子供への食育から家事分担まで、和田家で大切にしている「夫婦の役割バランス」とは?

子供への食育から家事分担まで、和田家で大切にしている「夫婦の役割バランス」とは?
わが子の食育について、家族でどのように取り組んでいくのがいいのでしょうか。夫婦間での共通認識の持ち方や役割分担など、食育インストラクターの和田明日香さんに、和田家で実践していることを聞いてみました。

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それぞれの得意なやり方で
うまくバランスをとる

わが家では、なんとなくですが、夫婦間でご飯作りの役割分担ができています。平日の夜は基本的に私が作り、朝や、週末に人が来て食事をする時などは、夫と分担することが多いです。

もともと2人とも食べることが大好きで、2人で食事に出かけても、その時に食べているご飯の話をずっとしているくらい。

でも、ご飯作りに対しては、私は目の前のことを淡々とやって、楽しんだり新しいことをやるところまではあまり気が回らないタイプ。一方で夫は、焼き鳥焼き機とかピザ焼きオーブンみたいな面白いものを使って楽しみたいタイプ。

「今日はみんなで焼き鳥パーティーだ!」という感じで、イベント立ててみんなを楽しませてくれます。夫婦のタイプが違うからこそ、家族での食事もバランス良く楽しめているように思います。

また、私は毎日の食事は大切にしたいので、すごくくたびれている日でも、「メインはどうしよう、副菜とお味噌汁は……」などと「しっかりやらなきゃ」と考えてしまうのですが、そういう姿を見て、夫は「お米とお味噌汁だけで十分だよ」「今日は出前で済まそうよ」などと、力を抜くように言ってくれます。ありがたい一方で「そうはいかないんだなぁ」と思いながらご飯を作っています(笑)。

私が仕事でいない時などは子供とピザをとって盛り上がったりもしているようですが、それは、私が毎日ちゃんと作っているからこそ、たまにやるピザパーティーが楽しめるわけですよね。そういうところでも、ちゃんとバランスがとれているのかもしれません。

子供の食事のことについて、真剣に作戦会議みたいなことをするわけではありませんが、夫は夫なりに子供の好き嫌いについては受け止めつつも気にしているようです。身体を作る大事な時だからこそ、しっかり食べさせたいという思いは2人とも持っています。

思いが強すぎて、夫の方が子供に対して熱くなってしまった時は、私は冷静に。逆に私が熱くなりすぎる時は、夫がうまくフォローしてくれたり。子供に対しても、お互いに自然と夫婦間のバランスをとっているように感じます。

やっぱり、夫婦それぞれに子育てに対して思いがあるのは当然です。育ってきた環境が違う者同士が一緒になって暮らしていくわけですから、考え方が違ったり、何か衝突するようなことがあっても、それはしょうがないこと。そんな時は無理して目を瞑るのではなく、しっかりと話し合うことが大切だと思います。

夫が6年続けているお弁当作り
始まりはちょっとしたきっかけ

子供たちが通う小学校は毎日お弁当を持参するのですが、そのお弁当作りは夫の役割となっています。

晩御飯の残り物の状況などを把握しているのは私なので、最初は私が作るものだと思っていました。ただ、私は朝が大の苦手。逆に夫は早朝から趣味のサーフィンに行っちゃうくらい早起きが得意。そういうわけで、夫の方から「やろうか」と言ってくれたんです。

理由はそれだけでなく、娘が小学校生活に新しくチャレンジするタイミングで、夫自身も一緒にお弁当作りにチャレンジしようと思ったのだそうで、応援の気持ちもあったようですね。

1学期くらいやってくれたら助かるな、くらいに思っていましたが、すでに6年目に入り、今は毎朝3つもお弁当を作ってくれています。なかなかモチベーションを保つのは難しいようで、私がおかずを前日に仕込んでおいて朝は詰めるだけにしておくなど、いろんなアシストもしています。

子供の好き嫌いに合わせて別のおかずを作ってくれたりして、夫はヘトヘトになっていることもありますが、すごくありがたいなぁと感謝しています。

最初の頃は、お弁当用に確保しておいたおかずを、仕事から帰ってきた夫が食べてしまったり、私が使おうと思って買っておいた食材をお弁当で使われてしまったりと、ちょっとしたアクシデントもありました。

でも、そういうのはよくある話で、次からはそうならないようにきちんとコミュニケーションをとるなど、対策するようになりました。そうやって力を合わせていくのも、なかなか楽しいものです。

できない部分を
補い合える関係づくり

よく夫婦間での家事分担が問題になりますが、私は「やる量」をフェアにすることが、本当に平和的な解決なのかな? と、いつも疑問に思っています。家事が苦手な人が無理して頑張ってやるのと、できる人がササッと済ませるのとでは、精神的にも時間的にも、負担がまったく違いますよね。

できる方がたくさんやるのはフェアじゃないと思われがちですが、私はできる人がひょいひょいとやっちゃって、できない部分があればフォローしてもらう方がいいと考えています。補い合える関係が成立している状態こそ、一番平和ではないかと。

だから、他の家がどうしているかというよりも、目の前の人とどういう関係を築きたいのかをちゃんと考えることが、実は最も大事なことではないでしょうか。その方が、夫婦はもちろん、家族にとってもいい時間の使い方ができるのではないかな、と考えています。

PROFILE

和田明日香

料理愛好家・平野レミの次男と結婚後、修業を重ね、食育インストラクターの資格を取得。各メディアでのオリジナルレシピ紹介、企業へのレシピ提供など、料理家としての活動のほか、各地での講演会、コラム執筆、CM出演など、幅広く活動する。

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文:志村江

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