2022.02.08
2020.12.09
2024.09.13
今年はレモネード・デー20周年を祝うために、6 月に拡大イベントが行われる予定。
2000年、小児がんと闘う4歳の女の子アレックスが、レモネードを作って売る活動を始めた。その目的は、自分のように闘病中の子どもたちのためにも、小児がんの研究が進むよう研究所や医師に寄付をすること。
アレックス・スコットが自宅で始めたレモネード・スタンドの様子。
この様子は全国ニュースでも取り上げられ、2004年の6月には、アレックスの活動に感銘を受けた人々が全米で一斉にレモネードを販売して寄付をする「レモネード・デー」を開始。現在も毎年100万ドル以上が集められ、小児がんと闘う子どもたちの家族や、小児がん研究のために寄付されている。
文:大山真理
パリにある預金供託公庫の建物。
児童労働は子どもの健全な発達を侵害し、教育機会の喪失と貧困の連鎖を生むため各国で禁止されている。例外は芸能分野だが、フランスは子どもへの搾取がないよう法整備が世界に先駆けて進む。1日の労働時間を厳格に定め、学校がある期間の日曜労働は不可。
企業は公的認可を求められ、16歳未満への報酬は全額または9割がブロックされた預金供託公庫の口座へ直接振込み。18歳の成人時に本人へ支払われる。子どものインフルエンサーも同様だ。
*預金供託公庫
文:守隨亨延
週1で新聞配達のアルバイトをする13歳の子ども。16歳までは国の規定や制約も多く、雇用側にも配慮が求められる。©米屋香林
オランダでは13歳からアルバイトができる。とはいっても、まだ義務教育期間中。学業優先が大前提で、受け入れ側もそれを心得て採用してくれる。スーパーや新聞配達は定番だが、例えば夏休みに保育園でアルバイトも可能。
お小遣いを稼ぐためというより、お金を稼ぐ経験&働く経験を積むためという理由が大きく、自立精神を促す意味で社会的にも広く認識されている。アルバイト=子どもの頃から「仕事」や「働くこと」について考える機会なのである。
文:米屋香林
多くの親は午後4時頃には退社し子どもの迎えに行くことができる。©Ayumi Umino
子どもを産み育てやすい国の1つとしても有名なデンマークでは、生後6ヶ月から保育園に預けて職場復帰が通常。すべての子どもが保育を受けられるようにすることが各自治体の責任となっているため、待機児童はいない。
また、教育が無料(大学・大学院含む)なのも大きな特徴。18歳になれば大体の若者は親元を離れ自活を始めるが、高等教育を受ける学生全員に月10万円前後の給付型奨学金が支給される。一方で、これらの充実したサポートがあるが故に、ドロップアウトする若者への対応が課題となっている。
文:Ayumi Umino, Educational Visits Denmark
「家庭経済」と呼ばれる教科は日本の家庭科に相当し、「食の知識と食文化」「住まいと暮らし」「消費者と金融の知識」の3つの内容を学習する。©Jussi Hellsten / Helsinki Partners
1999年からユーロを採択したフィンランド。1セントと2セント硬貨がほぼ使われず廃止となり、最小貨幣が5セントというこの国では、7年生からの「家庭経済」の授業で生徒たちがまず学ぶのが端数処理のルールである。1、2、8と9セントは最も近い10の倍数に、3、4、6と7セントは最も近い5の倍数の金額に換算する。
教科書では端数まで正確に支払えるカード払いという選択肢の紹介もあり、お小遣いをもらい始めた子どもたちは中学生になる頃には銀行口座を持ち、キャッシュレスの人生を歩み始める。
文:靴家さちこ
スーパーマーケットに並んでいる付録付き雑誌(約5ユーロ)と漫画(約12ユーロ)は子どもたちに大人気なお小遣いの使い道。
ヨ―ロッパで大手の社会科学研究所の1つとされるドイツ青少年研究所(Deutsches Jugendinstitut)。この機関が保護者に勧めるお金教育はきめ細かく、多くの人が参考にしている。
まず、お小遣いは小学校に上がり次第、 毎週1〜3ユーロ(約165円ー495円*)あげる。大切なのはご褒美としてではなく、習慣として渡すこと。お金の使い道は子ども自身に決めさせる。実体験を通して物価の違いと貯金の重要性を学ぶためだ。
*www.dji.de/themen/jugend/taschengeld.html
文:町田文
国立のミラノ大学。15世紀の歴史的建造物が校舎。©田中美貴
イタリアでは、学費は家庭の収入によって段階的に減額される仕組みになっており、これは給食費や修学旅行費などにも適応される。大学の多くは国立のため、平均的な学費は日本に比べると安い(私立は除く)。成績優秀な生徒への割引や、返済不要の奨学金も多数ある。
とはいえ、大学は全国に97校と少ない上(日本は793校)、都市に集中するため、地方の子どもたちが親元から離れて生活する費用(主に家賃)は高い。また大学を卒業するのは日本よりも難しく、経済的な自立が遅れがちなので、子どもを大学に行かせることにはやはり経済的な負担がかかるのが現状だ。
文:田中美貴
FQ Kids VOL.18(2024年春号)より転載
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