2021.12.27
2021.03.17
2022.06.30
家族と過ごす時間が増えた今、子供と挑戦できるアクティビティとしてキャンプや釣りなどの自然体験を選択する人が増えている。
親子で自然体験を行うことは、コミュニケーションが増える以上のメリットがある。体験活動などをテーマにした全国調査の結果では、自然に触れる機会が多い子供は自己肯定感が高くなるという傾向にあり(下図参照)、さらに同調査の結果には、自然体験を重ねることで協調性や積極性、自律性も身につく傾向が出ている。
自然体験と自己肯定感の関係
自然体験が豊富な子供は、自己肯定感が高まる他、自律的行動習慣の定着度や探究力についても高くなる傾向が見られた。また同調査では、幼少期に行った体験活動などの経験は長期間経過してもその後の提案力向上に良い影響を与えるという結果も出ており、子供の健やかな成長を促すためには、自然体験を含めた多様な体験活動を行うことが効果的であると考えられる。
出典:独立行政法人国立青少年教育振興機構「青少年の体験活動等に関する意識調査(令和元年度調査)」(※全国の公立小学校4年生・5年生・6年生、全国の公立中学2年生、全国の公立全日制高等学校2年生を対象に実施。)
自然体験のなかでも、その日の天候や時間帯によって思いがけない結果につながるのが釣りだ。しっかりリサーチして準備を重ねても、計画通りにいくとは限らない。
「親にもうまく答えを出せない日がある事を、子供に見せる事も大切」と語るのは、子供のフィッシングスクール「D.Y.F.C」を運営するグローブライド社の吉川隆さん。親子で悩みながら考え、一緒に答えを出す作業は、子供にとって学校では得難い経験となる。
教育研究家の中山芳一さんは、知識で武装して釣りに挑戦してもうまくいかなかった時、「どうすればよかったんだろう?」と次のステップにつなげることによって、知的好奇心が育つ点に注目する。正解がすぐには出ない面白さ。そこが釣りの魅力であり、自ら正解を探す経験を重ねることが、子供の大きな成長へとつながっていく。
もちろん、純粋なアクティビティとして釣りを楽しむのもおすすめ。自然の中で過ごすひと時は、格別の思い出となるはずだ。
吉川隆さん
フィッシング「DAIWA」を事業展開するグローブライド社の広報担当。子供の釣りクラブ「DAIWA YOUNG FISHING CLUB(D.Y.F.C)」では、釣りを通して子供の成長につながる企画を試案。
中山芳一さん
岡山大学全学教育・学生支援機構准教授。専門は教育方法学。大学生のキャリア教育に取り組むと共に、各世代の子供が非認知能力やメタ能力を伸ばすことができるように尽力。著書、論文多数。
文:藤城明子
編集部のオススメ記事
連載記事
#今話題のタグ