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2022.02.06
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サドベリー教育では生徒に「自分のこと」と「みんなのこと」についての権利と責任が与えられているという。「東京サドベリースクール」の杉山まさるさんはこう話す。
「自主的にしたいことを見つけ、自分の活動をとことん追求できるよう、決まったカリキュラムはありません。興味のあることを追求できる権利と、その結果に責任を持てる環境があります。3年間ずっと料理やお菓子作りをしていた生徒は、スクール卒業後20代前半で自分の店を持ちました。自立した人間として自由に自分らしく生きてほしいと考えています」。
「自由」を重んじる教育では、生徒とスタッフ(大人)の関係も対等。生徒自身がスクールという社会の一員として、経営ミーティングなどに参加でき、全員に1票の権利と結果への責任が与えられる。
「世の中は認知能力のように『答えがあること』ばかりではないですし、決まった答えに『素早くたどり着く』能力が有効な分野ばかりではありません。大事なことほど答えがないもの。答えがないものに取り組むためには、子供自身が自己肯定し、自ら動き、結果に責任を持つこと。そして他者と協力し、感謝し、尊重し合うことが大切。そういった非認知能力の地力をじっくり伸ばすための環境をスクール内でつくっています」。
スクールには、テストもクラスも学年もチャイムもないという。大人の一方的な評価や期待がない環境のなかで、子供たちは思う存分、非認知能力を伸ばしていく。
非認知能力を子供に身に付けてほしいのであれば、大人自身が非認知能力に関心を持ち、学び、実践すること。子供は大人に「言われたこと」よりも、大人が「していること」を真似するもの。言葉より行動を。
杉山まさるさん
一般財団法人東京サドベリースクール代表理事。共同設立者として現スクールを設立後、法人化。アメリカやヨーロッパのサドベリースクールとも交流を続けている。
文:曽田夕紀子
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