2020.06.04
2020.06.11
2023.10.16
心も身体も発達途上の子どものメンタルは不安定になりがちだ。特に長期休暇明けの新学期は、学校になじめない気持ちが限界を迎えることがある。
一方で自我の発達とともに、悩みを親に相談することに抵抗を覚え、1人で抱え込む傾向も出てくる。親がちょっとした子どもの変化に気付き、声がけや適切な対策をとることも必要だ。わが子の変化に気付いたとき、パパ・ママたちはどう対処しているのだろうか。小学生、中学生の親を対象にした調査結果を参考にしてみよう。
オンラインカウンセリングサービス『yoridocoro(よりどころ)』を提供するポルムス株式会社は、小学生~中学生の子どもを持つ親を対象に、「日常生活における子どもの変化」に関する調査を実施した。
まず尋ねているのは「子どもの様子の変化に気がついたことがあるか」。これには51.1%が「ある」と回答した。
具体的には次のような変化が気になったようだ。
●いつも通りに元気よく学校から帰ってこない(40代/女性/千葉県)
●急に泣き出す(40代/女性/岡山県)
●元気がない(40代/女性/大阪府)
●学校から帰ってきた時の声の大きさや表情(40代/女性/埼玉県)
変化に気付いたとき、直接子どもに理由や状況を聞けた親はどれくらいいるだろうか。81.7%が「聞けた」と回答し、ちゃんとコミュニケーションが取れているパパ・ママが多いことがわかる。
一方、直接聞けなかった親にも事情や配慮があるようだ。挙げられた理由としては「子どもが話してくれなかったから(54.3%)」が最も多く、「親があまり干渉しない方が良いと思ったから(41.5%)」が続いた。
では、子どもの変化に気付き、直接子どもに聞いてみた結果、どのような理由があったのだろうか。
●学校で嫌なことを言われた(30代/女性/沖縄県)
●同級生に気持ち悪いと言われたから(30代/女性/長崎県)
●学校で友達とトラブルがあった(40代/女性/茨城県)
●クラスのトラブル(40代/女性/岡山県)
友人関係のトラブルに悩む子どもが多いことがうかがえる。
実際に、いつもと違う様子の子どもに対し、対処した親はどのくらいいるのだろうか。
子どもの変化に気付いたとき、何らかの対処をしたのは78%だ。どう対処したかを聞くと、以下のような回答が。
●連絡帳や電話で担任に伝えた(30代/女性/岐阜県)
●ぎゅーっと抱きしめる。味方であることを伝える(30代/女性/東京都)
●じっくり話を聞いた(40代/女性/茨城県)
●しっかり話を聞く。甘えたいだけ甘えさせる(40代/女性/千葉県)
きちんと子どもの悩みに向き合い、寄り添おうとする姿は頼もしい。
対処できなかった側にも理由を尋ねている。「親があまり干渉しない方が良いと思ったから(53.2%)」が最多で、「子どもが自身で解決したから(34.9%)」が続く。確かに「子どものケンカに親が出る」のは問題を複雑にする場合も多い。親が出る場面かどうか、見極めることが一番難しくて大切なところだろう。
最後に、「子どもにとって自身が良き理解者だと思うか」と質問。
「それなりに良き理解者であると思う(62.5%)」が最も多く、次いで「とても良き理解者であると思う(18.8%)」「良き理解者になりきれていないと思う(18.7%)」という結果となった。
良き理解者であろうとしつつ、なかなか子どものすべてを受け止めきれないもどかしさも表れている数字ではないだろうか。そこで家族以外の信頼できる相談相手に加わってもらう、という選択肢も考えられる。
「専門家に子どもの良き理解者となってもらうことについてどう思いますか?」と質問したところ、「とても良いと思う(14.4%)」「良いと思う(64.9%)」と、約8割が専門家に子どもの理解者になってもらうことを好意的に受け止めていることがわかった。
調査を行ったポルムスのオンラインカウンセリング『yoridocoro(よりどころ)』は、メンタルの悩み、仕事のキャリアや経営相談の他、子どもの友人関係や勉強、育児に関することも相談できるサービスだ。こうした機関の専門家に、親も子も理解者になってもらうことを考えてもいいだろう。
調査結果からは、多くの親が子どもの理解者でありたいと願いつつ、親であっても対処には限界があることも自覚している様子がわかった。パパ・ママがわが子の悩みを解決できることは、実は少ないのかもしれない。
子どもには、時には家族以外の第三者に適切に相談したり頼ったりする術があることを教えてあげたい。社会には家族以外にも専門家など、味方になってくれる存在はたくさんいる。子どもが自立していくためには、自分で解決しようとする力と同様に、助けを求める力も大切なのだ。
〈調査概要〉
「日常生活における子どもの変化」に関する調査
【調査期間】2023年6月29日(木)~30日(金)
【調査方法】リンクアンドパートナーズが提供する調査PR「RRP」によるインターネット調査
【調査人数】1,007人
【調査対象】調査回答時に小学生~中学生の子どもを持つ親であると回答したモニター
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ
文:平井達也
編集部のオススメ記事
連載記事