2023.11.02
2021.03.27
2023.01.20
わが家の子供たちは5歳、10歳、15歳の3人きょうだい。歳は離れていても、3人に対する接し方は全く変えていません。5歳と15歳も同じ扱い、男と女、兄と妹も同じ扱いです。
例えば、お兄ちゃんだから〇〇を買ってあげるというようなことは絶対にしません。10歳の長女が勉強している時は、5歳の妹にも「じゃあ勉強しようか? ひらがなの練習する?」と声をかけます。
これだけの年齢差があるのに平等に扱おうとしたら、親も努力が必要です。でも僕は、きょうだい間で「お兄ちゃんはいいな」「妹ばっかりずるい」とならないようにしたい。全員が「そうだよね」と思える子育てができればと思っています。
とはいえ、長男の時はこちらも初めての子育てだったので、ハサミやペンの持ち方にまで口出ししていましたね。長男が妹に向かって「お前はいいよな、パパにあれこれ言われなくて。俺なんてゲンコツだったんだぞ」と言っているのを聞いて反省しました。
でも今では、長男が妹たちに対して“ミニチュア照英”みたいになっていて、「ちゃんと箸を持って」とか、「きちんと挨拶しないとダメだよ!」と言っています。
まだ5歳の次女にも「できなくても仕方ないよ、小さいんだから」とは言いません。次女だけが泳げない時も、兄や姉と一緒にプールに入る。そうしていたら、まわりの子たちよりも早く泳げるようになりましたね。年齢差があっても、頑張ればついていけるんだなと思います。
これは、兄や姉を目標にすることで、きょうだい全体を「底上げ」するのが目的。長男が妹たちを指導して、妹たちは兄や姉に頑張ってついていく。そうやって下の2人を引き上げ、全員を「底上げ」するために徹底して平等に扱っています。
もう1つ、例えばきょうだいの誰かを叱る時、またはほめる時、他の子がいるところやみんなが聞こえる場所で話すように気をつけています。
例えば夕食の前など、全員が揃っている時に話すのがわが家のルール。これは、僕がどうしてほめているのか、なぜ叱っているのかを他の子たちにも知ってほしいからです。
せっかくこんないいタイミングで、いいアドバイスがあるんだから、みんなで共有して学びにしてほしい。誰か1人を叱る、またはほめることも、他の子たちへのアドバイスになると思っています。
もちろん、他の子たちに聞かせたくない話をこっそり別の部屋ですることもあります。以前長女が「がんばって勉強しても評価が上がらない」と自分の部屋で泣いていたことがありましたが、そんな時は「君は頑張って努力しているから、涙が出るんだよ。今のまま頑張っていれば大丈夫!」と励ましました。
そうした話は、他のきょうだいの前ではしません。ただ全員が揃った時に、「パパがよく泣くのはいつも本気でやっているからだよ。適当にやっている人間はバカにして終わるから、泣いたりしない。涙は決して無駄にはならないんだよ」という話をしました。
そうすると他の子たちも「何かあったんだな」と察するし、思いやりも生まれる。お互いがどんな性格なのかも察することができるんじゃないかと思っています。
長男と次女は10歳違いますが、お小遣いの金額も一緒。スマホは全員中1から持たせると決めています。5歳の次女が小学生になる頃は時代も変わり、スマホが当たり前になっているかもしれません。それでも小学生の間はキッズケータイを持たせる予定です。
これだけきょうだい間の平等にこだわるのは、僕の姉のことが影響しているかもしれません。僕は昔少年野球のチームに入っていたので、週末の練習や試合にいつも母がついて来てくれました。
今思うと、姉はまだ小学生や中学生だったのに、1人で留守番をしていたんですよね。当時、そんな姉に「お母さんがいつも一緒でいいね」と言われたことがあります。そのひと言がずっと自分の中に残っているので、自分の子供には、きょうだいに対して「いいね」と言わせたくないと感じているんです。
夫婦間でも「パパがすごい」「ママはすごい」としたくはありません。「みんながすごい」がいいですよね。みんなが平等に、一緒に楽しい時間を過ごす。それが一番いいなと思っています。
3人の子供たちと一緒に、楽しい話や楽しい空間をどこまでキープし続けることができるか。それが僕の生涯のテーマです。
照英(しょうえい)
1974年生まれ。俳優・タレント。学生時代、やり投げで全国区の選手として活躍。その後ファッションモデルとして活動し、『星獣戦隊ギンガマン』で俳優デビュー。芸能界にフィールドを広げ、現在は司会やリポーターを務めるなど、幅広く活動している。私生活では、3人の子供のパパとして子育てに奮闘中。等身大の子育て論が、子育て世代に強い共感を呼んでいる。
文:藤城明子
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