友達にすぐおもちゃを渡してしまう……子供の主張の弱さに悩む親ができること

友達にすぐおもちゃを渡してしまう……子供の主張の弱さに悩む親ができること
SNSで大人気の現役保育士・てぃ先生が、FQKids読者の悩みに答える連載企画。最初の相談は、「子供にもっと自分の意思を持ってほしい」という親御さんのお話です。

《 今回の相談内容 》

もうすぐ2歳になる男の子です。お友達と遊んでいる時、自分のお気に入りのおもちゃなのに、お友達に取られると拒否することもなく、サっと渡してしまいます。そのお友達がいつもよく遊んでいる子が渡さないと泣いてしまうことを知っているのか、その子が近づいてくるとすぐに差し出してしまいます。

寂しそうな顔をしながら渡すので、少しかわいそうに思えてしまいます。親としては自分の意思を持って、「これは自分のだから渡さない」と少しは争ってもいいと思っているのですが、なかなかそうはいきません。そのような時、親としてどのように対応したらいいのかとても迷っております。何かアドバイスを頂ければ嬉しいです。

(匿名さん・1歳男の子の親)

「渡す」のも「渡さない」のも子供の個性

今回のご相談に対する僕の考えを最初にお伝えしておくと、「親はとくに何もしなくてOK」です。

拍子抜けさせてしまったかもしれませんが、遊んでいるおもちゃをお友達にサッと渡してしまう……というのは、別に悪いことではないと思うのです。2歳児さんですから、もう少し成長していくと自己主張が強くなっていくでしょう。今は温かく見守ってあげてください。

「これは自分のだから渡さない」と争ってもいいのでは? と心配になる親御さんの気持ちは、本当によく理解できます。このままだと自分の意見を言えない子になってしまうかも……と不安を感じてしまいますよね。

でも、大丈夫。なぜなら、おもちゃを「渡す」のも「渡さない」のも子供の個性だからです。

今は「渡してしまう」という姿で悩んでいらっしゃいますが、仮に「絶対に渡さない」というお子さんの姿があった場合は、どう感じますか? おそらく「何で渡さないんだろう……」と別の悩みが生まれますよね。

現時点で、お子さんは「渡した方が良い」と感じているわけですから、その個性を認めた方が良いと思うのです。

パパやママが、何かお手本を見せるといいかも

とはいえ、そのままではご不安が続くでしょうから、ポイントをお話します。たとえば、「自分が遊んでいるおもちゃなんだから、取られてイヤならイヤと言っていいんだよ」と教えることに、どんなメリットがあるでしょうか? 子供に「自己主張しなさい」と強要するのも違う気がするし、ちょっと考えづらいですよね。

これは想像でしかありませんが、すぐにおもちゃを差し出すのはもしかすると、ご家庭で一緒に遊んでいる時に、お子さんが欲しがったおもちゃを「はい、どうぞ」とすぐに渡していませんか? 「ちょうだい」「はい、どうぞ!」というのが普通のやりとりで、それが当たり前だとお子さんが思っている可能性もあります。

もし本当にそうなら、試しにおうちでも「これは今パパが使いたいから、順番こね」なんていうやり取りをやってみると良いかもしれません。

特にひとりっ子の場合だと、家庭内でおもちゃを取り合うという経験はほとんどありませんから「すぐに渡す」か「絶対に渡さない」のどちらかに偏りがちです。そうすると、相手に言い返したり、自分の主張を強く伝えたりとか、上手にできないかもしれません。“まだ”経験が足りませんからね。

「親としてどのように対応したらいいか?」という今回のご相談に一つ答えを出すとしたら、自己主張することを「教える」というよりは、お子さんが好きな遊びの中で「自然と伝わる」ように、パパとママがお見本となって自己主張してみると良いと思います。無理して何かしなければ、というプレッシャーを感じる必要はありません。

2歳目前というと、これからどんどん自我が芽生えていく時期。焦らずゆっくりと、お子さんの成長を見守ってあげてくださいね!

プロフィール

てぃ先生
関東の保育園に勤める保育士。名前の読み方は「T」先生。Twitterフォロワー数は50万人、YouTubeチャンネル登録者は20万人を超える。著書である『ほぉ…、ここがちきゅうのほいくえんか。』(KKベストセラーズ)は15万部を超える大人気作に。近著の『てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!』は自身初となる育児本であり、こちらもベストセラーとなっている。現在は保育士の専門性を生かし、子育ての楽しさや子供への向き合い方などを発信中!


取材・構成:脇谷美佳子

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