2024.05.22
2024.08.23
2024.07.10
中川早智子さん
大阪府での私立幼稚園教論を経て渡豪し、チャイルドケアワーカーや日本語教師を経験。その後ドイツへ渡り、アドラー心理学を取り入れたプリスクールや、NGOドイツ国際平和村での乳幼児保育に関わる。帰国後、外資系企業等で人材採用に携わる中、グローバル化を視野に入れた幼児教育の重要性を感じてPikkasの開園を決意。自身も3歳の娘の母。
フィンランドの幼児教育・保育システムであるECECは、最新の研究に基づいた「遊びからの学び」の実践を基本としている。
「ECECでは“遊びとはモチベーションと姿勢である(Play is about motivation and attitude.)”と明示されており、『“遊び”の5つの特徴』が共有されています。
『“遊び”の5つの特徴』に当てはまる状態のときに子どもたちはとてもよく学んでいるため、大人はそうした“遊べている状態”を作るサポートをするべき、と考えられています」、と中川さん。
そのためには、子どもの遊びを見守り、よく観察して参加することや、子どもと一緒に考えることが大切だという。
「これからのAI時代、社会ではコミュニケーションスキルや問題解決力が最も求められています。こうした力も、“遊び”をたっぷり体験することで伸びていきます。今の時代の子どもたちこそ、もっと遊ぶことが求められているといえます」。
今回は、この『“遊び”の5つの特徴』をもとに、「遊びからの学び」を実践する具体的なポイントを教えてもらった。
X 特定の遊びやおもちゃを強制する
〇 自分で好きな遊びやおもちゃを選べるようにする
<ポイント>
『やらなくてはいけないこと』ではなく『やりたいこと』なのが遊び。大人がやらせたいことではなく、子ども自身がやりたいことをすることが学びにつながります。
X 子どもが失敗しないよう、代わりにやってあげる
〇 失敗するかもしれなくても、子どもが自分でやることをサポートする
<ポイント>
ゴールではなくプロセスそのものに遊びの価値があります。目的や目標を達成させることではなく、そこへ向かうプロセスを楽しめるサポートを。
X 遊びのルールや役割を大人が決めて従わせる
〇 子どもが考えたルールや役割を尊重し、一緒に話し合う
<ポイント>
特定の色の積み木だけ使う、おままごとの役を決めるなど、自分でルールを作る体験が自然にできるのが遊び。友達とルールを共有・交渉することで社会性も育ちます。
X おもちゃがないと遊べないと思い、何でも買ってあげる
〇 ないものは他の物で代用したり、見立てて遊べるよう促す
<ポイント>
泥を料理に見立てる、布をドレスに見立てるなど、想像で補って楽しめるのが遊びの素晴らしさ。ないものを工夫して楽しむ体験が、発想力や創造性につながります。
X 集中して遊んでいる子どもについ声をかけてしまう
〇 子どもがよく集中する遊びに気が付き、広げてあげる
<ポイント>
ストレスなく遊びに夢中になっている状態は、創造力を伸ばしたり新しい学びを得るのにとてもよいという研究があります。子どもが自分のペースで遊べるサポートを。
世界の幼児教育・教育哲学を学んだ設立者が目指す新しい保育
来春、世界の最先端の幼児教育・教育哲学を取り入れた新しいインターナショナルプリスクールが開園する。
上記のECEC等を参考にしたプログラムに加え、「それを実現するには周りの大人も心身ともにゆとりがあることが大切」と、子ども・保護者・教職員のウェルビーイングな環境づくりを重視しているのが特徴だ。
●子ども・保護者・教職員の「三方よし」
子どもも周りの大人たちも、心身ともに健やかに過ごし、働けることを大切に
●遊びからの学びを重視した英語保育環境
これからの時代を生きる強い味方となる「英語」を自然に身に付けられる環境
●学ぶって楽しい! を最優先
“遊び”を大切に、さまざまな海外の教育アプローチを取り入れたオリジナルプログラムを実施
FQ Kids VOL.19(2024年夏号)より転載
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