現代っ子の「お口周り」が危うい!? 発達不全リスク&歯科医師オススメの対策とは

現代っ子の「お口周り」が危うい!? 発達不全リスク&歯科医師オススメの対策とは
食べる時に「よく噛むこと」は子供のうちに習慣づけたいもの。健康や学力にも影響を及ぼすという口腔機能の発達を促すためには? 実態調査からの医師のコメントやチェックリストを参考にしてみてほしい。

よく噛んで食べることは
なぜ大切なの?

咀嚼、つまり噛むことにはどんなメリットがあるのだろうか。まず考えられるのは食べ物を飲み込みやすくし、消化を助けること。よく噛むことで、消化液の分泌を促したり、口腔内を清潔に保ったりする効果もあるらしい。

さらに、噛むことは大脳の血流量を増やし、覚醒やリラックスをもたらすという。ここまでくると、わが子がちゃんと噛んで食べているか気にせずにはいられない。

口呼吸やいびき、口元がゆるみがちな「お口ポカン」を防ぐためにも、口周り全体を育てることが大切なのだ。ところが、そんな口周りの発達の基本である「噛むこと」を、子供たちがあまりできていないという実態がわかってきた。

口腔機能発達不全症が増加中!
わが子の噛む力をチェックしよう

株式会社ロッテは、11/8「いい歯の日」に先駆け、子供の「噛むこと」の実態について、47都道府県毎に3~12歳の子供を持つ親50名ずつを対象とした、全国「子供×噛む力」調査を実施した。

さっそく親子の意識・行動面について見てみよう。「普段から子供に対し、食事中に『よく噛む』よう伝えていますか?」という質問に対して、6割以上の親がわが子によく噛むように指導していることがわかった。

一方で、「夕食時に子供は一口あたり何回噛んでいるか」も尋ねると、約9割が20回未満と回答。専門家が推奨する回数は30回以上。親の指導にも関わらず、子供はあまりよく噛んでいないのが実態だ。

子供に「よく噛むことの重要性や、なぜよく噛むことが大事なのかを話したことがあるか」も質問している。これには5割の親が「話したことがある(53.1%)」と回答。

ところが、子供は「『硬い食べ物』と『軟らかい食べ物』のどちらを食べることが多いか」については、約8割が「軟らかい食べ物(77.7%)」と答えた。背景には食文化の変化が考えられる。食べ物が柔らかく、食べやすくなってきていることから、子供も歯ごたえのある食べ物を敬遠するようになっているのかもしれない。

「『歯の健康』のみでなく『口周り全体』の健康のために、子供が普段から実践していることはあるか」という質問に対しては、「何もしていない(58.8%)」が最多だった。実践している具体的な行動として一番多かった、「なるべく咀嚼回数が多い硬い食べ物を食べるようにしている」も17.1%にとどまった。

口周りの発達の重要性、そのために具体的にすべきことを理解し、実践できている親子はまだ少ないようだ。

口腔機能の発達が不十分だと、気がつくと口がポカンと開いてしまい顎があがってしまう「お口ポカン」や、口呼吸の習慣化につながるリスクがある。これらは、だらしなく見えてしまうだけでなく、感染症対策上も望ましくない。さらには口腔機能の未発達は学力にも悪影響を及ぼすとも言われている。

※参考:ロッテ噛むこと研究室(www.lotte.co.jp/kamukoto/category/growth)

「お口ポカン」や「強く噛み締められず軟らかいものばかり好んで食べている」といった行動は、口腔機能発達不全症のサインだ。

調査では、口腔機能が十分に発達していないことのあらわれである各症状についても質問。約3割の子供に「お口ポカン(29.0%)」「軟らかいものばかり好んで食べている(27.3%)」の症状が見られることが判明した。

「食べ物をなかなか飲み込まない(26.3%)」「滑舌が気になる(18.6%)」といった状態も気になるところだ。

現代の子供の口腔機能の発達は危うい状況にあるといえるだろう。国立モンゴル医学科学大学客員教授も務める、小児歯科医師の岡崎好秀氏は次のようにコメントしている。

「最近、乳幼児期のむし歯は減ったものの、『お口ポカン』などがサインである口腔機能発達不全症が問題となっています。ほとんどの親が、『お口ポカン』やいびきなどの各症状が、ひいては全身の健康に影響を及ぼす程の問題があるとは思っておらず、子供が自覚症状を訴えることもないため、注意してほしいです」。

そして、口腔機能発達不全症が増えている理由として、風車・シャボン玉・口笛・フーセンガムといった“口遊び”の減少があるという。

「実際に、某保育園で毎日口遊びを行ったところ、「滑舌が良くなった」「大きいもの硬いものが噛めるようになった」などの事例があります。口腔機能の発達や維持のためにも、フーセンガムなどを利用した“口遊び”は大切であると思います」。

効果的な口遊びの一例

口遊びには舌を使う、唇をすぼめるなど口腔全体を使う要素がある。それによって口の各部位の細かな動きが可能になり、口周りの筋肉も発達させることができるのだ。

本調査を行ったロッテでは、日本歯科医学会のチェックシート(www.jads.jp/basic/pdf/document-200401-3.pdf)をもとに、子供の口腔機能の発達不全チェックリストを作成している。複数当てはまったら要注意だ。わが子は大丈夫か、一度確かめてみよう。


噛みしめる力を育てよう

食べることは生きることの根源であり、「噛む力」は生きる力のひとつといってもおかしくない。また、頑張る時に「歯を食いしばる」と言ったり、喜怒哀楽などの「気持ちを噛みしめる」といった慣用句があるのも、人生と「噛むこと」が密接に繋がっている証拠だといえる。

たくさん食べることで成長し、長い人生を歩んでいくわが子には、幼少期から噛む力を育ててあげることが大切だ。まずは食事や口遊びを通してすこやかな口腔を作っていくことが、その第一歩になるだろう。

〈調査概要〉
全国「子ども×噛む力」調査※ロッテ調べ
・調査方法:WEBアンケート調査
・調査対象:全国47都道府県別の3~12歳の子供を持つ親
・有効回答数:2350名(性年代居住地均等割付)
・調査実施日:2022年9月16日~20日


文:平井達也

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