【調査結果】家事代行サービスの利用が5年で5倍に!? 子育て世帯が増えている理由

【調査結果】家事代行サービスの利用が5年で5倍に!? 子育て世帯が増えている理由
家事代行サービスの利用が、子育てファミリーの間で広まっている。どんな理由で? 実際に使ってみて感じたメリットは? 家事代行を利用している子育てファミリーへの調査結果から探ってみた。

【家事代行利用が増加している理由】
家事代行は贅沢?
最新の利用状況を調査

より一層忙しさを感じるこの季節は、家の中をきちんと整理したくても、余裕がなかったり、 無理をすれば体調を崩してしまったりとなかなかうまくいかないもの。そんな子育てファミリーに人気なのが「家事代行サービス」だ。

家事を第三者にゆだねることに抵抗を感じるパパ・ママは少なくないかもしれない。しかし、利用実態について調査した結果からは、家事に対する意識が変わりつつある様子が見えてきた。

【家事代行利用が増加している理由】
利用した子育てファミリーに聞いた
サービス利用のメリットとは?

ベビーシッター・家事代行サービス「キッズライン」を運営する株式会社キッズラインは、子育て世帯の家事代行サービス利用についての調査結果を発表した。

まず、同社の家事代行サービスの利用状況については、子育て世帯による利用件数は運用開始以降の5年間で5倍に増加しているという。

同社の家事代行サービス利用者全体に占める子育て世帯の割合は、82.4%と最も高くなっているそうだ。

さて、調査でまず尋ねているのは「家事代行を利用する理由」。

1位は「家事に時間がかけられない(51.1%)」。また3位には「育児が大変だから(39.3%)」が入った。共働き世帯が増え、子育てと仕事に忙しく、家事に費やせる時間や労力が足りないパパ・ママが多いのだろう。

2位には「自分ではできない・難しいところをやってほしい(42%)」がランクイン。家事について「何でも自分や家族でするもの」ではなく、「自分ができない部分はプロに依頼する」という考えが浸透してきた結果だといえる。

困ったときの応援を求める先として実家や親族が考えられるが、「実家や親族に家事を頼ったことはあるか」を尋ねると、回答は「ある(51.5%)」「ない(47.0%)」がほぼ同率となった。

実家や親族が近くにいないケースや、実家の親や親族にも仕事や介護があって頼めないケースもあるだろう。さらに、第三者に依頼した方が気を遣わなくていい、という人も多いのではないだろうか。

「家事代行を利用するとき抵抗感があったか」も質問している。今までどうにかやってきたことを人に頼むことにためらいを感じる人もいるだろう。

結果は「あった(43.4%)」「なかった(54.3%)」と、抵抗感がなかったパパ・ママが上回った。仕事と育児に追われる中、家事代行サービスを頼むことへのネガティブな感覚は薄れてきているのがわかる。

実際に、家事代行サービスを利用して良かったと語るパパ・ママの声を紹介しよう。

家事代行サービスを利用してよかったこと

●育児で余裕がなくいっぱいいっぱいで、家事が負担だった。作り置き料理をお願いすることで、毎日の献立に悩むことなく、子どもとの時間や気持ちの余裕ができ、本当に助かった。(神奈川県/20代女性/専業主婦)
●産後に家事代行のサポートをしてもらい、とても助かった。私の実家は遠方で母も高齢のため手伝いに来られなかった。(神奈川県/40代女性/時短勤務)
●自分では作るのが難しい幼児食をメニュー豊富に作ってもらえるので、定期でお願いしている。(東京都/30代女性/フルタイム)
●仕事からの帰宅後、子どもが就寝するまでの数時間を家事に充てなくて済んだ。(静岡県/30代女性/時短勤務)
●気になっていた子どもの栄養面の心配、平日のご飯の心配が解消できた。(埼玉県/30代女性/フルタイム)
●作り置きをいつも頼んでいる。1週間、料理のことを考えなくていいから助かる。買い物も必要な食材が決まっているため、時短になった。スーパーで「今日は何にしようか」とウロウロする時間がなくなった。(愛知県/30代男性/フルタイム)

家事代行サービスを利用することで気持ちに余裕ができ、子どもの栄養面への配慮など、家事の質の向上にも役立っていることがわかる。

「家事代行を利用することで家族との時間が増えたか」を質問すると、「そう思う(51.2%)」「どちらかといえばそう思う(36.5%)」を合わせて、約9割が家族との時間が増えたという回答だった。代行できる部分はサービスに任せて、家族でないと担えない役割に集中する様子も伝わる。

「家事代行サービスを利用することで仕事のパフォーマンスが向上すると思うか」についても、約9割が「そう思う(92.7%)」と回答。家事のことを気にせずに仕事に集中できる効果も明らかになった。

さて、一部の地方自治体では、子育て支援施策の一環として家事支援制度に乗り出している。そうした制度の利用状況について尋ねると、「すでに利用している」「利用したことがあるがもう利用しない」が16.3%であるのに対し、「(制度はないがあれば)利用したい」が46.8%と半数弱を占めた

多くの子育てファミリーに、家事を手伝ってほしいという潜在的なニーズがあることが明らかになった。地方自治体による支援制度の広がりも期待されるところだ。

【家事代行利用が増加している理由】
アウトソーシングへの意識が変化
大掃除シーズンもきっかけに

調査を通してわかってきたのは、家事は自分でやらなければいけないという意識が薄らいできていることだ。アウトソーシングできるところはアウトソーシングして生活の質の向上をはかり、余裕ができた分家族と一緒に過ごす時間を大切に、という方向に価値観がシフトしてきているのがうかがえる。

大掃除シーズンを迎えて憂鬱な気分のパパ・ママも多いだろう。年末に大掃除キャンペーンを実施している家事代行サービスもあるので、チェックしてみてはいかがだろうか。

〈調査概要〉
2023年「家事代行」に対する意識・実態調査
・調査主体:株式会社キッズライン
・調査期間:2023年10月20日~24日
・調査対象:キッズライン会員477名(女性428名、男性42名、未回答7名)
・調査方法:インターネット調査

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文:平井達也

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