2022.04.01
2020.12.21
2021.09.04
子育て世代にとって大きなトピックスである子供の教育費。しかしお金が絡む話題はなかなか気軽に話せず、情報収集がしにくいものだ。いくら貯めればいいのか、子供が私立の小学校を受験したいと言うかもしれない、大学は奨学金という手もあるが……。
教育費について他の子育て世帯はどのように考えているのか、未就学の子供を持つ20代から40代の男女を対象とした意識調査を見てみよう。
まず、回答者の世帯年収は以下の図の通り。世帯年収と回答の相関関係にも注目して調査結果をチェックしよう。
さて、そもそも教育費はいつ頃から準備するものなのだろうか。調査結果では「子供が0歳のときから」が最多で28%、ついで「1歳」が13.6%となった。「妊娠中」の8.5%を合わせると、半数は1歳までに準備を始めている。
世帯年収1,000万円以上の家庭では「妊娠中」が15%であった。
また、子供1人につき準備する教育費の予定額はどれくらいだろうか。最多は「200万円以上400万円未満」が29.7%、2位が「400万円以上600万円未満」で22%だった。
年収900万円以上の世帯では教育費の準備予定額「1000万円以上」が3割を超える。一方で年収200万円未満の世帯では4割が、準備予定額が「200万円未満」だった。
なお、幼稚園から大学卒業までにかかる子供1人当たりの教育費は、全て国公立でも約900万円、全て私立だと約2,300万円かかるとも言われている。
教育費の予定を立てるには、子供がどんな教育歴を積むか想定しておく必要がある。国公立の学校に進ませるのか、私学を選ぶかで大きく費用は異なってくる。
本調査では、小・中・高校は7割ほどが国公立を想定、大学も過半数が国公立を考えている、と回答。また、大学院、高等専門学校、専門学校、短期大学についてはいずれも7割以上が「想定していない」と回答している。
さらに尋ねているのが教育費を蓄えるための手段。最多は「学資保険」で61.9%。2位は定期預金で41.5%だった。リスクの少ない手段で、生活費や他の資産形成とは別枠で教育費を貯めるパパママが多いようだ。
そして、奨学金の利用については、給付型奨学金を「積極的に利用してもいい」「必要に応じて利用してもいい」との回答が多かった。一方、返済型奨学金は給付型に比べて「できるだけ利用させたくない」「絶対に利用させたくない」という回答がやや多い。
自身の高等教育(大学、短期大学、高等専門学校)で奨学金を利用したパパママは38.2%。自分が奨学金を利用した経験があると、子供の奨学金利用に肯定的になる傾向が、この調査からは見て取れる。
コロナ禍やITの進展などで、社会は大きく変わろうとしている。先の見通しにくい今、子供の教育方針を立てるのも難しく感じるだろう。方針が立てられなければ教育費も計画しづらい。
ただ確実なのは、子供は将来、自身の人生を自分で選び取って切り拓いていかねばならないということ。そのための力をつけるのが教育だ。まずは親としてどのようにその力をつけさせてあげたいか、じっくり考える必要がありそうだ。
〈調査概要〉
・参照元データ:株式会社エイチームフィナジー「ナビナビ保険」
(URL:www.navinavi-hoken.com/articles/scholarship)
・調査方法:インターネットによる調査
・調査対象:全国にお住まいの20代から40代の未就学の子供を持つ男女
・調査期間:2021年3月12日~2021年3月13日
・調査エリア:全国
・サンプル数:425名
文:平井達也
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