2021.12.06
2021.09.04
2022.04.03
この6年間で家事を変えた最大の要因と言えばコロナ禍だろう。在宅勤務やおうち時間の増加により、家事量自体が増加した。外出を控えるようになり、買い物もまとめ買いをしたり、ネットを使うことが多くなった。家電の進化も家事のあり方を変えてきたと言えるだろう。
コロナ禍前後を含め、この6年間での共働き夫婦の家事分担はどのように変化したか、その特徴をみていこう。
調査は、株式会社ホワイトプラスが提供する、宅配クリーニングの「Lenet(以下、リネット)」(www.lenet.jp)が共働き世帯の会員を対象に行ったものだ。調査ではまず、家事11項目について、夫と妻のどちらが担当しているかを尋ねている。
夫の担当割合※1が最も多かったのは「ゴミ出し」で、唯一夫が担っている世帯の方が多い項目となった。続いて「お風呂掃除」「クリーニング」が夫の担当として多い家事に挙がった。
※1:「ご夫婦どちらが担当しているか」という質問に対して、夫または夫の方が多いと回答している家事
また、2015年に調査した各家事の夫婦分担からの変化も明らかになっている。6年前時点ですでに夫が担うことが多かった「ゴミ出し」を除き、その他の家事についてはすべて夫の割合※2が増え、平均5%増加しているのだ。
※2:夫または夫の方が多いと回答した割合。「クリーニング」は2021年の調査から回答選択肢に追加。
それぞれの家事の、年代別の分担のありようも興味深い。どの項目でも20~30代では夫が分担する割合が多くなっている。特に「ゴミ出し」「朝ごはんの支度」では他の年代より負担している割合が多く、忙しい朝の家事に、より積極的に参加しているようだ。
さて、多忙な共働き夫婦にとって、家事の時短は切実な課題だ。そのためにどのような家電やサービスを利用しているかも質問している。
「食材の宅配」「食洗機」「乾燥機付き洗濯機」は半数以上の家庭で利用されていることがわかった。さらに、具体的な時短策として、「カット野菜の利用」「週末まとめて作り置き」「圧力鍋や低温調理器の利用」「家事はこまめにやるようにする」「バスタオルの代わりにフェイスタオルを使用して洗濯を楽に」といった工夫が回答に見られた。
長いこと、家事の負担は女性に偏りがちだったことは否定できない。調査結果からは、ジェンダー平等意識の広がりや便利家電の普及によって、偏りが少しずつ解消されてきたとも受け取れる。そしてコロナ禍でその大変さを目の当たりにしたことも、図らずも夫の意識を変える大きな効果があったのではないだろうか。
若い世代で夫の家事参加が進んでいることからも予感できるように、ジェンダーによる固定的な役割意識は今後さらに薄らいでいくだろう。家電の進化もますます進んでいくはずだ。そんな未来も視野に入れつつ、家事を「どう楽しむか」を考え始めてもいいのではないか。
〈調査概要〉
「共働き世帯の生活実態調査」
調査対象:リネット会員のうち共働き世帯
調査方法:インターネット調査
調査エリア:全国
アンケート実施期間:2021年12月24日~2022年1月5日
有効回答数:587件
文:平井達也
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