3人きょうだいの“ケンカがほぼない”家庭が実践する、親の対応&謝り方のルールって?

3人きょうだいの“ケンカがほぼない”家庭が実践する、親の対応&謝り方のルールって?
子どもが2 人いたら、けんかが起きるのが当たり前……? 今回は3人の子どものパパである俳優・タレントの照英さんに、きょうだいげんかについての悩みに答えていただきました。

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きょうだいげんかについての読者の悩み
きょうだいげんかのいさめ方がわかりません。
もうすぐ2人目が生まれますが、どのようにバランスを取ったらいいでしょうか。
兄弟げんかが尽きません。上の子が納得できないと暴れるため困っています。

照英家ではけんかなし!
その理由とは……?

わが家の子どもたちは3人兄妹。一番上と下が10歳近く離れています。実はわが家では、きょうだいげんかはまったくありません!

わが家の子育てスタイルは、「お兄ちゃんをリスペクト」。妹たちには「何かあったらお兄ちゃんを頼りな」と伝えています。お兄ちゃんは妹たちを守ってあげる代わりに、お兄ちゃんのことはパパとママが守ってあげる。このスタイルなら、争う必要がありません。

小さな口げんかがあった時は、「君たちはパパとママの宝物だから、そんなふうに宝物が壊れていくのを見るのは悲しい」と伝えていました。

「きょうだいげんかをするほど、子どもはたくましくなる」なんて言う人もいますが、僕はけんかをすることでいい方向に向かうことはないと思います。けんかはお互いの心を傷付け合うこと。パンチする子どもに「強いね!」なんて言うのは、絶対アウトです。

きょうだいげんかをいさめるために
まず親がするべきことは?

そんなわが家でも、小さい頃は、お兄ちゃんと上の妹がけんかして、軽いパンチで妹を泣かせてしまったことがあったんですよ。その時「妹を泣かせたな。どうしてだかわかるか? お兄ちゃんは年が上で、力が強いからだぞ。ずるいと思わないのか?」と話したら、2度と同じことはやりませんでした。

先に生まれて身体が大きい子の方が、力が強いのは当たり前。男性の方が女性より力が強いのも当たり前です。大人だって、トレーニングをしたり格闘技を習っている人の方が強いでしょう。

「年上の子は年下の子を押したりしちゃいけない」「男の子は女の子にパンチしてはダメ」。そうした基本は、親がしっかりと教えてあげるべきだと僕は思います

家の中でけんかをするきょうだいがいたら、「2人ともパパとママの宝物」という親の気持ちをまず伝えて。それから、どうしてけんかをしたのか理由をきちんと聞いてみてください。

例えば男の子2人の兄弟の場合。もしかしたら弟は、お兄ちゃんに負けたくないからけんかをふっかけたのかもしれない。もしかしたらお兄ちゃんは、弟を下に見て、兄貴風を吹かせていたのかもしれませんよね。

子どもはなぜ自分がイラついているかを理解できていないことが多いはず。まずは親がお互いの言い分を聞いてから、自分の気持ちをしっかり理解させて、けんかをしないで済む方法を教えてあげてください。

きょうだいげんかは
上の子から謝らせる

お互いの気持ちや言い分をきちんと聞いた上で、最終的にどうやって収めるか。表面的に、「けんかはやめようね、はい、仲直りの握手!」なんてやっても効果なし。また同じことを絶対やるし、どんどんエスカレートしていきますよ。

僕なら、まず最初に年上のお兄ちゃん(お姉ちゃん)に謝らせます。年上の子はプライドがあるから、きっと悔しいですよね。「自分の方が年上なのに、なんで頭を下げなくちゃいけないんだ」って。

その時に「またけんかをしたら同じ思いをすることになるんだよ」と伝えて、悔しさと責任感を子どもにしっかり感じさせることが必要だと思います。

大人も偉い人ほど頑固で謝らないことが多いですけど、無駄な意地やプライドを引っ込めて、自分の責任を認められるようにならないと成長できないし、それをさせられるのは親だけです。

そして下の子には、「お兄ちゃん(お姉ちゃん)が、君のために先に謝ってくれたんだよ。そのことに感謝して、君も謝りなさい」と伝えます。そうやって、お兄ちゃん・お姉ちゃんをリスペクトする気持ちを育てる、というのが照英流ですね。

子どもがけんかをするのを放置したままでいると、いいことはありません。大きな事故や痛手になる前に、きちんときょうだいげんかに向き合って、子どもの気持ちを聞いてあげてください。

PROFILE

照英(しょうえい)

1974年生まれ。俳優・タレント。学生時代、やり投げで全国区の選手として活躍。その後ファッションモデルとして活動し、『星獣戦隊ギンガマン』で俳優デビュー。芸能界にフィールドを広げ、現在は司会やリポーターを務めるなど、幅広く活躍している。私生活では、3人の子どものパパとして子育てに奮闘中。等身大の子育て論が、子育て世代に強い共感を呼んでいる。

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文:藤城明子

FQ Kids VOL.17(2024年冬号)より転載

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