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2024.03.21
2023.04.18
社会に潜むさまざまな思い込みが、少しずつ子供の意識に、そして将来の職業選択に影響を与えているかもしれない。
内閣府の男女共同参画白書(令和元年版)によると、小学生女子の好きな科目(5教科)は、英語、理科、国語の順で、国語より理科が好きな児童が多い。3位の国語と4位の算数も僅差だ。しかし中学生女子では、数学、理科はそれぞれ4位、5位に低下している。
これがジェンダーバイアスの影響であり、女性の進路選択を狭めてしまっているとすれば悲しいことではないだろうか。子供たちが“本当になりたいもの”を考えるために、さまざまなバイアスや自分の可能性に気づくきっかけとなる企画展を紹介しよう。
東京都港区北青山のITOCHU SDGs STUDIOで、7/2まで開催中なのが「キミのなりたいものっ展? with Barbie」だ。
世界中で人気なファッションドールのバービーを展開するマテル社の、日本法人であるマテル・インターナショナル株式会社が協力している。
7つの体験展示を通して、バービーとボーイフレンドのケンが、世の中には多様な職業があること、社会的なバイアスから自由になって男性も女性も自分の可能性に気付き、就きたい仕事を目指せることを教えてくれる。
①バービーキャリアウォール
バービーとケンはこれまで250種以上も発売されてきた。それは職業の多様性も反映している。あらゆる職業に扮した2人の実物やグラフィックを眺めるうちに、わが子の中に思いがけない夢が生まれるのではないだろうか。2024年にデビュー65周年を迎えるバービーの歴史にも触れられる。
②バービーキャリアBOX
子供がカメラに顔を写すと、サイネージに映るさまざまな職種の姿のバービーとケンの顔が自分に切り替わる。宇宙飛行士、サッカー選手、パイロットなど、憧れでしかなかった職業を現実の選択肢として想定し始める瞬間になるかもしれない。
③ドリームギャッププロジェクト紹介
女の子には、夢と現実の差を意識してしまい、将来の夢を小さくする傾向「ドリームギャップ」があるという。ここではバービーが登場するドリームギャッププロジェクトの動画が紹介される。性別にかかわらず、誰でも自分の可能性を広げられるのだというバービーのメッセージを受け取ろう。
④仕事あれこれ
バービーキャリアウォールで紹介しきれていない国内外の250以上の職業をインスタレーションで展示する。伝統的な仕事から現代的な仕事までが並ぶが、それでも世の中の仕事のごく一部。きっと自分にぴったりの仕事があるはず、と将来にワクワクできそうだ。
⑤「ひきだし」のひきだし
さまざまな性格や特徴が書かれた引き出しを開けると、それらを生かせそうな仕事が見つけられる体験展示。自分にはどんな面があるか、改めて向き合うきっかけになる。弱点だと思っていた特徴も、強みにできる仕事だってある。わが子の新しい引き出し(可能性)を引き出すきっかけにも。
⑥センパイに聞いてみた
社会のバイアスにとらわれず、自由に自分の「なりたい」を追求し、夢を実現した先輩たち。そんな人たちをインタビュー記事を通して紹介する。わが子も自分の「なりたい」に素直に、目標に向かって頑張る勇気をもらえるはず。
⑦なるかも名刺
いろいろな職業が記されたオリジナル名刺から、自分がなりたいと思ったものを選び、名前を載せることができる。それだけで少しだけ夢が叶った気分になれるかもしれない。さらに名刺は持ち帰れるので、家でもこの日に感じたことや願った自分の将来像を思い返すことができる。
人生100年時代、自分がこれからどうありたいのか、改めてキャリアを考え直しているパパ・ママにとっても刺激を受ける体験展示となるだろう。親として、わが子の一番側にいるロールモデルとして、自分自身のバイアスと向き合う機会にもしたい。
子供たちには、性別などの属性や何ならできそうかといった現実ではなく、無限大の可能性を大切に、純粋に自分の「なりたい」を起点に夢を描いてほしいものだ。
〈展示概要〉
「キミのなりたいものっ展?with Barbie」
・主催:ITOCHU SDGs STUDIO
・協力:バービー(マテル・インターナショナル株式会社)
・期間:2023年4月1日(土)~7月2日(日)
・会場:ITOCHU SDGs STUDIO(東京都港区北青山2-3-1 Itochu Garden B1F)
・時間:11:00~18:00
・休館日:毎週月曜日※月曜日が休日の場合、翌営業日が休館となります。
・料金:入館料無料
・展示詳細ページ:www.itochu.co.jp/ja/corporatebranding/sdgs/20230316.html
文:平井達也
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