2021.01.24
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2022.08.18
天候やコロナ禍の影響など、外で思うように遊べるチャンスに恵まれない昨今。オモチャ遊びには飽きてしまうことも。スマホやタブレットに流れる動画なら熱心に見ている子供も多いだろうが、あらゆる映像が視聴できてしまうだけに、親としては心配な面もある。
子供が楽しみながら感性、情操を育める映像作品を見せていきたい。そうした作品は各国で作り続けられている。そんな動画配信を受けられるサービスを紹介しよう。
株式会社チャイルド・フィルムは6月に、日本で初めての親子に特化した動画配信サービス「こども映画プラス」(vod.kodomoeiga-plus.jp)をスタートした。
従来からさまざまな映画の鑑賞・制作ワークショップを開催したり、映画ポータルサイトを運営するなどしてきた同社が、配信に乗り出したものだ。配信作品は毎月更新され、家庭で鑑賞できる。8月・9月配信作品から3本を紹介しよう。
8月配信中の「モリス・レスモアとふしぎな空とぶ本」は、第84回アカデミー賞最優秀短編アニメーション賞を受賞した、2011年制作のアメリカ作品。
本を愛する青年モリスが、空飛ぶ本たちが住む館で一緒に暮らすことになり、ますます本が好きになっていく。
9月に配信される「ことりとリス」は、緑のじょうろを奪われてしまった小さな鳥と、生意気な泥棒のリスが繰り広げる、森の中での楽しい追いかけっこのお話。
秋らしい雰囲気も味わえる、ベルリン国際映画祭ジェネレーションKプラス上映作品。
「ミスター・ウボットと子犬」は、ルクセンブルクで初めてアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞した作品。
© ZEILT productions – Arte France- Watt frame
機械部品で作られたキャラクターが巨大な車に乗る世界に住むウブロ氏。外の世界と変化を恐れ、自分の部屋から一歩も出なかった彼の生活は、ある日突然現れた犬のロボットペットによって変わっていく――。
このように、各国の古今の名作からセレクトして届けられるのが「こども映画プラス」の特長だ。作品は未就学の子供でも集中力が続く5~30分のものが、毎月約1時間のパックにして送られ、月額1,000円(税込)で楽しめる。セリフが無い、またはあれば吹き替えがされている点も、低年齢から鑑賞できるポイントだ。
視聴方法は、まず「こども映画プラス」のサイト(mirail.video/channel/526)から会員登録。パソコンからはそのままログインして、タブレットやスマホからはMIRAIL(ミレール)アプリをインストールして鑑賞できる。
さて、子供に動画を見せることに不安を持つパパママも多いだろう。そんなパパママに向けて、「こども映画プラス」のサイトでは、東京大学大学院教育学研究科教授・同附属発達保育実践政策学センター長の遠藤利彦先生による以下のようなアドバイスを掲載している。
Q. どのような作品を子供に見せるのが良いでしょうか?
A. 現実への繋がりや好奇心を促すような作品が良いでしょう。作品を通して聞たり見たりすることが、世の中の“実態に繋がる”内容が良いと思います。映像を観た後に、「じゃあ、外へ見に行こうか? 実際に聞いてみようか?」と実体験につながることは大切。
Q. アニメーションやファンタジー作品の豊かな色彩や物語は子供の芸術性を育みますか?
A. 豊かな色彩や物語は子供の想像力を培います。子供はただ映像を見ているのではなく、自分の中でストーリーを反すうし、自分の物語にしていったり、そのストーリーに自分を登場させてみたりなど常に想像力を働かせています。そういった想像力やファンタジーを培うために、豊かな色彩やストーリーのある作品を選ぶのは良いでしょう。
また、「こども映画プラス」では3歳から観られる作品が選定されており、それぞれに推奨年齢も明記されている。
ネットをはじめ、さまざまなメディアコンテンツが溢れる今、その良し悪しを選別するのは大人でも簡単なことではない。ましてやまだ幼いわが子に見せるとなると、安心な定番ものに偏りがちだ。
もちろんむやみやたらと触れさせていいわけではない。動画にしても音楽にしても、信頼できる情報源を見つけて、それを頼りに多様な作品に触れさせることが、子供の独自な感性や情操を育てることにつながるだろう。
文:平井達也
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