2021.03.25
2024.09.30
2024.02.28
《今回の相談内容》
2歳9ヶ月の娘の悩みです。私が保育園へお迎えに行ってもたいして喜ばず、家でもママ、ママと寄ってくることはあまりありません。
寝る時も、私から離れてそっぽを向いて寝ます(1歳の弟は別部屋で寝ています)。パパが可愛がるからママの方には来ないというわけでもないです。シングルマザーなので。
「ママのことを嫌いなのかな」「ママなんていらないのかな」と思い悩む毎日です。実家で私の両親と暮らしているので、おじいちゃんおばあちゃんは娘にはとても甘いです。
今ちょうどイヤイヤ期で、それもあって私はイライラして怒ってばかり……。「こんなママじゃかわいそうだな」「だからよけい嫌われるのかな」とは思うのですが、余裕なんてまったくないです……。どうしたらいいかわかりません。
(みーさん・2歳の女の子、1歳の男の子の親)
もしかしたらみーさんは、理想的な親子関係のイメージにとらわれすぎているのかもしれません。 例えば、子どもはママのことを100%大好きで、いつもママ、ママと甘えてくれるものだといったような。
あるいは、他のお子さんがママに笑顔を向けたり、ママに甘えているその一瞬を切り取って、他の家庭の見え方と比べて「うちは違う」と思ってしまっているのではないでしょうか。
でも、愛情表現は人それぞれみんな違います。
お子さんも、常にママにそっけないというわけではなくて、どこかの瞬間で笑顔を向けたり、甘えてくることもあると思います。その子なりの愛情の表現の方法を、理想のイメージや他の家庭と比べてしまうから、不安になってしまうのかもしれません。
見方によっては、ママだけではなく、ママ以外のことにも広く興味を持っている面では良いことともいえますよね。親だけに依存していないということです。
それに周りへ目が向くということは、親を信頼している証でもあるんです。絶対に自分を受け入れてくれる場所があるから、子どもは冒険ができます。周りへ興味や関心を向けられるということは、ママがその場所になれているということ。
何かと比べて、こんな状態が正しいとか、いい親子関係はこういうものだということは、考えなくてもいいと思います。
また、自分はイライラして怒ってばかりとのことですが、そもそも親だって、子どもを常に100%愛することができるのでしょうか? どんな時でもニコニコ笑って接することができる親なんていません。どんな親だって、イヤイヤ期にはイライラしちゃうものです。だから「こんなママじゃかわいそうだな」なんて、思う必要なんてないんです。
「甘えてこない」ことが気になるということは、みーさんが「甘えてほしい」と思っているのかもしれません。だとしたら、子どもが甘えてくる/甘えてこないということには関係なく、無条件に「大好きだよ」と言って抱っこするなど、こちらから愛情表現をしてみてもいいと思います。
大切なのは、娘さんが何か困ったことがあったり、不安に思ったり、心配なことがあったときに、みーさんが頼れる存在であり続けること。
甘えてこないからどうしよう、ということではなく、娘さんが甘えてきても、甘えてこなくても、いつでも「私はあなたの味方よ」と受け入れる体制だけ整えておくことです。
「何かあったらいつでも頼ってね」という気持ちで、お子さんに接することができれば、それ以上に何かを頑張る必要なんてありません。ぜひご自身の子育てに自信を持ってください。
てぃ先生
関東の保育園に勤める現役保育士。名前の読み方は「T」先生。SNSの総フォロワーは170万人を超え、保育士として日本一の数である。超具体的な育児法や子育てにおけるアドバイスは斬新なアイデアにあふれており、世のパパ・ママに圧倒的に支持されている。現在はSNSだけでなく、報道番組からバラエティー番組まで幅広いジャンルのテレビにも出演し、「いま一番相談したい保育士」と紹介されることも。
文:脇谷美佳子
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