今後は出てくるかもしれません。
また、兄弟で個別の部屋がなく、同じ空間でオンライン学習に取り組む場合は、マイク付きのヘッドホンを使うといいですね。スピーカーによる不快なハウリングを防げるほか、集中して学習に取り組めるのもメリットです。
オンライン学習中、すぐに飽きてしまったり、気がそれてしまったりするのは、子供の集中力というよりもコンテンツの問題が大きいと考えます。良質なコンテンツであれば、子供の意欲も集中力もキープできるはず。
既存のオンライン学習ですと、ゲームの原則を学習にうまく取り入れた“ゲーミフィケーション”という技術を使ったコンテンツなどは、子供の興味を引きやすいと言われています。
また、一方的な配信ではなく、Zoomなどを使ったインタラクティブなコンテンツなら、飽きずに取り組める子供も多いでしょう。色々なコンテンツを試してみて、子供に合ったものを選んであげるといいでしょう。
オンライン学習を
はじめるための4STEPS
STEP 1
ネット環境を整備
オンライン学習は、通信環境が命。Wi-Fiあるいは、モバイルデバイス向けのLTEで、ネット環境を整えよう。Wi-Fiの場合、ルーター本体(裏面に記載)にあるID、パスワードを再確認。
STEP 2
アプリをインストール
対象レッスンによって必要なアプリは異なるので、事前にチェック。インタラクティブなコンテンツを利用するならZoomやSkypeなどのソフトが必要に。
STEP 3
カメラ、マイクの確認
インタラクティブなやり取りには欠かせないカメラとマイク。一体型のデバイスも多いが、外付けで設置が必要な場合もあるので要チェック。
STEP 4
サイトにアクセスしてスタート
これで準備は完了。オンライン学習を始めるのは、実はとても簡単。あとはサイトにアクセスして、楽しく学習をしよう。休憩を挟むことも忘れずに。
平井聡一郎さん
株式会社情報通信総合研究所 ICTリサーチ・コンサルティング部 特別研究員。茨城県で公立小中学校教諭、指導主事、管理職を経験後、早期退職し2017年から現職。文科省、総務省、経産省のICT関係の委員等を歴任。全国各地でICT機器整備のコンサルティング、ICT活用を切り口とした授業改善、小学校からのプログラミング教育普及等に取り組んでいる。
写真・文:曽田夕紀子
モデル:奥野泉さん、真雪ちゃん
FQ Kids VOL.03(2020年夏号)より転載
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