人見知りでクラスに馴染めないわが子が心配……子供が園で楽しく友達関係を築くには?

人見知りでクラスに馴染めないわが子が心配……子供が園で楽しく友達関係を築くには?
SNSで大人気の現役保育士・てぃ先生が、FQKids読者の悩みに答える連載企画。今回は「保育園で積極的にお友達とお話しできない」というお子さんを心配する親御さんのお話です。

《 今回の相談内容 》

仕事をしていて、保育園に通っているのですが、クラス替えで仲の良かったお友達と離れてしまいクラスに馴染めていない様子です。

また、ものすごく恥ずかしがりで私と仲のいいママ友以外の大人がいる目の前では、お友達に挨拶することができず、そっけない態度になってしまいます。すでに何人かのお友達は、離れていってしまいました。

私も人見知りのため、あまり人と関わって来ず、子供にどのようなアドバイスをしてあげたらいいのかわかりません。てぃ先生、何かいいアドバイスをいただけないでしょうか?

(ももたさん 5歳 女の子の親)

「お友達が離れていった」
という考え方はやめよう

お子さんがお友達と仲良くできていないと心配になるお気持ち、よくわかります。ただ5歳といっても、自分のアイデンティティがまだまだ確立されておらず、言葉も未熟です。だからコミュニケーション力は、それほど高くないのは普通、と考えましょう。自分からお友達に「積極的に話しかける」というのは、お子さんによっては、とてもハードルが高いことかもしれません。

ここで大切になってくることは、「お友達が離れていく」という考え方をしない、ということです。みんなと仲良くできない→お子さんのことが嫌い→だから離れていく。こんなふうにネガティブに考えるのではなく、お友達は単に、他のことに興味が移っただけ。それだけなのです。お子さんを否定しているわけでも、嫌いになったわけでもないと考えた方が良いと思います。

「だれと遊ぶか?」よりも
「何して遊ぶか?」を大切に

乳児期から幼児期にかけての未就学児の場合、「誰と遊ぶか?」より、「何を使ってどうやって遊ぶか?」の方に興味を持つ時期でもあります。お父さんお母さんご自身は、就学前、どんなふうに園で遊んでいたか思い出してみてください。

折り紙や積み木、おままごと、お絵かき、パズル、あるいは砂場でお城や泥団子作りなど、夢中で遊んでいたかもしれません。砂場でお山を作ってトンネルを掘り始めたら、他のお友達が「楽しそう!」と寄ってきて、一緒に掘り始めた。そんな経験はありませんか?

子供は「誰と遊ぶか?」よりも、「何を使ってどうやって遊ぶか?」に重きを置きます。お子さんがもし、自分の好きなことで楽しそうに遊んでいるのであれば、一緒に遊ぼうとお友達が寄ってきて、自然に仲良くなっていくでしょう。「お友達と仲良くしなければならない」と思うのではなく、お子さんの様子を見ながら、楽しそうならそれでOK! そんなふうに考えてみましょう。

「友達は多い方が良い」は
アンコンシャス・バイアスかも

「お友達がたくさんいることはとても良いこと」「お友達みんなと仲良くしなければいけない」というのは、教育によるアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)かもしれません。「友達100人できるかな」というフレーズがありますが、全員がそうでなくていいと僕は思っています。子供たちにも1人ひとりにみな「個性」があって、気が合う人、合わない人、どちらでもない人、色々です。その中で、徐々に友情が確立されていくのです。

園というのはとても狭いコミュニティですから、その中で気が合うお友達と出会うのは、とても難しいことではないでしょうか。お父さんお母さんも、保育園・幼稚園のとき、心の底からの仲良しと呼べるような友達はどれくらいいたでしょうか。人は、成長していく中でたくさんの人と出会い、様々な経験積み、友情関係を構築していきます。

「誰とでも仲良く遊ばなければならない」という考え方は、お子さんにとってはプレッシャーになる可能性もあります。子供のうちから愛想笑いを覚える必要はありませんよね(笑)。お子さんに熱中できるものがあれば、自然に友達はできるものです。「友達みんなと仲良く遊ばなければならない」と考えるのではなく、子供が遊びに熱中できるよう見守ってあげてはどうでしょうか?

お子さんの「好きなこと」を
大人がサポートしてあげよう

「子供にどのようなアドバイスをしてあげたらいいの?」というご相談でしたが、特に子供に何かアドバイスする必要はありません。お子さんの身近にいる大人、園の先生や親御さんが、人見知りだというその子の個性を尊重しながら、好きなことに熱中できる環境を用意してあげましょう。その中で、子供たちそれぞれが自分の好きな遊び見つけ、それが魅力的であったらお友達も自然に集まってきます。その結果、気が合う友達も増えていくのです。

「挨拶ができないからお友達ができない」と考えるのではなく、お子さんが楽しく遊ぶ→興味のある子が寄ってくる→一緒に仲良く遊ぶ→お友達になる。と考えた方が、お子さんがお友達と話すことが楽しくなっていくかもしれません。

結論をお伝えすると、大人になれば誰でも、挨拶が必要なときは、相手の好き嫌いに関わらず挨拶するようになります。仕事の場面で、相性が良くないからといって挨拶しない、ということはないですよね。だから、お子さんも挨拶しなければならない場面になれば、たとえ人見知りでもいずれ挨拶できるようになります。

自分は人見知りだ、とおっしゃるママも、きっと今までそうやってうまく社会と付き合ってきたのではないでしょうか? だから焦らず、お子さんが「波長」の合うお友達と出会うまで、気長に、ゆっくり、時間をかけて待ってあげてください。

PROFILE

てぃ先生
関東の保育園に勤める保育士。名前の読み方は「T」先生。Twitterフォロワー数は50万人、YouTubeチャンネル登録者は20万人を超える。著書である『ほぉ…、ここがちきゅうのほいくえんか。』(KKベストセラーズ)は15万部を超える大人気作に。近著の『てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!』は自身初となる育児本であり、こちらもベストセラーとなっている。現在は保育士の専門性を生かし、子育ての楽しさや子供への向き合い方などを発信中!

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FQ Kids VOL.09(2022年冬号)より転載

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