音楽と数学を学ぶことが課題解決能力を育む? 自由で意外な発見に満ちた共通点とは

音楽と数学を学ぶことが課題解決能力を育む? 自由で意外な発見に満ちた共通点とは
ジャズピアニストで数学者、STEAM教育者。そして、14歳の娘の母親と、マルチかつグローバルに活躍する中島さち子さん。4歳でヤマハ音楽教室で音楽に出会い、その後数学と出会う中で多角的な世界観や創造力・想像力を身に付けた、中島さんにとっての音楽、数学、そして育児とは。

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第1回:医学博士に聞く! 脳や身体に良い影響をもたらす音楽の力
第2回:音楽系の習い事で得られる“幸福度”調査の結果とは?
第3回:目指すのは「音楽で遊べる子供たち」非認知能力が“自然に伸びる”音楽教育のメソッドとは?
第4回:お子さま&パパママのリアルレビュー! 非認知能力を伸ばす音楽教室、その効果の実態とは?
第5回:自分の能力を活かして人生を切り開く! 活躍中の人に聞く、成功につながる「音楽体験」とは?
第6回:幼児期は「脳の土台づくり」に最適。音楽が「考える力」を司る前頭葉の栄養になる!

0から切り拓く発想力は
音楽と数学を学ぶことで得た
大きな財産

4歳からヤマハ音楽教室に通い始め、「自由に音楽と遊ぶ」のが大好きだった中島さんは、6歳から作曲の専科へ進み、独自の感覚で好きなように音楽を作ることに夢中になった。「音楽は生きることそのもの」と言う。

一方で、練習はそれほど好きではなく、クラシックの発表会では緊張し、リコーダーは苦手な一面もあわせ持つ。友人との食事会では、数学者でありながら割り勘でよく計算ミスするという。

そんな中島さんは「子供のころから、物事を上から一方的に教わるのではなく、自分自身が体験し、回り道や試行錯誤しながらようやく手につかむのが好きでした」と振り返る。自分なりの結果・作品ができあがると、自分自身の “理解の旅路” が目に見える実感があり、それがたまらなくワクワクするのだという。

しかし、大好きだった音楽を中学校2年生ですっぱりやめる。その後のめり込んだのが数学だった。「音楽と数学の共通点は、意外なもの同士が自由に結びつく驚き、新しい視点にワクワクドキドキする高揚感でした」。そして、高校2年生の時、国際数学オリンピックに出場し、金メダルを獲得する。

「つくる」も学べるヤマハメソッド
「きく」→「うたう」→「ひく」をベースに、バランスよくきちんと学ぶことで、「つくる」チカラが身につく。楽譜通りに弾くためのテクニックを磨くだけでなくオリジナルのアレンジができるようになり、自分だけの音楽を生み出せるようになる。


 

数学には“音楽の感受性”
音楽には“数学の感覚”が必要

「数学の発見や理解には、感性と心の眼が大事です。数学には “音楽の感受性” が必要ですし、音楽には数学の“自由で新鮮な感覚”が必要になります」と語る中島さんが2017年に立ち上げたのが「株式会社steAm」だ。

同社では、自ら取締役を務める株式会社 STEAM Sports Laboratory との協力・監修体制をとり、多くのSTEAM教育コンテンツを開発・制作。経済産業省が主催する「新しい学びのプラットフォーム STEAMライブラリー Ver. 1」にも提供している。

“STEAM教育”とは、技術(Technology)、工学(Engineering)、科学(Science)、芸術・教養(Art/Arts)、数学(Mathematics )の頭文字をとったもの。今後の経済発展やイノベーションには欠かせない要素とされる。

「STEAM教育は、決して理系だけの教育ではなく、さまざまな教科を横断しながら思考と実践の往復を繰り返し、いろいろな失敗しながら試行錯誤することで、創造性や発想力、レジリエンスが身に付くプレイフルな学びなんです」。

“音楽の感受性”を育むヤマハ音楽教室・幼児科について詳しくはコチラから!

音楽と数学が握る
課題解決のカギ

2020年までの2年間、娘さんも連れてニューヨークでメディアアートを学んだ中島さん。「もっと突きつめて研究したいです」と、意欲は止まらない。そんな中島さんが、育児において大切にしていることとは。

「育児は本当に奥が深く今でも試行錯誤です。ただ、娘が小さい時からなるべく “ひとりの大人”として向き合うように心がけてはきました。社会の課題を解決するためには、何が正しいのかは、一概に判断できないことがほとんどですよね。だから、私が考える“正しい” をなるべく押し付けず、さまざまな社会のテーマを一緒に話したりします」。

中島さんは自身の著書『人生を変える「数学」そして「音楽」』で次のように語っている。

「~数学と音楽はなんだか似ているなぁということ。共にとても自由で意外な発見に満ちていて、そしてわくわく楽しい創造性に溢れているということ。そして、数学や音楽の面白さは、異文化交流や人間交流や家事や育児、そして様々な仕事など、人生の中のいろいろな場面や過程とも少しずつリンクしているということ。」

音楽と数学は、世界の神秘を解き明かし、育児や仕事においての課題解決のカギにもなりそうだ。

「ヤマハ音楽教室」について
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プロフィール

中島 さち子(なかじま さちこ)
東京大学理学部数学科卒業。steAm inc. 代表取締役 CEO。国際数学オリンピック金メダリスト。NY大学芸術学部ITP修士。ジャズピアニスト、音楽家、数学者。14歳になる娘を持つ母。大阪・関西万博テーマ事業プロデューサー。内閣府 STEM Girls Ambassador。音楽・数学・STEAM教育・メディアアートなど多領域で活動。主著書『人生を変える「数学」そして「音楽」』他、CDアルバム『REJOICE』『希望の花』(中島さち子トリオ)など。


ヤマハ音楽教室
1954年4月に、従来の音楽の専門家を輩出するための音楽教育ではなく、純粋に音楽を楽しむことのできる人を育てるための教育システムの確立を目指してスタートした。現在、国内2800会場、生徒数25万2千人、卒業生はこれまでに550万人以上にのぼる、国内最大級の音楽教室にまで発展。現在では40以上の国と地域に普及している。


取材・文:脇谷美佳子

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