2020.03.11
2021.12.24
2023.07.06
パリ郊外ヴァル・ド・マルヌ県における活動の様子 ©Cité Musique Démos Centre Val-de-Marne 2021-2022 by Bertrand Desprez
フィルハーモニー・ド・パリが2010年から、音楽を通じ芸術文化を広める活動「Démos」を行なっている。社会的または家庭の経済的要因で文化的教育にアクセスできない都市および地方の7〜12歳の子どもを対象に、3年間にわたり無料のオーケストラ楽器の練習機会を与えクラシック音楽に触れる取り組みだ。
パリ市でのメンバーの子どもたち。©Cité Musique Démos Paris 2021-2022 by Bertrand Desprez
毎年度末にはオーケストラ演奏があり、3年を終えると楽器を所有できる。修了後、50%の子どもがその後も楽器練習を続ける※そうだ。
※出典:フィルハーモニー・ド・パリ「Démos」2022〜2023年パンフレット
Démos
文:守隨亨延
今年上演された「ラプンツェル」のワンシーン。©Augsburger Puppenkiste
1948年に「長靴をはいた猫」を初上演してからアウグスブルグで愛され続けている小さなマリオネット劇場がある。その名はプッペンキステ(「人形箱」の意)。グリム童話からドイツの児童文学者オトフリート・プロイスラーの作品(「小さいおばけ」など)を舞台化している。
幼児でも聞き取りやすいテンポと現代に合わせたアレンジが特徴的。併設の人形博物館は2001年に開館してから100万人以上の来客を誇る。アウグスブルグの姉妹都市である兵庫県尼崎市と滋賀県長浜市で演じた経験も持つ。
Augsburger Puppenkiste
文:町田文
通称「ボローニャ・ブックフェア」と呼ばれる世界三大ブックフェアの1つ。©Bologna Children’s Book Fair
今年60周年を迎える児童書専門のフェア、ボローニャ児童書見本市が3月に開催され、90ヶ国が参加し、3万人の来場者を記録した。会場では、出版されたばかりの本や出版予定のサンプル本が展示され、翻訳版の出版の取引がなされたり、出版予定の本の出版社が決定される。またライセンス契約のパビリオンもあり、キャラクター権利の取引も行われる。
児童図書賞や原画賞などの発表や、講演会やアーティストのライブパフォーマンスなどイベント要素も多い。日本でも注目されている見本市で、板橋区立美術館では6月から「ボローニャ国際絵本原画展」を開催予定だ。
BOLOGNA CHILDREN’S BOOK FAIR
文:田中美貴
6月になると、自家菜園で新じゃが掘りが楽しめる。©Jan Oster
北欧デンマークでは「土から食卓まで」という食の流れを子どもに体験させたい家庭が多い。庭やベランダでベリーや野菜を育て、子どもに収穫を体験させることは、親としての楽しみと喜びなのだ。
首都コペンハーゲンでは、週末、畑で収穫体験ができる農園が子ども連れの家族で混み合う。6月は新じゃがの季節。掘り立てのじゃがいもを皮つきでさっと茹で、バターを絡めて食べるのが王道。夏野菜と一緒にライ麦パンにのせてもおいしい。
文:くらもとさちこ
着衣水泳の練習風景。長ズボンとジャケットを着て練習することも。©Zwemschooĺt Watertje
服と靴を着たまま飛び込んで泳ぐ――オランダの水泳教室では必須のレッスンだ。オランダでは、ほぼすべての4〜7歳児が水泳教室に通っている。着衣水泳の試験をパスしていない子は、公立プールでは腕に浮き輪をつけないといけないというシステムも。
川、運河、湖など、水を身近に感じて生きてきたオランダ人の“水中での安全”への意識は高い。バタフライができるかよりも、いざというとき泳いで自分の命を守れるかが大切、という現実主義的な考え方だ。
文:米屋香林
子どもたちの好奇心をそそり、教育を通して大きな影響を与えられるようにデザインされた展示。©Discovery Cube
ロサンゼルスの非営利科学センター「ディスカバリー・キューブ」。家や工場を50以上まるごと再現し、実際に動き回りながら体験型で学ぶ。
例えば、リサイクル・ラインゲームでは、巨大なベルトコンベアで運ばれる物から、空き箱などリサイクルできるものを選べたら点数を獲得。寝室では、たくさんついた電気を消すなどで省エネを学ぶ。「子どもたちが、いつもまた行きたいと言っている」と保護者も大満足。
科学ベースの展示やプログラムを通じて、子どもたちが学習や発見を生涯を通して好きになるように影響を与えることが使命。©Discovery Cube
Discovery Cube
文:大山真理
FQKids VOL.14(2023年春号)より転載
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