非認知能力が遊ぶほどに伸びていく!? 家族で楽しむ「カードゲーム」のメリットとは

非認知能力が遊ぶほどに伸びていく!? 家族で楽しむ「カードゲーム」のメリットとは
家で過ごす時間が増え、家族時間の楽しみ方を模索している方も多いのでは。小さな子供から大人まで、年代問わずに家庭で楽しめるカードゲームの遊び方について考えてみた。

カードゲームで遊びながら
非認知能力が育まれる

デジタルゲームに押され気味ではあるものの、カードゲームには「年齢を問わず家族で遊べる」「五感が鍛えられる」など、アナログならではの利点がある。何より注目したいのは、複数人で遊ぶことによって育まれる「コミュニケーション能力」や「考える力」。知育カードと呼ばれる学習カードも種類が充実しており、カードゲームを通じて様々なスキルが磨かれることが期待できる。

デジタルにはない
アナログゲームの魅力

おもちゃコンサルタントとしての経験も持つ磯部一恵さんは、カードゲームの魅力のひとつに「家族や友人と遊びながら、対人関係が学べる」点を挙げる。複数人で遊ぶカードゲームは、デジタルゲームと違って途中でリセットすることはできない。我慢強さや忍耐力もここで育まれるだろう。

小さな子供も一緒に遊べるよう、ルールを調整できるのもアナログゲームならでは。感覚の刺激が成長に大きな影響を及ぼす3〜6歳期に、カードに実際に指で触れ、紙の厚みや形の違いを感じながら遊ぶことができるのも、デジタルツールにはない魅力だ。

遊びの中で勝負に執着しすぎる子供もいるが、「大人が負けを譲る必要はありません」と磯部さん。遊びながらいろんな感情と向き合うことも、子供にとっては貴重な経験となる。「うれしい」「楽しい」はもちろん、「悔しい」「悲しい」「腹が立つ」といった、感情を経験しておくのが大切なのだ。

その時、大人が「うれしそうね」「負けて悔しいね」とひと言添えてあげると、「これが“うれしい(悔しい)”という感情なんだ」と子供が認識することができる。また遊びを通じて大人が「悔しい!」「負けて悲しい!」という負の感情を表すことで、子供は「マイナスの感情を出すのは悪いことではないんだ」と学習し、負の感情をコントロールすることも学べる。

ただし、あまりにも負けが続くと飽きてしまうので、小さな子供が参加する時は、「運で勝てるゲーム」も取り混ぜるのがおすすめ。子供の発達状況などを見ながらセレクトしよう。

子供とカードゲームを楽しむには?

カードゲームで遊ぶメリットはたくさんあるが、今やデジタルツールの人気は圧倒的だ。子供の目をカードゲームに向けるにはどうすればいいのだろうか。

「親が本気で楽しむことですね」と磯部さん。子供はいつも親のことを見ているし、子供の目はごまかせない。まずは親自身が「おもしろそう」と感じるカードゲームを購入し、一緒になって本気で遊ぶことが大切。そうすればきっと子供も楽しんで、「あのゲームでまた遊ぼう!」と次回を楽しみにしてくれるはずだ。

親は子供のことをよく知っているつもりでも、日々成長し続けている子供には、親の知らない面がきっとある。カードゲームで遊ぶひと時は、そんな知らなかった子供の一面を知るいい機会となるに違いない。何が好きで、どんなことで喜ぶのか、どんな風に悔しがるのか。親から子へ、子から親へと互いの理解が深まることは、家族間のコミュニケーションもスムーズになるだろう。

カードゲームの
選び方POINT!

家族で遊ぶなら、親自身が「おもしろそう!」と思えるものをチョイス。パッケージに対象年齢が記載されていることも多いので、「うちの子にはどんなものが合うだろう?」と悩んだときには参考にしてみよう。

どんなタイプがある?

学習系
遊びながら文字や数字が学べる「知育カード」。

古典系
昔から遊ばれているかるたやトランプ、花札など。

視覚系
色やモチーフで見せながら遊べるカード。

トレーディングカード系
収集や交換、時には対戦ゲームも楽しめるカード。

>>タイプ別のおすすめカードゲームはコチラ

教えてくれた人

磯部一恵さん
チャイルドケアマスター。モンテッソーリ教育の国際免許、幼稚園教諭一種免許、親子関係講座Active Parentingのトレーナー資格など、子供の育ちに関する多数の資格を保有。子育てをテーマにしたセミナーを企画・開催。
HP:childcare-meister.com


文:藤城明子

FQ Kids VOL.08(2021年秋号)より転載

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