
2021.12.06
未来をより良く生きるための「デザイン的思考」って? 親が子供にしてあげられること [前編]
![未来をより良く生きるための「デザイン的思考」って? 親が子供にしてあげられること [前編]](https://fqkids.jp/wp-content/uploads/2021/12/fqk_sat20211201-ec1-290x220.jpg)
2025.10.06
《今回の相談内容》
6歳と4歳の女の子を育てています。子どものこだわりに困っているので、相談させてください。
下の娘に写真ブームがきており、何でも「忘れないように写真を撮って」と要求してきます。
例えば何か作った物などならわかるのですが、食べる物すべてや排泄物まで「撮って」。最初は言う通りにしていましたが、外出先であったり、スマホやカメラを忘れたりで撮影できないと伝えると、号泣して「トイレしない!」といったパニックになります。
写真を撮れば解決するのかもしれませんが、正直この状態がいつまで続くのだろうかという気持ちと、できない時もあることを理解してほしい思いで苦しくなってきました。どうしたらよいのでしょうか。
いろんな育児相談を読んだりしてみましたが、なかなか同じ状況が見当たらないので、アドバイスいただけたら嬉しいです。
(こめこめさん・6歳、4歳の女の子の親)
この場合、撮影することを急にやめてしまうのではなく、徐々に頻度を落としていくのがいちばんいいかなと思います。例えばカレンダーを壁に貼って、「この日は写真を撮る日だよ」と〇をつけておきます。最初は週に6個の〇。徐々に週5、週4、……と減らして撮影する回数を減らしていくのはどうでしょうか。
1日に何度も「撮って」と要求されるのだとしたら、撮影チケットを作り、「チケット1枚につき撮影1回ね」と伝えます。最初は1日に3枚渡し、慣れたら枚数を減らしていくイメージです。
大切なのは、「撮って」という要求を断る時に、その理由を明確にすること。「チケットを全部使ってしまったから、もう撮影は終わりね」と目に見える理由があれば、子どもも納得しやすくなるはずです。
こうした明確な理由がないと、結局は大人の機嫌次第ということになってしまい、「昨日はいいと言ったのに、なんで今日はダメなの? どうして?」と感じてしまうでしょう。
「できない時もあることを理解してほしい」と感じるのであれば、お互いにとってイレギュラーな状況を減らすように意識してみてください。
これは、寝る時の読み聞かせでもよくあるケース。いつも「寝る前に読むのは1冊だけ」と決めているのに、「今日は余裕があるから」と2冊読んだら、子どもが次の日にも2冊要求するのは当然です。
「昨日は余裕があったけど、今日は疲れているから無理」なんて大人の心情は、子どもにわかる訳がありません。大人の気遣いや優しさが、時に子どもを惑わせていることもあるわけです。一定のルールが崩れなければお互いのストレスが減り、イライラする必要もなくなります。
4歳なら、「チケットはあと1枚だけだから、撮影もあと1回ね」で理解しやすいはず。もしそこで子どもが泣いているから、パニックだからと2枚、3枚追加で撮ってしまうと、次の日もそれが当たり前になってしまいます。
「できない時もある」というのは大人側が設定したルールです。それを理解してもらうためにも、カレンダーへの丸やチケットの用意など、とにかく可視化をして、イレギュラーを避ける。これを意識してみてください。
てぃ先生
関東の保育園に勤める現役保育士。名前の読み方は「T」先生。SNSの総フォロワーは200万人を超え、保育士として日本一の数である。超具体的な育児法や子育てにおけるアドバイスは斬新なアイデアにあふれており、世のパパ・ママに圧倒的に支持されている。現在はSNSだけでなく、報道番組からバラエティー番組まで幅広いジャンルのテレビにも出演し、「いま一番相談したい保育士」と紹介されることも。著書に『子育てのみんなの悩み、お助け中!(ダイヤモンド社)』など。
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オフィシャルサイト:tsensei.com
文:藤城明子
FQ Kids VOL.21(2025年冬号)より転載