子どもがダメと言っても聞かないとき「親がやりがちな行動」と「声かけのコツ」

子どもがダメと言っても聞かないとき「親がやりがちな行動」と「声かけのコツ」
テレビ番組やSNSでも大人気の現役保育士・てぃ先生が、FQ Kids読者の悩みに答える連載企画。今回は「食事中にフォークで机をカンカン叩き、やめようねと言うとニコニコしながら余計にやる娘」に悩む親御さんのお話です。

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《今回の相談内容》
最近、2歳の娘と会話ができるようになりました。

こちらの言っていることを理解していながら「やーだよ」と言っているか、ダメな行為をわかっていながらわざとやっているんだろうな、と思うとつい怒ってしまいます。

これまではなんとか「今は叱ってもしかたがない」と思って、ニコニコ対応してきましたが……。

例えば、 食事中にカトラリーで机をカンカン叩いている時は、こんなふうに言ってみました。

「机を叩くと音が出るし楽しいよね~。でも、フォークはごはんを食べる時に使うもので、ママやパパに刺さったら危ないから、カンカンするのはやめようね」

そう言うと「しーらーないっ!」とニコニコしながら、さらに叩きます。

こんな時、てぃ先生ならどんな声がけをされますか? 

(ぷんぷんさん・2歳の女の子の親)

カンカンしていない時にこそ
声がけを

ぷんぷんさんの娘さんの行動は、「かまってほしい!」の典型のように思います。

カンカンしてはいけない理由を伝えることもいいのですが、だからやめるということにはならないと思います。カンカン叩いたら、ママが反応してくれるからやっているのかもしれないからです。

大人はつい、問題があれば注意するけど、問題がなければ何も言わない、ということをしがちです。でもこの場合、カンカンした時だけ反応してしまうことが、娘さんの行動を助長してしまっている可能性があります。 だから、カンカンしている時は、過度に反応しないことがベターです。

では、どんな時に声がけしたらいいのでしょうか。それは、カンカンせずにちゃんとごはんを食べている時。つまり、カンカンしている時の声がけを考えるのではなく、カンカンしていない時にどんな言葉をかけるかを考えることで解決しやすくなります

例えば、「美味しそうにごはんを食べてて嬉しい」「ちゃんと座って食べられてかっこいいね」「フォークの持ち方、上手だね」など。当たり前のことでもいいので、カンカンしていない時にこそポジティブな声がけを続けることが大切です。

すると、子どもなりに「じゃあどっちの行動を取るか?」と考えた時、叱られるけど構ってくれる方の行動ではなく、構ってくれる上にポジティブな声がけをしてもらえる方を選択していけるようになります。

一時的な悪化に負けないで

ただし、こういう時に注意しないといけない重要なポイントをお伝えします。

それまでカンカンした時に反応していた親が、急に反応しなくなった時、一時的にその行動は悪化するんです。今までよりもっと大きな音を出してみるとか、大声を出してみるとか。これはごく普通の反応です。

でも、そこで大きい音につい耐えきれずに反応してしまうと、子どもにとってはその大きい音が標準になってしまいます。小さい音じゃ反応してもらえなくなったから、次は最初から大きい音を出そう、となってしまうわけですね。

そこはぐっと我慢して、とにかくいい行為の時にだけ反応することを徹底することが必要です。がんばってください。

プロフィール

てぃ先生

関東の保育園に勤める現役保育士。名前の読み方は「T」先生。SNSの総フォロワーは170万人を超え、保育士として日本一の数である。超具体的な育児法や子育てにおけるアドバイスは斬新なアイデアにあふれており、世のパパ・ママに圧倒的に支持されている。現在はSNSだけでなく、報道番組からバラエティー番組まで幅広いジャンルのテレビにも出演し、「いま一番相談したい保育士」と紹介されることも。
 

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文:脇谷美佳子

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