信頼し合える親子関係を築くには? 子供とのシンプルで大切なコミュニケーション方法

信頼し合える親子関係を築くには? 子供とのシンプルで大切なコミュニケーション方法
わが子が不安や悩みを抱いた時、安心して相談してもらえる存在でいたい――そんな親子の信頼関係を築くには、日頃からどのようなコミュニケーションが必要なのだろう。小島慶子さんが語るシンプルで大切な方法とは?

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子供との信頼関係を築く
シンプルな方法

年末に小さなホームパーティーに招かれ、友人の子供たちと遊びました。1歳と3歳。人見知りもあって、大人を見て泣いちゃったり、話しかけられてもモジモジしたり。自分も人見知りの子供だったことを思い出し、まずはおっきなおばちゃんに慣れてもらおうと黙ってそばに座っていました。

何か尋ねても返答はなく、明らかに警戒されているのが分かります。でもしばらくすると、3歳の子が私の顔を見て、問わず語りに保育園の話を始めました。おぉっ、これはいい感じ。初対面のおばちゃんにちょっぴり心を許してくれたのかな。こちらも一生懸命頷きます。すると、たくさん話してくれるようになりました。そうだそうだ、何歳だろうと関係ないんだ、相手の話を真面目に聞けばいいのだった。

私は息子たちが新生児の時から、こちらの言っていることがわかるだろうと信じて色々話しかけていました。子供がアーとかダーとか言えるようになると、「あらそうなの」「ほんとだねぇ」などと目を見て相槌を打っていました。赤ちゃんは、話したいことがあるのにうまく話せないのですよね。それはさぞもどかしいでしょう。なのでせめてちゃんと聞いてるよとか、お気持ちわかりますと言ってあげたいと思ったし、君の話をなんとかしてわかりたいんだ! という思いを伝えたかったのです。

話を真面目に聞いてもらえるのって、とても大事な経験だと思います。「あなたのことを知りたいよ」「あなたはそこにいていいんだよ」と言われるのと同じことですから。愛着形成を促して自己肯定感を育むことにもなるし、言葉の習得にもプラスなのではないかと思います。

何か言っても真面目に取り合ってもらえないのでは、会話の楽しさはわからないですよね。子供の話は時に永遠かと思うほど長いことがあるし、意味がわかりづらいこともあるけど、それでもふんふんと真面目に聞いてあげるのがいいんじゃないかと思います。

親子のコミュニケーションに
大事なことは?

そんなわけで私は友人の1歳の子供とも仲良くなりました。1歳ちゃんはアーとかダーとか言いながらブロックを掴み、箱の写真に手を伸ばしています。あらそれが作りたいのですか、ならこのブロックなんかどうでしょう。ふむふむ、そうですねぇ。確かにね! などと目を見て相槌を打っていると時間を忘れてしまいます。子供って本当に人に対して真剣なんですよね。そうだった、息子たちともこうして私、ずっと話をしてきて、いつか会話が成立する日のことを心待ちにしていたんだよなぁ。

大学2年の長男くんは、子供の頃から話好きです。思春期には反抗したこともあったけど、今や私の愉快なおしゃべり仲間。ハリウッドセレブや英国王室のゴシップ、F1の話、政治の話、環境の話、どうでもいい豆知識……最近では教育に関する話もよくしています。わが子と教育論を語り合える日が来るなんて! 15年前の自分に教えてあげたいです。

高校2年の次男くんは、2年ぐらい前から急速に言葉数が減り、ほとんどの答えを「ふつう」で済ませるようになりました。「その3文字以外で答えてくれたまえ」と言語化の練習中です。10代の少年が、家族よりも友達とたくさんおしゃべりしたいのは成長過程で自然なことですから、無理やり話させることはできません。

でも私は、寂しい時は「話してくれないと寂しい、私は君のことが大好きで、もっと知りたいから」と伝えてきました。鬱陶しいかもしれないけど、相手の気持ちを知っておくことは大事です。よく見ていると、次男くんは黙っていても家族の話をよく聞いているし、肝心な時にはちゃんと相手をケアする言葉をかけたり、言葉ではない形で愛情表現したりしていることがわかりました。それを尊重してあげることも大事だなと、私もだんだん不安に思わなくなりました。

家庭での習慣で身につける
言語化する力

私たち家族は、感情の言語化の練習と日本語の維持のために、食卓で必ず「今日は何をして過ごしたか。今日あった良かったこと3つと、今の気分」を1人ずつ話すようにしています。習慣化するとなかなか面白いですよ。

特に今の気分を表す言葉は、こちらが助け舟を出すとちょっとずつ色んな表現ができるようになります。何でも「ふつう」だったのが、「問題ない」「充実した感じ」「平穏な感じ」「リラックスしてる」「明日が楽しみ」「早く寝たい感じ」などになり、少しずつ表現の幅が増えていきます。

赤ちゃんの時から真面目に話を聞いてあげることは、外国語の習得にも影響があるのではないかと考えています。知識として言語を学んでも、話したい、話しても大丈夫という気持ちがないとなかなか話せるようにはなりません。英語でエッセイを書く時にも、考えていることを言葉にして論理構成を組み立てる必要がありますから、普段から考えていることを人に伝える習慣がないとなかなか難しいと思うのです。

それともう1つ、困った時に周囲に助けを求めるためにも「言葉にする力」は欠かせません。まずは「自分は話してもいいんだ」と安心できることが大事ですね。何かと空気を読むことが求められる時代、これはもしかしたら、大人にも必要なことかもしれません。

プロフィール

小島慶子(こじま・けいこ)
エッセイスト、タレント。東京大学大学院情報学環客員研究員。昭和女子大学現代ビジネス研究所特別研究員、NPO法人キッズドアアドバイザー。1995年TBS入社。アナウンサーとして多くのテレビ、ラジオ番組に出演。2010年に独立。現在は、メディア出演・講演・執筆など幅広く活動。夫と息子たちが暮らすオーストラリアと日本とを行き来する生活を送る。著書『曼荼羅家族』(光文社)、他多数。
Twitter:@account_kkojima
Instagram:keiko_kojima_
公式サイト:アップルクロス

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