2020.05.29
2024.06.28
2023.04.21
ChatGPTなどの対話型AIの登場が世界を騒然とさせている。多くの仕事がなくなると言われているこれからの時代、人間に求められる能力とは何か。特に子供には、どんな力を身につけさせるべきか、改めて問われている。
知識を詰め込んだり計算する能力は、人間はAIにかなわないだろう。だとしたら子供には、生の経験に感動し、問いかけ、思考力を駆使して創造するといった、人間だからこそ持ち得る力を伸ばしてあげたい。学びの現場にもバーチャルな技術が取り入れられている今、おすすめのオンライン講座を紹介しよう。
株式会社シンシアージュが運営する、参加型オンラインスクール「こどハピ」。オンラインでありながら、“本物”の教材を使用し、“専門家との対話形式”によってリアルな体験を通して学びを深めるカリキュラムにこだわっている。この春、コースをリニューアルし、「サイエンスクラス」と「地域文化探求クラス」がスタートする。
①本物の教材を使った授業
例えば「サイエンスクラス」では、「化石標本から生物進化のひみつを大研究!」という授業が開催される。ここで触れられるのは、15種の本物の化石標本だ。恐竜をテーマに、当時の生き物の化石を生で観察しながら進化について学ぶという、本格的な講座だ。
他にも「顕微鏡で生物を大解剖!」では顕微鏡が、「天体望遠鏡と宇宙大研究!」では自分で作る天体望遠鏡キットが、「ラットの解剖から生体を大研究!」では本物のラットが自宅に送られてくる。
「地域文化探求クラス」では、「富山の文化・歴史・地理を大研究!」といった授業が開講される。その中には富山の特産品を使用し、富山の伝統料理の匠から指導を受けながらの調理実習も。事前に郵送される富山特産の昆布で「昆布〆」を作ることができるという。これまでも鹿児島県編で調理実習を行い、好評だったようだ。
※鹿児島県編の授業の様子
食材はその土地の歴史や風土と密接に関連している。それらを調理という体験を交えて知ることで、立体的な学習が達成されるのだ。
②その道の専門家から学ぶ
さらに、専門家から学べるというメリットもある。サイエンスでは、東京大学、大学院で生物を専門に研究していた先生や実際に中学・高校で理科を教えていた先生が、社会・文化では地域文化の専門の講師が授業を行う。
子供の知的好奇心からくるあらゆる疑問も、専門家にその場で質問したり意見を伝えたりと、対話形式で学んでいくことで、より思考や理解が深まるはずだ。
③発表する力・共感力を養う機会も
※鹿児島県編の授業の様子
また、質問や意見を、子供たちが他の生徒の前で発表する機会も設けられている。考えを伝える力や、他の子の発言を尊重したり、一緒に考えて深めていくといった姿勢を育むことができそうだ。
こうしたゼミ形式がリアル体験とあいまって、「学校や塾など他では学べない、より専門的な内容」と自負する教育を可能にしているのだろう。無料体験授業も実施中なので、気になった方はチェックしてみてはいかがだろうか。
技術が人間自身の存在を危うくするほど進歩しても、探究すべき謎は存在し続けるだろう。宇宙の果てはどうなっているのか、その中で人間はどのような存在なのか、そして自分はどう生きるべきか……。問い続けることや学ぶことの面白さを知る機会を子供には与えてあげたいものだ。
特に感性が柔軟な小学生くらいのうちに、リアルな体験を重ねて感動する機会を作ってあげることは大切だろう。感動体験はAIにはできないことである以上に、人生を豊かにする大切な要素なのだ。
文:平井達也
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