トイトレが進まない原因は? 子供がトイレを嫌がる“本当の理由”と今すぐできる解決策

トイトレが進まない原因は? 子供がトイレを嫌がる“本当の理由”と今すぐできる解決策
SNSで大人気の現役保育士・てぃ先生が、FQKids読者の悩みに答える連載企画。今回は、「トイレでの排泄を嫌がり、オムツに履き替えてしてしまう息子のトイトレにモヤモヤしている」と悩む親御さんのお話です。

《 今回の相談内容 》

はじめまして。 息子の “トイトレ” について相談させてください。 私自身も保育士なので、やり方などはひと通りやり、トイレが嫌いということもありません。

ただ、トイレで排泄することをとても嫌がります。少し潔癖症なところもあり、漏らすことを嫌がるので漏らすことはほぼないです。

そのため、大・小にかかわらずオムツに履き替えて排泄しています。 いつかは取れるだろうとは思っているものの、なかなか排泄できないことになんだかモヤモヤしてしまいます。

私の経験上、大をする際にオムツを履きたい子はよく見ましたが、小をする際にもオムツという子とは出会ったことがなく……。色々なお子さんと関わっているであろう、てぃ先生なら何か知っているかもという思いで相談させていただきました。

(だいちゃんママさん・3歳男の子の親御さん)

今できることをやってみる。
そうするとモヤモヤが落ち着く

小をする時にもオムツでしたがる子、いますいます。園ではちゃんとできるのに、おうちではできないというパターンは結構いらっしゃいます。実は、これって子供自身の問題というより、環境による「外的要因」の場合も考えられるんです。

おうちと園のおトイレと決定的に違う点があるのですが、なんだと思いますか? それは照明です。園の場合は、太陽光の自然光に近い明るい蛍光灯を使っていることが多いのですが、おうちのトイレはオレンジ色のムーディな暗い感じが多いですよね。

子供にとっておうちのトイレはちょっと暗いし、狭いし、怖いかも……ととらえてしまうケースがあります。子供の好きなキャラクターを壁に貼るのも1つの手ですが、今できることを提案するとすれば、照明を変えてみることです。明るめの照明にしてみると、子供にとってトイレのイメージがガラリと変わります。

ポイントは、照明を変える時、子供の目の前でやること。「今までこういう明かりだったけど、付け替えたらどうなるかな?」と、変化を子供と一緒に体験するのです。いつの間にか変わっていたというより、「ほら、明かりが変わったね」というのをパパママと一緒に実感することが大切です。

オムツがはずれるために
必ず必要なこと

あと、本人の前でトイレトレーニングの話をあまりしないほうがいいかもしれません。よりトイレのことを意識してしまうので。「ママは今、ボクのこういうところを気にしているんだな」「トイレの話が出てくるとママの顔が曇るな」など、意識させすぎて良くなることは少ないと思います。

お母さんご自身も「いつかは取れるだろうと思っている」とおっしゃっています。「オムツはずれ」と言われるように、無理に早く早くとトレーニングするより、自然とはずれるタイミングを見守るのが最近の主流です。僕は今34歳ですが、オムツがはずれていない友人はいません(笑)。みんな、自分のタイミングでオムツがはずれた証拠です。

オムツは、身体的な発達が伴って初めてはずれるものです。「おしっこしたい」というのは、「膀胱におしっこが溜まった」という膀胱からの情報が、神経を通って大脳皮質に届いて初めて感じられます。

成長とともに、大脳皮質も少しずつ成熟し、溜まったおしっこを感知するようになれば、ちゃんと「尿意」として感じられるようになっていきます。今3歳であれば、膀胱も大きくなって、おしっこを溜められるようになってきています。膀胱がおしっこを溜められるようにならないと、そもそもトイレトレーニングは完了しません。

悩んでいる人は、
頑張りすぎていることも多い

もしかしたら、モヤモヤの根本原因がオムツとは別のところにあったりしませんか? 例えば、この歳だったらこれができるはずだとか、他の子と比べて、自分の子だけ成長が遅く感じる……など。

お子さんについて何か不安要素が別にあるのであれば、そのモヤモヤは何をどうしたら解決するのか原因を探ったほうが効率的です。

僕のところに相談に来られる方は、解決策を求めているのと同時に、今の自分のやり方で本当に大丈夫かな? 合っているのかな? と確認のためにいらっしゃる方も多いです。

だから、親御さんが感じている不安に対して僕がアドバイスする時は必ず、相談内容を聞いたら「親御さん自身がすぐに行動に移せるもの」をお伝えするようにしています。「自然にオムツがはずれるのを待ちましょう」ではなく、具体的に行動できること。

今回なら照明を変えてみましょうといった、「今日すぐできる何か」です。「頑張りましょう」といった精神論ではなく。むしろ相談しに来られる方って、一生懸命に頑張りすぎるくらい頑張っていますから。

子育てのアドバイスで、モヤモヤしている人に「モヤモヤしないように意識しましょう」といっても無理な話です。「意識を変えましょう」ではうまくいかないんです。実際に何か行動に移してみて、初めて気づくこと、見えてくることもありますよ。

プロフィール

てぃ先生
関東の保育園に勤める保育士。名前の読み方は「T」先生。Twitterフォロワー数は50万人、YouTubeチャンネル登録者は20万人を超える。著書である『ほぉ…、ここがちきゅうのほいくえんか。』(KKベストセラーズ)は15万部を超える大人気作に。近著の『てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!』は自身初となる育児本であり、こちらもベストセラーとなっている。現在は保育士の専門性を生かし、子育ての楽しさや子供への向き合い方などを発信中!

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文:脇谷美佳子

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