【夫婦インタビュー】卜部弘嵩＆高橋ユウ夫妻「親として子どもの安全地帯でありたい」

2023.12.29

好きなことを見つけてやり通す
気持ちを尊重してもらった子ども時代

おふたり共に「日本人の父とフィリピン人の母」を持つという、運命のようなバックボーンをお持ちの卜部弘嵩さん高橋ユウさんご夫妻。大きな話題を呼んだ「行列のできる法律相談所」番組内での公開プロポーズから5年たった今、家族は4人になり、日々育児に仕事に奮闘中だ。

「育児は連携プレーが重要」と語るおふたりにとって、自身が育った環境と、子育てへの影響について聞いた。

高橋ユウ（以下高橋）「両親は、バレーボールやピアノ、歌など、私がやりたいことに何でもチャレンジさせてくれました。勉強やテストの出来よりも、『自己表現できる人間になりなさい』と。

自己表現って『自分の気持ちを言えること』『人前に立って表現すること』の2つの意味があると思うんですけど、どちらも大切なことだし、それが今の自分の核にもなっています」。

卜部弘嵩（以下卜部）「実は僕も同じなんです。僕自身、子ども時代は大好きな空手ばっかりで『勉強するより練習しろ』というような環境で育ちました。兄弟で習っていたのですが、両親は全力で応援してくれましたし、熱中できました」。

高橋「私は幼い頃、自分の気持ちを上手に伝えられず泣いてしまうようなタイプだったんです。

うちは4人姉弟で毎日バタバタと大変だったのですが、とくに父が時間を作ってひたすら向き合ってくれて、伝えられるまで待ってくれていました。その気持ちや時間が、幼いながらにとても嬉しかった記憶があります」。

卜部「見守るって辛抱強いことだよね。僕は空手に熱中する日々の中で勉強や宿題に対して口うるさく言われた記憶が無いおかげで、今も勉強や学ぶことは嫌いじゃないんです。だから自分の子どもたちにもあまりうるさく言わずに見守って、好きなことや興味あることは挑戦させてあげたいですね」。

両親がしてくれたように
わが子と1対1で向き合う

子どもの「好き」を応援してくれる両親のもとで自己肯定感を育みながら、ここまで自分の選んだ道を真摯に歩んできたおふたり。子育てにおいて描く青写真はあるのだろうか。

高橋「私たちの両親がそうであったように、私も息子たち1人ひとりと向き合い、子どもにとっての“安全地帯”でありたいなと思います。

わが家の長男は4歳になったばかり、次男はもうすぐ1歳。遊びや生活の中でどうしても長男を我慢させちゃう場面もあるので、そんな日は寝る前などに長男との2人タイムを作るようにしています。

そうすると『あのとき寂しかった』なんて教えてくれるんですよ。ああ、やっぱり弟の前だとお兄ちゃんとして頑張ってたんだなと思って、いっぱい甘えさせます」。

卜部「僕は“こんな風に育てたい”とはあまり考えていなくて、目の前の子どもたちの成長と向き合う日々です。

気をつけていることと言えば、おもちゃを貸してあげられるとか良いことができた時に『貸してくれてありがとう』って必ず言うってことかな。僕自身が日頃から意識して言っているうちに自然と感謝の気持ちが溢れてくるようになったので、息子に話しかけるときも『ありがとう』をすごく大切にしていますね」。

高橋「そう、夫は『ありがとう』が本当に自然に出る人です。私が他に気をつけていることは、子どもを叱らなければいけないような場面でも、夫か私かどちらかだけが叱るようにしていること。

逃げ場が無くなっちゃうと子どもは苦しくなっちゃいますよね。共働きで、物理的な協力も必須ですが、子どもとの接し方でも夫婦で役割分担というか、連携プレーしながら育てています」。

ペアレンティングアワードの表彰式でも、連携プレーとお互いへの信頼感が感じられたおふたり。共に子育てに真摯に向き合う姿勢は、多くのパパ・ママの子育ての参考になりそうだ。

＞＞第16回ペアレンティングアワードの授賞式の様子はこちら！

Profile

卜部弘嵩
1989年5月13日生まれ、千葉県出身。2007年、キックボクシングでプロデビュー。2011年に初代Krush -60kg級王座、2015年にK-1 WORLD GPスーパーフェザー級王座を獲得。2018年に高橋ユウと結婚し、2児の父に。2022年に現役引退。現在は実業家として活躍中。

高橋ユウ
1991年1月19日生まれ、滋賀県出身。2008年テレビ朝日「仮面ライダーキバ」でヒロインの1人・麻生ゆり役を務める。以降モデル・女優・タレントとしてテレビや雑誌などで幅広く活躍中。2018年卜部弘嵩と結婚し、現在は2児の母。姉は、女優の高橋メアリージュン。

 

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取材・文：松永敦子
写真：小野正博

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