2023.09.01
2022.11.03
2021.10.22
咳やくしゃみといった症状に特に敏感になる昨今。まだあまり認知度の高くない秋の花粉症だが、風邪や新型コロナウイルスの症状と似ており見分けがつきにくい。また、地球温暖化やコロナ禍など、今こそ注意をすべき理由がある。
特に、春のスギ・ヒノキ花粉に苦しむ人は、秋の花粉症にもなってしまう可能性が高い。秋の花粉とはどのようなものか、敵を知れば対策も定まるはずだ。
春の花粉はスギ・ヒノキだが、秋の花粉症の原因になるのはブタクサやヨモギ、イネ科植物など草本類の花粉だ。欧米ではスギ花粉症は少なく、花粉症といえばこちらが主流だという。気をつけなければならないのは空き地や庭の隅などの雑草だ。これらの花粉は8月ごろから飛散を始める。
花粉症はそもそも、花粉を抗原とするアレルギーだが、スギ・ヒノキと草本類ではアレルギーの原因物質となるタンパク質の構造がよく似ている。だから春に花粉症にかかる人は秋にも同様の症状に陥る可能性が高いのだ。
雑草の花粉は飛散距離が短いため、秋花粉症であっても生活パターンやエリアによって症状が出たり、出なかったりする。また、飛散期間も短いため、症状が長く続かないことが多い。そのため花粉症と気づかないまま短期的な症状を繰り返す「隠れ花粉症」であることも。
エステー株式会社が作成した『ニューノーマル“秋花粉”対策ガイド』には、こうした秋花粉についての情報や対策が詳しく掲載されている。監修は埼玉大学大学院理工学研究科・工学博士の王青躍教授。
今このガイドが作られたのには、コロナ禍や地球温暖化、都市の緑地化といった背景がある。温暖化はブタクサやイネ科植物の増殖を促している。都市部の高層化による空き地の緑地化も、そうした植物の繁殖地となっている。
また、花粉症と新型コロナウイルスには、倦怠感や咳など症状に共通点がある。こうした症状があった場合は、外出や人との接触を避けて早めに診断を受けたい。
『ニューノーマル“秋花粉”対策ガイド』によると、秋花粉対策としては、花粉防止のメガネやスプレーといった春同様の対策グッズが役に立つという。花粉を家に持ち込まないよう帰宅時に衣服を払う、部屋の隅などホコリが溜まりやすい場所を清潔に保つ、風の強い日には換気を控える、などの配慮も効果的だ。
新型コロナウイルスの感染状況は落ち着きを見せているとはいえ、まだ行動には慎重さが求められる。そんな中で花粉にも注意しなければならないという、厄介な秋となった。
自粛した生活を心がけ、手洗いや消毒による除菌などを真面目に実施している人こそ、新型コロナウイルスを疑うような症状が出てしまったときのショックは大きいだろう。しかし、実は秋花粉だった、という可能性もある。家族が心身ともに健康に過ごせるよう、正しい情報をチェックしてみてはいかがだろうか。
〈サービス概要〉
ニューノーマル“秋花粉”対策ガイド
products.st-c.co.jp/plus/wp-content/uploads/2021/09/akikafun_guide.pdf
文:平井達也
編集部のオススメ記事
連載記事