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2021.12.14
2022.08.30
>>関連記事【食育って何がそんなに大切なの? 3つの重要点と、年齢によって変わる関わり方のコツ】
日本の食品ロス量は年間約570万トン。そのうち家庭から出るのは約261万トンと言われ、国民1人当たり約45kgにも上る。近年認知度が増した「SDGs」で食品ロスを削減する目標が示されているとおり、地球環境と密接に関わる「食」分野での自然環境への配慮は必要不可欠。
これからの時代の子供にこそ「自分たちが選ぶ食材や作るもの、食べるものが地球環境を左右する」ということを幼児期から意識してほしいものである。「1人1人が生きものの命をいただくことや作ってくれた人に感謝の気持ちを持って食事をすることが大切。その積み重ねが持続可能な社会の実現に繋がっていくはずです」。(坂本さん)
1.食材は旬&地産地消を選ぶ
2.規格外野菜を選ぶ
3.期限切れが近いものから買う
4.認証マークの商品を買う
5.マイバッグを持ち歩く
旬の食材は生産時に必要なエネルギーが少なく、地元産の食材や国産食材を選ぶことは輸送エネルギーの削減にも貢献できます。また、すぐに食べる予定の食品はあえて期限が近いものを購入したり、規格外野菜を買うことも廃棄などの食品ロスの削減に繋がります。
「有機JAS認証」など環境の負荷を軽減した商品の証しである認証マークは20種以上あるので、親子で調べてみるのも食育の1つです。そしてプラスチックゴミ問題は今や地球を挙げての環境課題。子供に専用マイバックを持たせるのも環境意識を高める上でおすすめです。
1.食材を無駄なく使う
2.期限表示を理解して食材を使い切る
3.エネルギーを無駄なく使う
4.キッチンペーパーの代わりにふきんを使う
日本では年間約261万トンの家庭生ゴミが出ていて、これは1人1日124g(茶わん1杯程度)に相当します。子供の頃から、食材は野菜の皮や茎なども可能な限り使う工夫を覚えたり、賞味期限や消費期限などの表示の意味を理解した上でそれに頼りすぎず、見た目や感触、匂いなどで廃棄の判断ができるように練習すると良いですね。
また、料理中は水をこまめに止めたり、鍋からはみ出ない火力にしたり、余熱の利用などエネルギーの効率UPの意識を持つことや、繰り返し使えるふきんなどの使い捨てではない道具の活用も大切です。
1.料理は残さず食べる
2.余った食材はひと工夫やシェアする
3.食べられる量だけ盛り付け&注文する
4.飲食店では持ち帰りを積極的に
幼児にとって1番身近な廃棄食材削減の方法は、残さないこと。命をいただくこと、食べ物が自分の口に届くまでに関わったすべての人への感謝の気持ちが持てると良いですね。親も残さず食べられる量を考えて盛りつけ、余ってしまった料理は冷凍やリメイクするなど色んな工夫の選択肢を持ちましょう。
外食でも注文時に残さない意識で注文し、それでも残ったら持ち帰りする姿を子供に見せましょう。衛生的な理由から日本では普及度は低かったのですが、最近は食品ロスの観点から「管理は消費者の責任」と確認の上、料理を持ち帰れる店も増えています。
※出典:「令和元年度 食品廃棄物及び食品ロスの発生量の推計値」(環境省、農林水産省)
坂本星美さん
管理栄養士/SDGs料理研究家
1995年生まれ。食育NPO法人Efy(エフィ)を設立し、のべ3000人以上の子供達に食・栄養の楽しさを伝える。アジアの最貧国と言われるネパールに学校を設立し学⻑に就任。国内外でSDGs料理研究家として活動している。YouTubeでの情報発信に力を⼊れている。5月には食育工作ブックを発売予定。
文:松永敦子
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