2023.12.07
2021.01.28
2023.12.01
《今回の相談内容》
現在3人の男の子を子育て中です。来年小学校に上がる次男の悩みです。8月から登園拒否になってしまいました。これまではお友達に親切で優しくて、親バカかもしれませんが、クラスの中心的な存在のようでした。
行きたくない理由を聞くと、どうもお友達のAくんとうまくいっていないようです。「ブロックをやりたいのに、Aくんがやらせてくれない」「Aくんとすぐけんかになるから嫌なんだ」と。登園して靴箱にAくんの靴があると、いきなりスイッチ・オフしてしまい、既に登園拒否してから2週間になります。
保育園の先生方に相談しても、「様子を見てみます」と言ってくれたものの、その後積極的に関わってくれません。今は三男の育休中ですが、これでは仕事に復帰できません。
もし、次男の心が疲れているなら、来年、小学校入学まで家で保育する選択肢もありかな……と思う反面、このままでは小学校にちゃんと登校できるか不安です。あんなに楽しく保育園で過ごしていたのに。どうしたものか、すがる思いで投稿しました。
(かなぶんさん・生後7ヶ月、6歳、8歳の男の子の親)
まず、かなぶんさんが次男くんに「本当に保育園に行ってほしいのか」ということをしっかり考えた方がいいかなと思います。
子どもだって、休むっていう選択肢があるならそりゃ休みたいですよね。仕事もそうです。行かなくていいなら行きたくないと思うでしょう。しかも今、生後7ヶ月の弟くんがずっとママと一緒に家にいるわけですから、家にいたい気持ちが大きくなるのも仕方ないかなって。
また保育園で楽しく過ごしてほしいと思うのなら、まずはかなぶんさん自身の心を決めることが大切だと思います。休ませられる環境があるからこそ、子どももブレてしまいます。Aくんとのことはあくまで休み始めるきっかけであり、仮にAくんのことが解決しても休みが続く状況が変わらない可能性もあると思います。
一回休みだした子にもう一度行ってほしいと思うなら、少し時間をかけた方がいいかもしれません。僕の感覚からすると、一回休みだした子どもにとって、いきなり登園を再開するのは結構ハードルが高いことです。
まずは、例えばシール帳のようなものを利用して、小さな目標を立ててみるのはどうでしょう。この日は家の玄関から出る、出たらシール。この日はコンビニの前まで、そこまで行ったらシール。そうやって低く設定したハードルをどんどんクリアして、最終的に「保育園の先生にご挨拶する」というところに持っていくようにしてみるといいかもしれません。
また保育園側からすると、不定期に登園してくるお子さんへの対応は簡単ではありません。
毎日来るなら、Aくんとの関係がよくなるように働きかけたり、場合によってはAくんの親御さんとも話し合いをしたりなどできると思うんですが、来るのが不定期となるとできることが限られてきます。短時間でも構いませんから毎日来てくれると、いろいろな面で対応しやすくなるんです。
先生にちゃんと関わってもらうには、まず、「行ってほしいのに困っているんです」というこちらの意思をきちんと伝えること。
保育園に来ていないお子さんがいるって、園からしてみたら結構大きな問題なのに、先生が自分ごとにできていないようにも感じます。担任の先生だけでどうにもならないようなら、主任の先生や園長先生にも相談をして巻き込んでもいいでしょう。
それから、保育園に行ってもらいたいと決めたら、園での問題は、ある程度先生たちを信じてお任せすることも必要です。
実際、保育園内での出来事に対して親御さんができることってあまりありません。親御さんができることは、まずおうちでの様子を先生へ報告すること。そして園での様子についても、「今日はうちの子の様子どうでしたか?」と細かい内容まで確認するといいと思います。
元は保育園で楽しく過ごせていたとのことなので、あまりAくんとのトラブルについて固執せずに、他の楽しいことや新しい気付きを大切にしてもいいと思います。
友達関係って常に良い状態でいられるものではありません。子ども同士であっても、それが良い関係もあれば、良くない関係の場合だってあります。「誰とでも仲良く」は大人の理想である部分が大きいですよね。もう一度楽しく通ってほしいと願うのであれば、焦らず少しずつ前へ進めるようにしてみてください。
てぃ先生
関東の保育園に勤める現役保育士。名前の読み方は「T」先生。SNSの総フォロワーは170万人を超え、保育士として日本一の数である。超具体的な育児法や子育てにおけるアドバイスは斬新なアイデアにあふれており、世のパパ・ママに圧倒的に支持されている。現在はSNSだけでなく、報道番組からバラエティー番組まで幅広いジャンルのテレビにも出演し、「いま一番相談したい保育士」と紹介されることも。
文:脇谷美佳子
FQ Kids VOL.16(2023年秋号)より転載
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