2021.12.21
2022.11.21
2023.09.14
ジッパー付きバッグの中でも、厚みがあるバッグといえば「ジップロック®」を挙げる人も多いだろう。食品の保存以外にも、さまざまな用途に使用できるが、最終的にはゴミ箱へ捨てていないだろうか?
一般家庭などで使い終わったジップロック®を回収し、きれいに洗ってペレット化し、別のプラスチック製品に作り替える「ジップロック® リサイクルプログラム」に、旭化成ホームプロダクツは取り組んでいる。廃プラスチック問題の解決に貢献する活動だ。
これまで、教育関連機関や自治体などがこの「ジップロック® リサイクルプログラム」に参加している。そして、今回、東京・狛江市が主催となり、小学1~6年生の子どもを対象にこのリサイクル素材を使った傘のワークショップ参加者を募集した。すると、あっという間に15組✕2回の参加枠が満席になった。関心が高いテーマであることが窺える。
ワークショップでは、子どもたちが「持続可能な社会」「循環型社会」を学び、普段家庭で使っているジップロック® という日常アイテムから、世界に1つだけのサステナブルなオリジナル傘「SORAKASA(そらかさ)」を作る。
SORAKASA(そらかさ)は、「株式会社サエラ」が提供する金属を一切使っていない分解できる傘「+TIC(プラスチック)」の仕組みを応用した傘の手作りキットだ。
SORAKASA(そらかさ)は、自分で傘の骨組みを組み立てるところから、スタートする。すべての部品がプラスチックのため、錆びることはない。傘骨が組み上がったら、ジップロック®バッグがリサイクルされた傘布を張る。仕上げとして、傘布部分の好きな場所にシールを貼ってデザインして、完成だ。最後まで、自分で作ったオリジナルの傘となる。
普通のビニール傘は壊れたら廃棄するが、SORAKASA(そらかさ)は壊れても部品を取り替えて修理することができる。自分が作った世界に1つだけのサステナブルな傘だ。物を大切にしたい気持ち、環境を守りたい気持ちが、傘を作りながら育まれたのではないだろうか。
つまみやすいオープンタブとすべり止め加工で濡れた手でも開けやすく、機能の異なる2種類のジッパーで密封性が高いジップロック® フリーザーバッグは、食品の保存・冷凍で重宝し、新鮮さを守るだけでなく、食品ロスを減らせる家計に優しいアイテム。
他にも、子どものおやつの持ち運びや、玩具入れ、哺乳瓶と粉ミルクをセットで持ち運ぶ時にも便利で、子育てファミリーには欠かせない。
今回、ワークショップに参加した子どもたちにとって、自分で作った「傘」そのものはもちろん、作るプロセスで得た「体験」は一生の宝ものだ。今後ジップロック® を使う時にも、「資源を大切に使うこと」について親子で一緒に考えるきっかけになるだろう。
旭化成ホームプロダクツの山下卓也さんに、お話を伺った。
「2020年にスタートしたジップロック® リサイクルプログラムは、一般家庭などから使用済みのジップロック® を回収し、別のプラスチック製品に作り替えることで、廃プラスチック問題の解決に貢献する活動です。
現在、ジップロック® は、容器包装リサイクル法(容リ法)の回収対象になっていないため、最後は捨てるしかありません。
でも、使用されているポリエチレンやポリプロピレンという素材は、汎用性が高くリサイクルしやすい樹脂です。自分たちでリサイクルプログラムを始めることで、循環型社会について人々が考えるきっかけになればいいな、と思いました。
今回製作の組み立て傘キットも含め、リサイクルのアウトプットが出そろいましたので、まずはこれらの体験人数を増やすことを考えていきたいと思っています」。
ジップロック® リサイクルプログラムは、これまでさまざまな取り組みを行ってきた。
第1弾は、2020年7月にジップロック® バッグをリサイクルしたシート素材を傘布に利用し、シェアリング傘サービスに活用。第2弾では、2022年8月にジップロック® コンテナーをごみ拾いトングのグリップ部分にリサイクルし、海岸などのエコクリーン活動団体への寄贈や、ごみ拾いイベントを開催してきた。
そして第3弾が、今回レポートした『ジップロック®リサイクルプログラム✕ SORAKASA KITワークショップ』(東京・狛江市で開催)だ。ジップロック® を通して循環型社会に貢献するこのプログラム。今後も旭化成ホームプロダクツの取り組みに期待したい。
写真・文:脇谷美佳子
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