2022.01.30
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2020.12.24
「ダイバーシティ&インクルージョン」は、ビジネスの世界でもよく使われるので、自分はすでに知識があるし実践できている! と自負する読者が多いかもしれない。
男女共同参画や障害者差別解消などは法律も定められており、社会で推進していること。LGBTsの話題も増え、人それぞれにセクシャリティ(性のあり方)が存在することもわかってきた。最近では、なかなか解消されない人種差別問題に抗議するアスリートの活動などが話題となった。
しかし、ここで改めて強調したいのは、私たちは“悪気なく”いつのまにか人を差別したり傷つけたりしていることだ。性別や人種だけでなく、多様性のキーワードには年齢や価値観、文化なども含まれる。障害のある人や国籍が違う人には心がけて配慮をしているのに、何の気なしに下の吹き出しのようなことを言っていないだろうか?
意識していなかったとしても、大人が発する言葉や態度を通して、子供たちにその基準が刷り込まれていくことをしっかりと心得たい。
例えば、男の子がピンク色のランドセルをほしいと言った時、そうして構わないと思いながらも「でも、ピンクのランドセルだと、みんなに変だ! と言われるかもしれないよ」と言ったとする。その後、息子が学校でピンクのランドセルを持つ男の子を見かけたら「ピンクのランドセルは変だとパパが言ってたよ」とからかい、友達を傷つけてしまうかもしれない。親にそんな気持ちはないにしろだ。
そんな残念なことが起きないよう、私たちは常に言葉選びに気をつけたい。いろいろな立場、特性、属性などの人がいることを深く理解し、勝手な決めつけをやめたい。子供たちが生きる未来が、みんなに優しく、誰もが生きやすい世界になることを願って。
国連加盟の193ヶ国が合意する世界共通の目標「SDGs※」には、人種差別や社会的格差を解消するゴールも含まれている。
SDGsは国や企業や自治体に求められるグローバルな課題だが、個人ができることもたくさんある。2030年までの達成を目指し、できることからはじめたい。
※SDGs:Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称。2015年の国連サミットで採択された17の大きな目標は上のアイコンにあるもので、さらに具体化した169のターゲットがある。
文:江頭恵子
FQ Kids VOL.04(2020年秋号)より転載
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