2020.02.19
2020.02.22
2024.10.04
好き嫌いが多い子。いますよね! 実はわが家もそうでした。わが家の3人兄妹は野菜が嫌いでしたね。トマトなんて大嫌いでした。下の娘は食べたこともないのに、兄姉の影響を受けて「トマトは中身がじゅるじゅるして嫌い」って。
でも、わが家では嫌いな食べ物を無理に食べさせようとしたことはありません。「食べたくなかったら、食べなくてもいいよ」って言っていました。
また、嫌いな野菜は子どもから見えなくすればいいんじゃないかということで、ミキサーでポタージュ状にしてカレーやスープに混ぜたり、チョッパーで細かくみじん切りにして、チャーハンに混ぜたりしていました。固形じゃなくなったら子どもは結構食べるようになります。
野菜の味が嫌いと言うなら、味の濃い中華がおすすめ! 素材の味を生かす和食は、野菜嫌いな子は嫌がります。
例えば肉たっぷりの野菜シュウマイを作ったり、「キャベツの青臭い匂いが嫌だ」と言う子どものために、キャベツをみじん切りにして回鍋肉を作ったり。親も無理はしないで、市販の合わせ調味料を使ったり、中華料理屋にもよく行ってましたね。
どうして親は子どもに「好き嫌いをしないように」と言うのかというと、子どもが野菜を食べないと自分が不安になってしまうからだと思います。自分たちが「野菜を食べなさい」「給食を食べられないと困るよ」と言われて育っているんですよね。
でも現代は、栄養を取る方法はいろいろあります。特別な事情がない限り、無理に特定の食べ物を食べなくちゃいけない理由なんてほとんどないんじゃないでしょうか。管理栄養士さんに聞いたこともありますが、同じことを言っていました。
別の形で栄養を取ったりしながら、「頑張らなくても、いつか食べられるようになるよ」とゆったり構えていた方が、親子のストレスも減るはずです。
そうやって育てていたら、不思議なことにわが家の子どもたちは、今では何でも食べられるようになりました! あれほど嫌がっていたトマトも、今は食べられます。
親が「うわあ~、これおいしい!」と言いながらパクパクと食べていたら、ある時子どもたちが自分から「じゃあ食べてみようかな」と言い出したんですよ。そうやって、親が見本を見せるのも大事ですよね。
子どもが嫌いなものも、食卓から消すのではなく、あえて出して親がおいしそうに食べて見せる……というのも大切だと思います。
一方、食卓でのルールはしっかりとしつけました。「くちゃくちゃ音を出して食べない」とか、箸の持ち方とか。お兄ちゃんに「口を閉じて食べようね」といつも言っていたから、今ではお兄ちゃんが妹たちにそう言っています。
「食べる時にはガチャガチャと食器の音を立てない」も、よく言います。こうしたルールは礼儀や節度の問題。子どもたちがマナーを知らずに大きくなった時、他の人から指摘されたら恥ずかしい思いをすると思うからです。
「指摘されている人を見たことがあるけど、すごく恥ずかしそうにしていたよ」と伝えたこともあります。
マナーに反していても、誰かに害を与える訳じゃない。でも、マナーを知らないまま過ごしていると、「そういう育ちなんだな」と見る人もいるので、「今から覚えておいた方が楽だよ」と子どもたちに伝えています。
僕自身も、食べ方や箸の持ち方にはすごく気を付けています。子どもには、何でも見本が必要。動物だって親の行動を見て成長していきますからね。見本を見て、まねをしないとなかなかできるようにはなりません。
食卓のマナーにしても、野菜の食べ方にしても、親がよい見本を見せ続けることがいちばん効果があるんじゃないかな。
照英(しょうえい)
1974年生まれ。俳優・タレント。学生時代、やり投げで全国区の選手として活躍。その後ファッションモデルとして活動し、『星獣戦隊ギンガマン』で俳優デビュー。芸能界にフィールドを広げ、現在は司会やリポーターを務めるなど、幅広く活躍している。私生活では、3人の子どものパパとして子育てに奮闘中。等身大の子育て論が、子育て世代に強い共感を呼んでいる。
文:藤城明子
FQ Kids VOL.18(2024年春号)より転載
編集部のオススメ記事
連載記事
#今話題のタグ