2020.12.26
2021.09.11
2021.05.27
“国民的お魚博士”とでもいうべき、ご存知、タレント&魚類博士のさかなクン。豊かな才能と深い専門知識、そして、飽くなき好奇心を持ち、オリジナルなスタイルを貫きながらしっかりと社会的地位を築いている彼の生き方を、素敵だと感じる人は多いだろう。
彼が成功した背景には、子供時代、たとえ勉強ができなくても型にはめようとせず、彼の「好き」と「個性」を受け止めて、応援し、伸ばした母親の存在があったというのは有名な話だ。
「例えばさかなクンのように、好きなことを仕事にし、社会に貢献していくことこそ、これからの時代に求められていることなのです」と話すのは、東京・三鷹に拠点を置く小学生向けの学習塾「探究学舎」の宝槻 泰伸さん。
「20世紀の日本は、質の高い労働者を大量に育成する学校教育がうまくハマって、奇跡的な経済復興、成長を遂げました。苦手を克服し、何事も平均的に満遍なくできるような教育観です。
でも、21世紀の社会では、それよりも、自分の個性を活かしながらいろんな領域でイノベーションやチャレンジを起こし、社会のさまざまな進化を目指すという局面に移行しつつある。学歴が唯一という考え方も徐々に形骸化していき、学校教育のアップデートが課題となってくるでしょう」。
成績アップや受験合格を照準にした一般的な学習塾とは一線を画し、探究学舎では国語や算数といった教科別の勉強はいっさい行わない。「宇宙編」「元素編」「戦国英雄編」「人体医療編」など、大人も好奇心をくすぐられるようなテーマで、クイズやゲームなどのエンタメ要素をふんだんに取り入れた授業を展開し、子供の心を鷲づかみにする。
好奇心に火がついた子供たちは、授業が終わって家に帰った後も目を輝かせながら図鑑や本を読み漁ったり、調べたことをノートにまとめたり、さらなる探究を続ける。探究学舎とは、いわく「驚きと感動の種をまき、興味を開発する塾」なのである。
「いわゆる歴史博士、宇宙博士、昆虫博士、生き物博士はボコボコ生まれています(笑)。なかには、探究を深めた結果、オンラインの歴史クイズ大会を開催して成功させた子や、元素のカルタを開発して、クラウドファンディングで400万円を集めて商品化した子もいます。
子供って、夢中になれる対象を探す旅をしているんです。適切な課題が適切なタイミングに訪れれば、没頭状態になって覚醒する。そうなれるかどうかは生まれ持った資質の問題ではなくて、機会があるかどうか。いかに種をまき、火をつけられるかということなんです」。
好きなこと、やりたいことを、仕事にする。本来、すべての子供たちがそんな将来の夢を胸に抱いていて、その夢を叶えるためには「好きなことを発見できる学習」と「やりたいことを形にする挑戦」が必要だというのが宝槻さんの考え。その点にフォーカスした教育手法のことを探究学舎では「興味開発」と呼び、独自のメソッドを展開している。家庭でも実践できる、興味開発術は何かあるだろうか?
「一番手軽でオススメなのが、良質なドキュメンタリー作品を親子で一緒に観ること。今どきは、Netflix、Amazonプライム、NHKオンデマンドなどいつでも視聴できる、優秀な種まき装置がたくさんありますから。何千個もコンテンツがあるわけですから、子供が興味を持つ対象がその中に存在する可能性も高い」。
我が子の将来を想う親に与えられた使命とは、良質な種まきの機会をできるだけたくさん作ってあげること。まいた種が芽吹くとき、子供たちの目は驚くほど輝くという。ちなみに探究学舎では、2020年春から「双方向型オンライン授業」を本格化。今まで見たことのないような我が子の表情を目の当たりにしたいのなら、濃密な興味開発型授業をまずは一度、親子で体験してみるといいかもしれない。
1人ひとりの探究心に火をつける興味開発型の学び舎。宇宙・生命・元素・医療・数学・経済・歴史・芸術・IT、様々な分野について世界にたった1つの完全オリジナルな授業を提供。2日間計9時間で完結の特別授業「探究スペシャル」、週1回の「オンライン通塾」、全6回で完結する「オンライン探究」などがある。
探究学舎 三鷹校
東京都三鷹市下連雀3-38-4 三鷹産業プラザ2階
HP:tanqgakusha.jp
宝槻泰伸さん
1981年東京都三鷹市生まれ。探究学習を柱とした教室「探究学舎」代表。幼少期から「探究心に火がつけば子供は自ら学び始める」がモットーの型破りな父親の教育を受ける。高校も塾も行かずに京都大学に進学。大学卒業後すぐに起業。映画や漫画、小説、キャンプなどから縦横無尽に学んだ経験を活かし、様々な場所で講師としても活躍。著書に『強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3 人の息子を京都大学に放り込んだ話』(徳間書店)、『京大3兄弟ホーツキ家の「型破り教育論」とんでもオヤジの「学び革命」』(小学館)、『勉強嫌いほどハマる勉強法』(PHP 研究所)ほか。5児の父。
文:曽田夕紀子
FQ Kids VOL.05(2021年冬号)より転載
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