2020.05.29
2023.03.10
2025.01.20
再生可能エネルギー事業の一環として、環境教育プログラム「ReENE ÉCOLE」(リエネエコール)を各地で開催している東急不動産。
これは、未来に新しい価値とクリーンなエネルギーを届けるために⽇本のエネルギー問題に取り組む活動で、全国の子どもたちが楽しみながら環境について学び、⾃分たちの「まち」や「みらい」について考える機会を提供することを⽬的とした、環境教育プログラムのこと。
今回は「ReENE ÉCOLE」(リエネエコール)のイベントのひとつとして、186名の小学生を対象に、「ReENEサミット」が全国規模で開催された。
「探究学舎」の宝槻氏の探究心を引き出す力、場を盛り上げるトーク、発言したくなる流れで、「ReENEサミット」がスタート。今回のプログラムは下記のとおり。
〇脱炭素社会とは
〇気候危機と地球温暖化とは
〇再生可能エネルギーとは
〇みんなの住むまちや地球のみらい
子どもたちに意見を求める形で「脱炭素」について、わかりやすく解説。
「二酸化炭素とか、環境に悪い空気をなくすこと」「二酸化炭素の排出量と吸収量を一緒にする」など、まとを得た子どもたちの意見を吸い上げつつ、エネルギーをつくるために排出される二酸化炭素は、本来であれば「森」や「海」が吸収し、炭素を提供してくれていたが、人口増加や自然がなくなることでバランスが崩れ、150年前から4万倍の400億トンの二酸化炭素が排出されていることが、図解とともに説明された。
二酸化炭素が増えると地球温暖化が進み、その結果「干ばつ」「食料不足」「水不足」「海面上昇」「陸地消失」「難民増加」「異常気象」「台風」「大雨」といった現象が起こる。
さらに、温暖化によって南極・北極の氷が溶け、海面が上昇。もし南極の氷がすべて溶けたら海面が60m上昇し、日本は水没してしまう危機的状況が語られた。
ここで、「何が一番、二酸化炭素を排出しているのか?」というクイズが出され、悩む子どもたちへ、データとともに下記が明示された。
1位:発電所 38%
2位:工場 25%
3位:車 14%
電気を使えば使うほど発電所は増え、それが地球温暖化に拍車をかけている。そこで私たちにできることは何なのかという問いかけに対しては、「エネルギーを節約する」「自宅の屋根に太陽光発電パネルをつける」「植物を育てる」や、「ひとり一人の背中に太陽光パネルを背負う」という子どもならではの斬新な回答もあり、周囲からは歓声があがった。
そのような中、「再生可能エネルギーの電気を選ぶ」というひとつの解が導き出される。今まで電気を売っている会社は大手10社程度だったが、2016年の電力自由化により、現在では750社ほどに増加。要は、再生可能エネルギーによって作られた電気を買えば、二酸化炭素排出の38%を占める発電所問題解決の一助になるということだ。
環境のことを考え、「太陽光発電」「風力発電」「水力発電」など、資源が枯渇しない、どこにでも存在する、二酸化炭素を排出しない自然を利用した再生可能エネルギーを選ぶことで、地球の「みらい」を明るいものにできる。私たち消費者の選択こそが、脱炭素につながると伝えられた。
また、みんなが住んでいる自治体が「再生可能エネルギー」を推進し、まちに緑が増えたり太陽光等の自然エネルギーを活用する施設が増えることで、地球に貢献することができると教えてくれた。
最後に、本日の振り返りとして下記3つが提示された。
1)自分たちも、家や駐車場などに太陽光パネルを設置することができる
2)地球温暖化に優しい電力会社を、自分たちで選ぶことができる
3)まちが推進することに協力し、地域全体で行っていく
さらに、開催者からのメッセージとして、「地球温暖化は今の大人世代が引き起こした問題かもしれない。しかし、地球温暖化は待ってくれない。次世代を生きる君たち自身も、この問題を自分事として捉えて、地球の未来を守るための行動をしてほしい」と伝えられた。
このたびのイベントは、環境問題に取り組むリーディングカンパニーと子どもの探究心に火をつけるプロがタッグを組み、子どもたちが地球の「いま」と「これから」を自分ごととしてとらえ、考え、行動を促すプログラムであった。
イベント後、親子へ行ったアンケートでは、下記のような声が聞かれた。
●自分たちの生きる地球を守りたくなりました。
●本日の授業が家族全員でとても楽しめて環境について考えるきっかけになりました。
●学ぶ機会があればあるほど環境への意識が変わり、より具体的な取り組みに参加したいと思うようになりました。
●また、こういうわかりやすく、子どもたちが入りやすい授業のような形で開催を広げてほしいと思います。
「ReENE ÉCOLE」(リエネエコール)とは、東急不動産の再⽣可能エネルギー事業「ReENE(リエネ)」のブランド名と、フランス語で学校・学び舎を指す「ÉCOLE(エコール)」を組み合わせた環境教育プログラムのこと。
昨年1月には「TENOHA代官山」で、渋谷区立猿楽小学校の児童と環境保全や再生可能エネルギーなどを学ぶ「ReENE授業」も開催。「今回はオンラインで、初めて全国の子どもたちとつながる授業を行うことができました。今後も地域のみなさまと共創しながら、環境問題に向き合っていきたいと思ってます」。
探究学舎 代表取締役 宝槻泰伸さん
「探究学舎は、驚きと感動の種をまき、学びへの興味があふれ出す魔法の授業をしています。子どもたちの探究心に火をつける興味開発型の学び舎で、覚えることや正解することよりも、驚いたり感動することを大事にしています。
今回のイベントでは、電力会社を自分たちの意思で決められるということを知ってもらい、脱炭素について考えるきっかけになってくれればと思っています。そして、より探究心を広げるためにも、会話をしながら親子で一緒に学ぶことを大切にしてほしいと思っています。」
写真:松尾夏樹
文:細井香里
編集部のオススメ記事
連載記事
#今話題のタグ