2020.06.11
2023.01.13
2022.09.16
食育というものがどのように定義されているか、あらためて調べてみました。農水省のホームページには「生きるうえでの基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるもの」とあるようです。
このような文章を見ると「大層なこと」のように感じてしまいますが(笑)、私が考える食育は、もっと当たり前に取り組める「すごく身近なもの」です。
基本的に1日3回、ご飯を食べるタイミングがありますが、誰もご飯を食べることを「お勉強」だと思ってやりませんよね。生きるために当たり前にしていることだからこそ、一回一回の食事にきちんと向き合うこと、それで十分に食育になるんじゃないか、そんなふうに思っています。
だから子供たちには、毎回当たり前のようにご飯が出てくるのではなく、そこに積極的に関わって欲しいです。
そのためにも、「この料理は何からできていると思う?」とか、「中に入っている野菜はどこで作られているんだろうね」といったように、興味を持たせるための働きかけをするようにしています。大人が食育としてやらないといけないことって、そういうところからなのかなと考えています。
食育が絶対に必要なものかというと、多分そうではないと思います。食の大切さがわからなくても、ごはんを食べていれば生きてはいける。でも、子供たちには「お腹がいっぱいになれば何でもいい」と思って食べ物に向き合ってほしくないと思っています。
「自分の体を作っているのは、今から食べるごはん。自分の体を大切にするためにはどういったものを食べればいいのか」と考えられるようになったら、「味の濃いものばかり食べていてはダメだな」とか「野菜ももっと食べないとな」といったことも意識できるようになるはず。
そういう意味では、食育とは「自分を大切にするための知恵」であり、「きちんとした選択をするための知識」を身につけることでもあると思います。
和田明日香
料理愛好家・平野レミの次男と結婚後、修業を重ね、食育インストラクターの資格を取得。各メディアでのオリジナルレシピ紹介、企業へのレシピ提供など、料理家としての活動のほか、各地での講演会、コラム執筆、CM出演など、幅広く活動する。
文:志村江
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