2023.06.04
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2023.06.18
共働き世帯が増え、女性の社会進出は進んでいるが、それを支援する仕組みや意識は十分に追いついているとは言いにくい。結果、夫婦やパートナーシップの一方がほとんどまたはすべての家事育児負担を1人で背負う「ワンオペ」問題は解消されていないようだ。
ワンオペの担い手になりがちなママは疲れ果て、メンタルも限界、という話も耳にする。2人目の子どもを望まない夫婦が増えているというが、経済的な事情に加えて、このワンオペ家事育児のあり方にも原因はあるのだろう。
子育て夫婦の家事育児分担の実態はどのようなものだろうか? そして、乗り越えるにはどのような工夫が効果的なのだろうか?
株式会社カラダノートは、同社のメルマガ会員を対象に「家事育児の分担状況に関するアンケート」を実施した。まずたずねているのは「日々の家事育児をワンオペ状態と思うか」。
「ワンオペと思わない」は6%にとどまり、「常にワンオペである(29%)」「たいていワンオペである(45%)」「ときどきワンオペである(20%)」と、94%のママが日々の育児の中でワンオペだと感じていることがわかった。「常にワンオペ」「たいていワンオペ」を合わせた74%は、ワンオペが常態化していることがうかがえる。
この結果を、夫婦の家事育児シェア率とクロスさせた集計が興味深い。パパの家事育児シェア率が2割までの世帯では「常にワンオペである」の回答があったが、パパの家事育児シェア率が3割を超える世帯では「常にワンオペである」は0%になるのだ。
ママの「ワンオペ感」とパパの家事育児参加には明らかな相関関係が見て取れる。さらに4割になると「たいていワンオペである」の割合も一気に下がる。家事育児シェア率の少ないパパは、少なくとも3割、なるべく4割以上を目指したいところだ。
パパの家事育児シェア率が3割以上の世帯のうち64%は、「夫・パートナーが家事育児をするように何かしら工夫した」こともわかった。具体的にどのようなアクションだったのか、寄せられた声を紹介しよう。
●「自分がどのくらい家事育児をして大変なのかを何度か訴えた。」(30代・専業主婦)
●同棲初期から家事は出来る人がしよう、と話していた。料理を作らない人が皿洗いするなど細かい事を決めていた。育児は産まれた時からオムツ替えなどをさせたので、最初が肝心なのかな? と思ってます。(30代・ワーママ)
●産まれる前に、一緒に家事をすることは当たり前の事だと確認した。(40代・ワーママ)
さらに調査では、「家事育児に関する問題が解消した場合、2人目以降を希望する気持ちに変化があるか」も質問している。ママたちの回答は「意向がとても高まる(41%)」「意向が高まる(25%)」と、合わせて66%が2人目以降を希望する気持ちが高まると回答した。
家事育児の負担が、2人目を望む気持ちに大きく影響していることがわかる。
ほとんどのママがワンオペ家事育児の負担感を抱えていること、それを解決するにはパパが家事育児をシェアすることが重要であることが明らかとなった。今一度、パートナーと一緒にシェア率を見直してみてほしい。
パパにはうまく回っているように見えるかもしれないし、その一歩は少し勇気がいることかもしれない。しかし、夫婦の心身と関係性を持続的に良好に保つためには、とても大切な作業だ。
〈調査概要〉
「家事育児の分担状況に関するアンケート」
・調査期間:2023年5月20日~26日
・調査母数:157名
・調査方法:インターネット調査
文:平井達也
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