2021.05.23
2020.11.11
2023.06.04
多くの大人にとって、SNSはもはやなくてはならない存在。仕事上のやりとりでもグループチャットを使っているパパ・ママは少なくないだろう。便利なのは子どもにとっても同じ。でも、心身ともに成長途上の子どもが24時間他人とつながれてしまうことは、親としては不安も大きい。
とは言え、SNSを禁止としてしまうと、リアルの友だちとの関係やコミュニケーションにも何らかの影響を及ぼすことは目に見えている。SNSを通した子どもたちの友だち関係の実情はどうなのか、また、親子でどのような対策がされているのだろうか?
ニフティ株式会社は、運営する子ども向けサイト「ニフティキッズ」で、小中学生対象に「友だち・グループ」に関するアンケート調査を実施した。
まず尋ねているのは、PC、スマホ、タブレットなど友だちと連絡が取れるツールを持っているか。これには小学生の6割、中学生の8割、全体では約7割が「持っている」と回答した。
Q.PC、スマホ、タブレットなど友だちと連絡が取れるツールを持ってる?
やはり半数を大きく上回る子どもがインターネットやSNSにアクセスできる状況にあるようだ。
ではそうしたツールで、友だちとの連絡手段によく使う機能は何だろうか。小中学生とも1位はLINEであることがわかった。
その他には、「Googleクラスルーム」「ゲームのチャット機能」「親同士のスマホのLINE」といった連絡方法があるようだ。小学生では、42%が「LINEを一番よく使う」と回答している。2位は「メール(14%)」、3位は「電話(8%)」となった。
これが中学生になると、69%が「LINEを一番よく使う」と回答し、2位の「電話(9%)」、3位の「メール(6%)」と圧倒的な差がある。
それではLINEなどのSNSで、友だち同士のグループチャットに入っている子どもはどのくらいいるのだろうか。これには小学生の35%、中学生の62%、全体で44%が「入っている」と答えた。
Q.LINEなどのSNSで友だち同士のグループチャットに入ってる?
ちなみにグループチャットに入っていない子どもたちはどうやって連絡を取り合っているのだろうか。こちらは小中学生とも1位は「学校で会った時に話す」、2位は「約束してどこかで集まる」、3位が「おうちの人のスマホなどを借りる」となっている。
Q.【入っていない人へ】どうやって友だちと連絡をとってる?(複数選択)
Q.【入っていない人へ】どうやって友だちと連絡をとってる?(複数選択)
Q.【入っていない人へ】どうやって友だちと連絡をとってる?(複数選択)
グループチャットに入っている子どもには、親や先生と決めたルールがあるかを質問している。すると35%の子どもが「ルールがある」と答えた。
Q.【入っている人へ】SNSやグループチャットの使い方で、おうちの人や先生と決めたルールはある?
具体的には次のような決め事をしているようだ。
●スマホを使える時間(21時まで、1日1時間までなど)
●連絡や勉強に関係のないアプリを入れない
●悪口を言わない
●知らない人とはつながらない
●グループに入るときは親の許可を取る
●リビングで使う
また、「グループに入るとき」のルールとして「親の許可を取る」以外にも「少人数のものしか入らない」「グループラインの詳細をお母さんに知らせる」などがあった。
グループチャットに入っている子どもに「どんな問題が起きたことがあるか」も質問している。最多は約5割が「問題が起きたことはない」と回答。お互いに配慮をしながら連絡を取り合っている子どもが多いのだ。
Q.【入っている人へ】問題が起きたことがある人はどんな問題が起きたのか教えて!(複数選択)
起きた問題として多かったのは「会話について(悪口など)」。2020年に行われた同様の調査※1では、悪口など会話についての問題が起きたと回答したのは48%だった。今回の調査では25%と半減している。
「通知で時間がとられる」「メンバーについて(招待など)」「既読無視」などといった問題も起きたとして挙げられているが、割合としては少なくなっているという。
逆に、「グループチャットを使っていてよかったことや、ステキな思い出」も尋ねると、つぎのような声が寄せられた。
●学校じゃなくても話せる
●みんなで遊ぶ予定を立てるのに便利
●いろんな人の意見を聞ける
●時間割や持ち物がわからないとき、聞けば誰かが答えてくれる
●クラスであまり話したことない子とも話せて新しい友だちができた
さらに「グループチャット内でいやだな~と思うような出来事(見ただけも含む)があったか」を質問すると、全体の28%が「ある」と答えた。
Q.グループチャット内でいやだな~と思うような出来事があったことがある?(見ただけもふくむよ)
●悪口や噂話を言う人がいる
●気づかない間に通知が来ていて未読がたくさんたまっていたこと
●グループ内で喧嘩が始まってしまった
●スタ連(スタンプを連打)する人がいる
●既読無視された
これを見ると、相手の表情が見えない、既読にしたらすぐに返信すべき、といったSNS特有の事情やルールが悪く働く場面があることは否定できない。
子どもに専用の端末を与えることには、さまざまなメリットがある一方で不安もつきもの。ゲーム依存がしばしば問題視されるが、グループチャットでのトラブルは、いじめなど人間関係につながりかねない問題だけに別の悩ましさがある。
しかし見方を変えれば、グループチャットはコミュニケーションの実践的訓練の場でもある。パパ・ママに求められる役割は、ルールを作ることだけでなく、わが子が傷ついたときに話をしてくれて、一緒に考えてあげられるような関係を日頃から築いておくことが大切かもしれない。
※1:2020年「キッズ@nifty」みんなのホンネ調査レポート「友だち・グループ」について(kids.nifty.com/research/202010friend)
〈調査概要〉
「友だち・グループ」に関するアンケート調査
・アンケート実施期間:2023年3月15日(水)~4月5日(水)
・調査機関:自社調査
・調査対象:小中学生を中心とする「ニフティキッズ」訪問者
・有効回答数:1,442件
・調査方法:インターネット調査
文:平井達也
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