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子供が1人で大人しく遊んでいる時やテレビ・動画を観ている時、ふと顔を見てみると、口が開きっぱなしになっていることがないだろうか。「ポカン口」と呼ばれるそれは、単なるクセにとどまらず、放っておくと歯並びや顔の筋肉の形成に影響を及ぼす心配がある。また、口呼吸が習慣化すると感染症リスクも高まる。
「ちゃんと閉じなさい」と注意しているパパママも多いだろうが、子供の自覚だけではポカン口の改善は難しいのだ。では、どうすればいいのだろうか。
スウェーデン発の高性能空気清浄機『Blueair(ブルーエア)』の日本総代理店、セールス・オンデマンド株式会社は、4~6歳の未就学の子供を持つ既婚男女を対象に、子供のポカン口に関する実態についてアンケート調査を実施した。
まず、自身の子供が習慣的に口を開いていると感じるか尋ねている。すると「とても感じる(7.1%)」「やや感じる(19.7%)」と、約3割のパパママがわが子のポカン口を気にしているのだ。
Q.普段、あなたのお子さまの口が習慣的に開いていると感じますか?
それではポカン口の原因は何だと考えているのだろうか。これを尋ねると、1位は「鼻づまり」、2位に「テレビやスマートフォンへの集中」、3位が「顔の筋肉の弱さ」という結果となった。
Q.子供がポカン口になる原因は何だと思いますか?(複数回答可)
子供はたしかに風邪もひきやすく鼻をつまらせがちだが、鼻づまりの大きな原因には空気の汚れがある。ハウスダストやダニ・カビ、PM2.5などによりアレルギー性鼻炎を引き起こすのだ。
したがって、ポカン口の根本的な改善には汚れた空気をできるだけ吸わないよう生活環境を見直す必要がある。長時間を室内で過ごす子供にとっては、室内の空気がきれいに保たれることが大切なのだ。
アンケートでは「室内の空気の汚れの対策をしているか」も尋ねているが、「対策している」と答えたのは44.2%にとどまった。アメリカ合衆国環境保護庁の室内環境レポートによると、室内空気は室外より5倍汚れているという。
また、小さな子供は大人の2倍近くの汚染物質を吸収するともされる※1。まめな掃除や空気清浄機の活用が、わが子のポカン口を改善しアレルギーや感染症からも守るのだ。
※1:東京都福祉保健局/化学物質の子供ガイドライン「室内空気編」より/体重1㎏あたりで比較した場合
アンケート調査の結果について、口呼吸問題に詳しい、みらいクリニック・今井一彰院長は次のように警鐘を鳴らしている。
「子供のポカン口は専門用語で『口唇閉鎖不全』と言われており、日本の子供の約3割が当てはまるという結果があります。ポカン口は歯並びや顔の筋肉にも影響を及ぼし、口呼吸になることから空気中のウイルスや細菌を体内に取り込みやすくなり、感染症のリスクも最大2倍まで高まる※2とされています。
※2:抗生物質使用は2.6倍に高まる 感染症リスクは最大2倍以上に
(参考文献:W.Kukwa et.al Prevalence of upper respiratory tract infections in habitually snoring and mouth breathing children Int.j. Ped. Otorh. 107,2018,34-41)
ポカン口の原因の1つである、空気の汚れがもたらす鼻炎を予防するため、空気環境の見直しも有効です。ポカン口はコロナのマスク生活で親も気づきにくく、子供の意思だけでは治りにくい症状です。まずは室内空気を見直し、少しでもきれいな空気の中で生活することを心掛けましょう」
ポカン口は気持ちの問題、ちゃんと意識していればそうはならないはずだ、と大人は思いがちだ。しかし実は問題の底には空気環境があった。朝に起きられない子供についても、かつては性格や生活習慣の問題だととらえられていたが、現在では起立性調節障害が潜んでいることもあるとわかっている。
親はちゃんと子育てをしようと思うあまり、子供の問題に気づくと本人の自覚を促すために強く言ってしまうこともあるだろう。だが、子供自身の気持ちではどうにもならないことも多い。子供を追い詰めないためにも、最新の子育て情報をアップデートしていくことが望まれる。
〈調査概要〉
「子供のポカン口に関する実態について」
・調査期間:2022年5月11日(水)~12日(木)
・調査対象:全国の4~6歳の子供を持つ男女
・調査人数:3,608名
・調査方法:インターネット調査
・調査主体:セールス・オンデマンド株式会社
・調査機関:株式会社ディーアンドエム
文:平井達也
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